『仮面ライダージオウ』(18~19)で主演を務め、一躍脚光を浴びた俳優の奥野壮。フォトジェニックな風貌とクラシックバレエで培ったしなやかな体が武器である奥野の最新出演映画は、BLコミックの映画化作品『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』(2月26日公開)で、奔放な母親に翻弄される青年役に扮している。

  • 奥野壮

本作は、官能小説家の木島理生(竹財輝之助)と、“官能小説の口述筆記”という奇妙な出逢いから恋人になった久住春彦(猪塚健太)が紡ぐ官能的ラブストーリーで、ドラマ版に続いてメガホンをとったのは、永瀬廉主演映画『弱虫ペダル』(20)などで知られる三木康一郎監督だ。原作は丸木戸マキ氏のコミックで、最初はフジテレビの動画配信サービスFODでの実写ドラマで人気に火がつき、その後、地上波でのドラマ2作を経て、ついにスクリーンでお目見えとなった。

――まずは、『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』で明実静雄役としての出演が決まった時の感想から聞かせてください。

すでにお二人で完成されている世界観があったので、静雄はどんな立ち位置の役なんだろう? と思いながら台本を読んで「ああ、なるほど」と納得しました。2人の仲をかき乱す役なのかな? と思ったら、どちらかというと2人の仲を繋げるような大切な役という印象でした。

――BLの世界観に対して抵抗感などはなかったですか?

全くなかったですし、恋愛は自由にすればいいのではないかと思っています。

――静雄役を演じるにあたり、どんなことを意識しましたか?

三木監督からは、衣装合わせの時に「ちょっとやんちゃだけど、母親があんなふうだから静雄はしっかりしている」とお聞きしたので、そこを頭の中に入れながらも、僕と同じくらいの年齢で、静雄と同じようにやんちゃで、お母さんがスナックをやっている友達もいたので、割と身近な存在に感じながらナチュラルに演じることができました。

――主演の竹財さんや猪塚さんと共演してみていかがでしたか?

竹財さんは理生のように意地悪ではなく、本当に優しい方でした。素の時もゆっくりしたテンポでしゃべる方で、すごく新鮮に思いました。猪塚さんは、あまり共演シーンがなかったのですが、お芝居を見ていて、きっと真っ直ぐな方なんだろうなという印象を受けました。

――木島は春彦に対してつれない感じでしたが、2人のじれったいやりとりを見てどう思いましたか?

めちゃくちゃ共感しました。春彦、大丈夫か! と心配しちゃいました。木島先生の気持ちもわかるんですが、ちょっと子どもっぽくないですか!? と思ってしまい、僕は春彦のほうを応援したくなりました。