女優の中尾ミエが、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『その女、ジルバ』(毎週土曜23:40~)で演じる役の印象や、強くしなやかに生きる秘けつなどを語った。

中尾が演じているのは、BAR「OLD JACK&ROSE」でかつて“チーママ”の源氏名で働き、今は直木賞作家の大田原真知。派手な立ち回りと快活なトーク、着物とヒールのコーディネートなど強烈なキャラクターが注目され、登場するたびに話題となっている。

  • 中尾ミエ=東海テレビ提供

――『その女、ジルバ』の印象は?

原作も全部読ませていただき大変面白かったですし、とても奥が深い作品だと思いました。まさに私が経験してきた時代背景とシンクロしているので共感できます。私の若い頃にはダンスホールというものがあちこちにあって、ジルバが大流行していました。ダンパ(ダンスパーティー)でジルバを踊るのが一番楽しかったですね。だから撮影現場に入ってBARのセットを見たとき、自分の青春時代に引き戻されたように感じました。

――共演者の皆さんとすぐに打ち解けていた様子でしたね。

長い間この世界にいらっしゃる方ばかりなので、皆さんとはこれまでにも別の現場でお会いしたことがありました。同世代という意識もありますし、この世代が一同に集まる現場は最近では珍しくて。草笛さんなど、今回のキャストの皆さんとご一緒することができてとても楽しかったです。

――今回の役をどのように捉えていますか?

真知は場を仕切るのが好きで目立ちたがり屋という、なんとなく自分自身とオーバーラップするところを感じています。そういう意味では派手に振る舞えばいいのかなと。とても私らしい役だと思いますね。

――ドラマでは新が「もう40歳」から「まだ40歳」という意識に変わっていきます。

そういう気持ちは本当に素敵よね。人によって捉え方は様々だと思いますが、40歳は“人生80年”と言われる中では節目の年齢。皆さん自分の年齢についていろいろと考えると思います。そんな時期に新はBAR「OLO JACK&ROSE」に出会って、高齢でも美しく生きている人に巡り合えた。とてもいい経験だと思います。BAR「OLD JACK&ROSE」は新にとって思いもよらない世界だったのでしょうね。実際にこういう店があればいいなと私は思います。ご覧になっている皆さんもそう思っていらっしゃらないかしら?

――40歳の頃のご自身を、少し振り返っていただけますか?

歌手活動のほかにバラエティ番組でトークなどの仕事をしていた時代で、ヒット曲はなかったけれど、それはそれで楽しかったですね。人生はいろんなことがありますし、短いけれど長いです。長く生きていればいろいろと経験できるので、私はそれを楽しみたいと思っています。

――今年はどのような経験をされたいと思いますか?

昨年が(新型コロナウイルスの影響で)異常な1年だったので、皆さんも同じ気持ちだと思いますが、この“束縛”から抜け出せたらもうそれだけで幸せ。マスクを外してみんなで笑い合えればね!(笑)。やっぱり人間って、辛いことや制約があったりすると、それから解き放たれた時により一層嬉しさを感じるものだと思います。だから、コロナ禍でのこの初めての経験を生かして明日につなげなくてはよね。

――中尾さんの元気の源は何でしょうか?

私の場合は「とにかく楽しく生きないともったいない」と思って何事にも臨んでいます。“自分はあと何年元気でいられるのか?”と考えるタイミングが増えましたし、その気持ちは年々強くなっていくばかり。元気なうちにできる限り多くの楽しいことをやりたいので、やれることは何でも経験してみようと思っています。そういう意味では年を重ねるにつれて貪欲になっていますね。だから落ち込んだりする時間がもったいないのよ!だって時間は取り戻せないじゃないの、一日一日が貴重ですからね(笑)

――視聴者の皆様にメッセージをお願いします。

自分の気の持ちようで、年を重ねるのが楽しくなるんだと思って見ていただけると嬉しいです。こういうお店が本当にあればいいんですけれどね。ぜひ最後まで楽しんでください。