ネットの普及によってコミュニケーションの手段は多様化しています。現在ではビジネスでのやりとりをメールで行う機会も増えました。しかし、ビジネスにふさわしい言葉の使い方がわからないという方も多いのではないでしょうか。

今回はビジネスメールで使われることの多い言葉の中でも、特に代表的な「メールにて失礼いたします」の意味や使い方などを例文とともにご紹介します。

  • 「メールにて失礼いたします」の意味とは

    メールは今やビジネスの主なコミュニケーションツールです

「メールにて失礼いたします」の意味とは

ビジネスシーンでもメールは欠かすことのできないツールとなっています。毎日のように多くのメールを送受信しているという方も多いでしょう。そんなビジネスメールでよく使用される表現のひとつが「メールにて失礼いたします」というものです。

単純にこの言葉の意味だけを捉えると、謝罪しているかのように思われるかもしれません。もちろん、直接会って話をするのではなくメールでの連絡になってしまったことへの謝罪の意味が含まれる場合もあります。

しかし、メールでのやりとりは今や一般的になっていますので、この「失礼いたします」は「お邪魔します」といった意味合いの方が大きくなりつつあります。メールで連絡する際の挨拶的な表現であると考えることもできるでしょう。

「メール」での連絡は「失礼」にあたる?

先ほども少し触れましたが、そもそもメールでの連絡は失礼にあたるのでしょうか。 結論からいうと、その場面や連絡の内容によっても異なります。冒頭でもお話しました通り、現代ではメールは一般的な連絡手段のひとつとなっています。ビジネスシーンにおいてもあらゆるやりとりをメールで行うようになっています。

メールの場合、やりとりが文面として残り、また自分のタイミングで確認できるといったメリットもあります。そのため、電話や対面でのやりとりよりむしろ好まれるケースもあるでしょう。今日ではメールでの連絡そのものが失礼にはあたりません。

しかし、どんな連絡もメールでいいというわけではありません。たとえば、急な予定変更などによって相手との約束を守れなくなってしまった場合などは、メールのみの連絡では失礼だと受け取られる可能性があります。相手の受け取り方によっても異なりますが、メールのみでの連絡では失礼にあたるケースもあるということは頭に入れておくべきでしょう。

現代のビジネスにおけるメールの立ち位置

先ほどの話と少し重複しますが、現代のビジネスにおけるメールの立ち位置について触れておきましょう。

  • 「メールにて失礼いたします」の意味とは

    メールにおける挨拶のように使われることもあります

一般社団法人日本ビジネスメール協会による「ビジネスメール実態調査2020」によると「仕事で使っている主なコミュニケーション手段」という質問に対する回答の中でもっとも多かったのがメールとなっています。その割合は99.1% で、メールはビジネスにおけるもっとも重要なコミュニケーションツールであるといえるでしょう。

今日ではチャットツールなどの普及も進んでいますが、メールアドレスさえわかればすぐに連絡可能なメールは広く使用されています。

このように考えるとやはり「メールにて失礼いたします」という言葉は謝っているような文章ですが、ビジネスのコミュニケーションでメールを使用するのは当たり前であり、決して「失礼」ではないと考えてもいいでしょう。

「失礼いたします」の意味

そもそもビジネスにおいて「失礼いたします」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか。

さまざまなシーンで使用される言葉ですが、挨拶としてよく使われてます。意味合いとしては相手に断りを入れるといった形で使用されるケースがほとんどです。

挨拶と同時に相手に手間を取らせたことへのお詫びの気持ちを伝えたり、会議に途中参加したり、逆に途中で退席したりする際などに使用されるケースもあります。お茶を相手に出すときに添える言葉でもありますね。

「メールにて失礼いたします」の使用シーン

「メールにて失礼いたします」という表現の意味は上記の通りですが、具体的にどのようなシーンで使用すればいいのかわからないという方も多いでしょう。そこで、続いてはこの表現の使用できるシーンについてご紹介します。

  • 「メールにて失礼いたします」の使用シーン

    使用シーンをしっかりと考えましょう

挨拶

この表現のもっとも一般的な使い方が、挨拶として文頭に入れるというものです。前述の通り、今日のビジネスシーンでは連絡手段としてメールを使用するのは一般的になっており、失礼にはあたらないケースが増えています。そのため、意味を深く考えるのではなく、メールの文頭に加える挨拶のような形で使用されるようになっています。

メールの内容を問わずさまざまな形で使用できる挨拶の形として頭に入れておくといいでしょう。もちろん、丁寧な言葉ですので社外の相手や目上の相手に対して文頭の挨拶として使用しても失礼にはあたりません。

お礼

お礼の気持ちを伝える際にも使用できる表現です。たとえば、普段あまり顔を合わせる機会のない上司に食事に誘われたり、ご馳走になったり場合、その場でお礼の気持ちを伝えるのは当然ですが、後日改めてお礼をする必要があります。直接顔を合わせてお礼を伝えることができればベストですが、顔を合わせる機会の少ない相手の場合、なかなか機会がありません。

また無理に顔を合わせようとするとむしろ相手に対して失礼になってしまう可能性もあります。

そこで、便利なのがメールを使ったお礼です。お礼のメールでこの表現を使うことによって、本来であれば直接顔を合わせてお礼の気持ちを伝えたいものの、やむを得ずメールで連絡しているという気持ちを表現できます。

謝罪

メールで謝罪をしなければならないというケースも少なくありません。その際にもこの表現は使えます。この場合、本来は直接謝罪をしなければならないものの、取り急ぎメールにて連絡をするといった意図を伝えることができます。

メールでの謝罪を失礼だと感じられるケースもありますが、この文言を文頭などに加えることによってそれを重々承知の上で取り急ぎメールで連絡したというニュアンスの表現にすることもできます。

もちろん、メールのみの謝罪では済まないケースもあり、万能な表現というわけではないという点もしっかりと頭に入れておくようにしましょう。