冬、寒くて暖房を動かしていると、空気が乾燥して喉が痛い……。

乾燥した部屋ではウイルスが繁殖したり、喉に影響が出たりして、風邪をひきやすくなってしまいます。そういったときに便利なのが、「加湿器」ですよね。しかし、この加湿器、ずっとつけっぱなしにするとどれほどの電気代がかかってしまうのでしょう?

本記事では、加湿器の電気代をタイプごとに紹介しつつ、それぞれの正しい使用方法についても解説していきます。

  • 加湿器の電気代をタイプごとに紹介

    冬に大活躍する加湿器の電気代を調査!

加湿器の電気代をタイプごとに紹介

加湿器を使うときはある程度長時間になるため電気代が気になるという方もいるでしょう。加湿器はその方式によって加湿方法が異なり、今回は主な加湿方法の4つの特徴と電気代を紹介していきます。

電気代を求めるには、「消費電力(Wh)÷1000×使用時間×1kWhの電気料金」の式に当てはめ、1kWhの電気料金は全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価を使用し27円として計算します

加湿器(スチーム式)の電気代

このタイプは容器内の水を、ヒーターを使って沸騰させ、生まれた蒸気をファンで送ることで部屋を潤します。湯気のような蒸気が機械から出ていてパワフルに加湿することができるのが特徴です。また、水が沸騰することにより雑菌を消毒できるので衛生面でも安全です。

ヒーターを使うため、他の加湿方式に比べて電気料金が高くなってしまいます。消費電力は130~260Wで1時間あたり約3.51円~7.02円となります。

加湿器(気化式)の電気代

このタイプは、内部に搭載されたフィルターに水を吸わせてファンをあてる方式です。スチーム式とは違いヒーターによる加熱を必要としません。そのため、電気代は安く抑えられますが、加湿能力はスチーム式に劣ります。また、フィルターを定期的に交換する必要があるという特徴もあります。

消費電力は4W~20Wほどで1時間あたり0.1円~0.5円となります。

加湿器(超音波式)の電気代

超音波式は、容器内の水に超音波による振動を与えることで水を霧状に変えて放出する加湿器です。ヒーターやファン等の装置が必要なく、機械自体がとてもコンパクトになるためいろいろなデザインが存在します。ただ、タンクから直接気化させるため衛生面で他のモデルに劣ることもあります。

こちらの消費電力は25W~40Wほどで、1時間あたりの電気代は0.67円~1.08円とスチームと気化式の中間ほどの電気代となります。

加湿器(ハイブリッド式)の電気代

この種類には、加熱気化式もしくは加熱超音波式の2種類が存在します。双方のいいところを掛け合わせたような機能で、加熱しないことによる衛生面の心配や総合的に費やす消費電力などが克服されています。

消費電力は、加熱気化式では150~250Wで1時間あたり4.1円~5.4円とスチーム方式と比べると安くなります。一方、加熱超音波式は加熱時に60W程度で、1時間あたり1.6円ほどとなります。

  • 加湿器の電気代をタイプごとに紹介

    方式によってかかる電気代が変わります

加湿器を使いながら節電する方法

乾燥が進む冬場は特に加湿器をつけっぱなしにしていることが多いのではないでしょうか。

人が家にいる間ずっと炊いていると電気代もある程度高くなってしまいます。実は加湿器を使うときにも節約する方法があります。今回はその方法を 2つのポイントから紹介します。

加湿器の選び方

今度は加湿器の選び方を元に、電気代を抑えるという方法です。小さな加湿器の方が消費電力も少なく電気代がかからずにすむと思われる方もいるかもしれません。

しかし、実は部屋の広さに合っていない加湿器をフル稼働させるよりも少し加湿能力に余裕を持った加湿器を使う方が電気代も安くなります。

エアコンの設定温度を変更する

こちらの方法はどちらかというと、加湿器自体の電気代を下げるというよりも、冬に使う家電の電気代を総合的に下げるという方法です。その方法とはエアコンと加湿器を併用して使うというものです。湿度が高いと人の体は、体感温度として気温よりも 1、2度高く感じるようになります。

この性質を利用してエアコンの温度を少し下げる代わりに加湿器を炊くと体感温度はそのままに快適に過ごすことができます。エアコンの温度を下げることによって電気代はある程度抑えることができますし、その分を加湿器でカバーするという方法になります。

  •  加湿器を使いながら節電する方法

    さまざまな方法で節約できます

長持ちする加湿機の使用方法・お手入れ方法

乾燥が進むと菌やウイルスが繁殖しやすい環境になってしまうと解説しました。しかしだからといって加湿しすぎても湿度の高さが原因でカビや雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。

また、加湿器自体にカビが生えてしまうと、そのカビを水蒸気と一緒に室内に放出してしまうことになります。そこで、タイプ別の加湿器の正しいお手入れ方法を紹介します。

加湿器(スチーム式)のお手入れ

こちらはヒーターを搭載しているため、放出するときに水が常に沸騰した状態になります。そのため、煮沸され雑菌は他のタイプと比べても繁殖しにくい環境にあるといえます。

ただ、毎日同じ水を繰り返し使いっぱなしにするではなく、タンク内の水は毎日交換し、本体にも残った水も捨てる必要があります。この際に、タンク内部を洗浄できるとより衛生的に使い続けることができます。

加湿器(気化式)のお手入れ

構造上、フィルターが常に水に浸かっている状態となります。水に触れ続けているということは、フィルターに雑菌やカビが繁殖してしまう危険性が高いです。

タンクの水を毎日交換することは必須で、フィルターの手入れも必要になってきます。月に一度ほど、フィルターを取り外し、しっかりと汚れを落とす作業を怠らないようにしましょう。

加湿器(超音波式)のお手入れ

とてもシンプルな構造でタンクと超音波が発生する装置がダイレクトにつながっています。そのため、タンク内部で雑菌やカビが発生してしまうと、そのまま空気中に放出されてしまいます。

タンク内部の水を毎日取り換えるのは必須で、内部の水垢や汚れを落とすことも必要です。このタイプはシンプルな構造が多く、コンパクトでもあるので洗浄も簡単にできるので怠らずに洗浄しましょう。

加湿器(ハイブリッド式)のお手入れ

ハイブリッド式のタイプは、上記で解説したタイプが組み合わさった方式になるため、基本的には同じ洗浄方法が必要になります。

ハイブリッド式には高スペックな製品が多く、機械内部に抗菌作用が搭載されている製品も多く存在します。そのため、他のタイプと比べて水を換える頻度や、掃除の回数が少なくすむ場合もあります。

  • 長持ちする加湿機の使用方法

    毎日水は交換しましょう

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加湿器にはさまざまなタイプのものが存在していて、それぞれで月にかかってくる電気代も変わってきます。中にはそれぞれのタイプの優れたところを掛け合わせたハイブリッド式など、とても経済的に使うことができる種類もあります。

また、エアコンと併用することで総合的に電気代を安くすることができたり、部屋の大きさに対して能力的に余裕を持った種類を選ぶことで電気代を節約したりすることができます。

加湿器は常に水を扱う機械なので、タンク内の水をこまめに交換すること、そして内部の清掃を怠らないことでより長く、衛生的に加湿器を使えるようになるため、工夫をしながら使いましょう。