新型コロナウイルス感染症を機に、需要が急拡大した業種の1つが食事のデリバリーです。街なかでUBER EATSや出前館などのドライバーを見かける機会も以前より多くなりました。

デリバリー需要の拡大は、市場にどのような影響を与えているのか。1月に開催された第4回資産運用EXPOで、「デリバリー投資」を扱う企業のセミナーがありましたので、取材してきました。

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急成長するデリバリー市場

セミナーを開催していたのは、民泊専門の不動産会社としてスタートしたスリーアローズ社。現在取り扱っている、民泊投資、レンタルスペース投資、キャンピングカー投資、デリバリー投資のうち、最も高い利回りが期待できるのは「デリバリー投資」なんだそうです。

「デリバリー市場は世界で急成長している市場で、Amazonなども積極的に投資をしている分野です。新型コロナウイルス感染症によって在宅率が高くなり、巣ごもり消費が増えたことも、デリバリー市場には追い風となっています」(スリーアローズ社 投資事業部 佐藤恵介部長※以下、佐藤氏)。

コロナ禍で注目集める「ゴーストレストラン」

その中でもコロナ禍で特に注目されているのが「ゴーストレストラン」なのだとか。

デリバリーやテイクアウトに特化した飲食店で、同じ場所の厨房を複数の店舗がシェアし、それぞれの料理を提供する仕組みです。さまざまな業態が同居し、UBER EATSなどを使って料理をユーザーに提供します。

同社では「GCK」(ゴーストセントラルキッチン)というサービスを提供していて、初期費用100万円前後から飲食店を新規出店できるのだとか。

「GCKの特徴は主に4つあり、初期費用が安いこと、すぐに回転が可能なこと、自動オペレーションができること、デリバリー専門であることです。今までさまざまな調理をしてきた熟練のシェフが担当して、しっかりオペレーションをして質の高い料理をユーザーに届けます」(佐藤氏)。

  • セミナーの様子

GCKではホスト(投資家)がやるべきことは申し込み契約のみで、業態開発やメニュー開発はすべて委任できるシステムになっています。

売上金は月々80万円程度が現実的な数字だそうですが、初期費用にプラスしてGCKに支払う固定の20万円、売上の10%の成果報酬、材料の仕入れ費用やUBER EATSの手数料などがかかります。これが実現すれば、年間の利益が100%、売り上げが70万円でも利回り73%になるそうです。

GCKが保有するセントラルキッチンの場所は現在5つの拠点があり、今後も増加予定。来年までには23区すべてをカバーする見込みとしています。

デリバリー投資、どう見極める?

GCKのようなサービスを利用すれば、忙しい人も時間をかけずに行えるデリバリー投資。

一方、コロナ禍が収束しても需要を維持できるのか、出店数の増加による同業種間の「カニバリゼーション」が起きないかなど、リスク面を含めて考えていく必要がありそうです。