進学や就職するみなさんは、新生活に向け部屋探しを始める人もいるのではないだろうか。 初めての一人暮らし、どのような家に住むかでその後の生活は大きく変わる。
TikTokでのフォロワー3万超えの人気“家”フルエンサ―「ないけんぼーいず」のお二人(なかじさん、ジャブさん)に、新生活における部屋探しのコツを聞いてみた。
不動産のプロが教える部屋探しのコツとは?
「ないけんぼーいず」とは、元不動産大手トップセールスで、現在はTikTokを中心に各SNSで内見動画や良い不動産営業の見分け方など、部屋探しに役立つ知識を幅広く発信している。不動産の裏も表も知り尽くした彼らが教える部屋選びのポイントとは?
――引っ越しシーズンが始まっていますが、今年の動向に変化はあるのでしょうか?
コロナ禍ではありますが、例年と変わらず1~3月は人の動きが激しく、賃貸物件では就職や転職、就学に向けて多くの人が動いています。テレワークが広まり、郊外や少し田舎に引っ越すという人も出てきましたね。新しく部屋探しをしている方は、テレワーク環境が整った部屋を選ばれることが多い印象です。
――今回初めて引っ越しをするという人も多いと思いますが、部屋探しにおける注意点を教えてください
元不動産のセールスが言うのもなんですが、不動産営業の人の言うことは9割信じないほうがいいですよ(笑)。通常の部屋探しでは、不動産屋を利用して行いますが、焦って探すと営業トークに乗せられてしまい、住んでみたらイメージと違ったと後悔してしまうこともあります。不動産営業の人がよく「部屋を契約させるために使う言葉」をお伝えします。
「この後内見が○○件入っていて、次で決まる可能性が高い」
「実は昨日まで申し込みが入っていてキャンセルが入った」
もちろん本当の場合もありますが、これは焦らせて早く契約を決めさせようとする時に使われることが多い言葉です。最近ではあまり聞きませんが、内見中にあえて別の見学者をバッティングさせ、人気な部屋だと思わせる手法を使う人もいるそうです。急かされてすぐに決めても、本当に良い物件に住めるとは限りません。まずは自分がどんな部屋に住みたいのか、明確なイメージを持っておくことが大切です。
また、「仲介手数料0」などお得に見せかけても長い目で見るとそうではない物件も。不動産屋に勧められるままに決めるのではなく、自分で調べて決めるという気持ちも持っておいてほしいですね!
――部屋探しには住むイメージを持つことが大切なのですね。実際どのように考えればよいのでしょうか?
そこに住んでどんな生活がしたいか? を軸に、具体的に住むイメージを考えてみてもらえると良いと思います。
会社通勤に便利な場所がいい、料理のしやすいキッチンのある部屋がいいなど、想像してみることで住むエリアや部屋の条件が固まってきます。例えば、お酒を飲むのが好きなら飲み屋街が近いエリアに、テレワークが多いなら仕事とプライベートが区切りやすい部屋になど、言葉で説明できるくらいにイメージを持つと部屋も探しやすくなるかなと思っていて、私も部屋選びをしている友人などには必ず最初に聞くようにしています。
不動産屋に行ってもまずはヒヤリングをされると思うので、説明できるようにしておくと、理想に沿った部屋を提案してもらいやすくなりますね!
――最近ではオンライン内見もありますが、実際に部屋を見に行く内見は必要なのでしょうか?
そうですね、内見はできる限り行ったほうがいいです! しばらくはその街で過ごすことになるので、できれば朝昼夜それぞれの街の様子を知っておくと住んでからギャップを感じてしまうリスクも減らせます。
写真やサイトを見て理想だと思っても、部屋に入ってみると日当たりがいまいちだったり、実は水回りのきれいさが自分では大切だったりと気づきが出てくるもの。複数の部屋を見ることで、より自分の軸がはっきりして、いざ部屋を決める時の決断もしやすくなると思います。
――実際に内見をする時のポイントを教えてください
不動産屋にいろいろと話を聞けるので、気になることはガンガン質問しましょう! 不動産営業時代に良い質問だなと思ったのは「隣の家の情報」を聞かれた時とかですかね。部屋は隣人でかなり当たりはずれがあるので、過去に騒音などトラブルがなかったか確認しておくことで、入居後も安心できると思います。
あと、個人的には「日当たり」は結構重要ですね。窓の方向と階数にも寄りますが、1日で日が当たる場所は変わるので、ライフサイクルに合った日当たりなのかをチェックしておくと良いと思います。日中はテレワークが多いのに、昼に日が入らない部屋に住むのはもったいないですし、デスクやベッドを置く場所も踏まえて日当たりを確認しておいたほうがいいと思います。
“個人的には“と言ってるのは、最近私が引っ越して日当たり良さによる朝の気持ちよさに気づいたからです(笑)。こんな風に生活しないと分からないこともあるので、いろいろ想定したり聞いてみると良いと思います。
また、人によってはおすすめしませんが、事故物件情報提供サイト「大島てる」で住む部屋やその近隣を調べておくと、入居後に嫌な思いをせずに済むはずです。
――不動産屋を利用してより良い部屋探しをするためのコツはありますか?
信頼できる不動産屋に出会えることが一番ですが、初めてだとなかなか難しいと思います。複数の不動産屋を利用してみたり、知り合いに紹介してもらったりと信頼できると思う人を探してみましょう。個人的には、部屋のネガティブポイントまで紹介してくれる人は信頼できると思います。
そして、逆に部屋を選ぶ側の人も信頼してもらえるような対応をすることも大切です。「来店や内見の時間を守る」「もらった連絡にレスポンスをする」など、お互いに社会人として対応することで、不動産屋側も安心して部屋探しに妥協なく協力してくれると思います。営業マンも人間なので、気持ちの良いお客さんに対してはいい部屋を見つけてほしいってやっぱり思いますね!
――ないけんぼーいずが思う「いい部屋」とはどんな部屋ですか?
人それぞれの状況に寄ると思いますが、私自身いい部屋とは、「テンションがあがる部屋」だと思っています。毎日生活する中で、自分のモチベーションを高めてくれるような部屋だと仕事も頑張れるはずです。家はエネルギーを補給できる場所。自分の生活をよりよくするためにも、ぜひ素敵な部屋に出会ってもらいたいです。
不安と期待が入り混じる新生活。部屋選びは大きな買い物ではあるが、これからの生活の中でも大きなウェイトを占めるものだろう。ないけんぼーいずはYouTubeやInstagramでもためになる情報を発信している。覗いてみたら何か新しい発見があるかもしれない。