――この番組の収録は毎回、朝早くから深夜まで本当に大変だったと思うのですが、「疲れる」とか「しんどい」というよりも、スタジオコントができる「楽しさ」のほうが大きいのでしょうか?

伊達:僕らは出るコントの数も多いので、台本覚えなきゃいけないとか、正直4日くらい前から大変なんですよ。他の仕事もあるのでそこでも覚えることがあるし、すごく大変なんですけど、この番組ほど収録が終わった後に達成感のある番組はないですね。それはもう、毎回思います。前にNHKでもコント番組をやっていたことがあって、そのときは1週間で23本コントを覚えなきゃいけないことがあったんです。

富澤:あれは地獄だよね(笑)

伊達:地獄でしたけど、それができたのは本当にこの番組のおかげなんですよね。台本の覚え方とかも学ぶことができましたから。

富澤:僕は子供を産んだことないですけど、出産に似てるのかなって思いますね。産むまではすごい苦しんですけど、産んだらすごくかわいくて、「面白かったです」と言ってもらえると報われる感じがありました。

――そんな番組の反響は、被災地ではいかがでしたか?

伊達:「『東北魂TV』見てるよ」と言ってもらえるのはすごく多かったです。地上波のいろんな番組にも出てますけど、それを見たと言われるより、「BSフジの『東北魂』見たよ。面白かったね!」と言われるのが、一番うれしかったですね。それだけ労力もかかってるし、わざわざBSにチャンネルを合わせて見てくれるんだっていうのが、すごくありがたいし、やる気にもなりました。

富澤:岩手あたりだと、この番組のおかげでトミドコロの知名度が結構あるんですよ(笑)

伊達:(岩手)めんこいテレビで地上波でやってたりとか、仙台放送でもお正月にやってくれたりしてましたからね。

――まさに「笑いで日本を応援」というのを、この10年で体現できたのではないでしょうか。

伊達:できたんでしょうかねぇ? どうなんでしょう(笑)。でも、震災から10年で一旦区切るという感じとは違うんですけどね。

富澤:また何か違う形で、次のステップに入るのかなというところですね。

伊達:ひと段落、という感じですね。

  • 『東北魂TV』レギュラー最終収録後より

■復興は「間違いなく前進している」

――この10年、被災地を見続けられて、復興の状況というのは、どのようにご覧になっていますか?

伊達:震災後、月1~2回は被災地に行ってるんですが、みんな本当に一生懸命頑張ってるので、そういうのを見てきて「復興が遅い」とは口が裂けても言えないです。いまだにダンプカーが走り回ってる地域もありますし、まだまだ途上ですけど、震災直後に「復興に20年かかるんじゃないか」と言われていたところもあるんですが、10年でここまでくるとは思わなかったというくらい復興してると思いますね。

富澤:現地に住んでる人たちは毎日見てるから「まだまだ復興が遅いな」って感じるかもしれないですけど、僕らは時々行って違いを見るので、「あぁ、こんなに前と変わってるんだなあ」というのが分かるし、間違いなく前進はしてると思います。

伊達:ただ、福島の原発の状況は何も変わっていないので、これからはそこを少しメインで見ていかないといけないのかなと思います。