俳優の工藤阿須加が出演するテレビ朝日系ドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』が、23日(毎週土曜 23:00~23:30)にスタートする。

同ドラマで、小芝風花が演じる主人公・清水萌子美の兄役を演じる工藤は、自身も3人の妹がいる。「妹とはすごく仲良いと思います」と明かし、「妹との関係性や兄としての経験っていうのは、今回のドラマですごく活きるかなと思います」と語る。

さらにNHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』では、夫婦役として共演した小芝との再共演について、「兄弟の役を過去にも一緒にやってきたんじゃないかと思えるぐらい、いい雰囲気で掛け合いができている」と振り返った。

■小芝風花と再共演…夫婦役から兄弟役に

  • 工藤阿須加

    工藤阿須加 撮影:宮川朋久

――オファーを受けた際の心境をお聞かせください。

以前から、「家族モノをやりたい」と思っていたので、このドラマの話をいただけた時はうれしかったです。以前夫婦役で共演させていただいた小芝さんと兄弟の役ということで、うれしさが2倍です。早く現場に入ってみんなと掛け合いをしてみたい、どんな家族になるんだろうというワクワク感であふれていましたね。

――小芝さんとの共演についてはいかがでしょうか。

小芝さんがどう感じていらっしゃるかは分からないですが、僕は違和感がなく自然体でいれています。兄弟の役を過去にも一緒にやってきたんじゃないかと思えるぐらい、いい雰囲気で掛け合いができているなと感じているので、少しびっくりしています。ここまで落ち着いた状態で信頼して、お芝居ができる環境がすごくいいなと思っています。

――今回演じる俊祐とご自身の共通点、または異なる点をお聞かせください。

共通点でいうと、妹がいるというところと、その妹を大事に思っているところです。内面的な部分で似ているところでいうと、俊祐は人によく見られたいという気持ちを持っている青年で、その意識は僕もあるなと思います。悪く見られるよりよく見られたいという意識があるかなと。でも俊祐は、回が進むと屈折した部分が出てくるので、そこは楽しみにしてほしいです。

■一歩踏み出すうえでの意識「気持ちが乗った一歩に」

――今作では、小芝さん演じる萌子美が勇気を持って新たな一歩を踏み出す姿が描かれています。工藤さん自身が一歩踏み出した場面をお教えください。

小さいものも含めて言えばいっぱいありますね。小さいころに、テニスを始めて「プロになるまで頑張りたい」って言ったこともそうですし、ケガでプロを断念したときもそうです。ものすごく大きいところでいえば、やっぱり役者を始めたことだと思います。

――踏み出すうえで、意識されていることはありますか。

みなさん、「ちょっと今日、この仕事があるから、会社行きたくないんだよな」とかあると思いますが、でもそこを「いやでも、それでは駄目だから、今日はいつも以上に頑張ってやってやろう」って考えるようにしています。もちろん、頭の中にはいろんな意識があるんですけど、まず自分で決定して踏み出しているので、それがもうちょっと大きくなればもっと勇気が出るというか、気持ちが乗った一歩になると思うんです。

■兄としての経験「すごく活きる」

――今作で父親役を務める田辺誠一さんについてはいかがでしょうか。

田辺さんの演じるお父さんはすごく優しくて、自分の言いたいことも言えず、角に追いやられてるようなお父さんなんです。でも、そういうお父さんって、結構多いんじゃないかなと思いますし、ちょっと気持ちわかるなと共感できるんじゃないかなと。田辺さん演じるお父さんにもものすごい秘密があるので、そのシーンが今から楽しみで仕方ないです。

――工藤さんご自身も、3人の妹さんがいらっしゃいますよね。

妹とはすごく仲良いと思います。同じ服を着て遊園地などにも行ったりします。妹との関係性や兄としての経験っていうのは、今回のドラマですごく活きるかなと思います。シーンごとに、「このシーンは長女に対する接し方をやってみよう」とか、「このシーンはもしかしたら三女に言っている言葉のかけ方に似ているかもしれない」とか、引き出しが今回たくさんあるんじゃないかなと思うんですよ。

――工藤さんの演技で見てほしい部分はありますか。

僕が演じるのは、家族のシーンと花屋のシーンがメインなんですけど、基本的に裏表がなく、どちらのシーンでも様子があんまり変わらないんですよ。でも、屈折した部分も持っているので、そういった部分を1話から徐々に小出しにしていこうとは思っています。人間はずっとニコニコしているわけではなく、やっぱり嫌なことがあれば嫌な顔しますし、つらいと思えばつらい顔をしますし、1日にいろんな表情をするので、そういった部分はいろんなことを考えながらやろうと思っています。

――作品全体の見どころをお聞かせください。

人それぞれの価値観や固定概念もある中で、萌子美のような不思議な力を持ってる子を素直に受け入れることって、必ずしもできることではないと思います。でも、自分の今まで経験してきたものや価値観を変えて受け入れることができれば、新たな世界が広がっていきますし、自分の成長にも繋がると思います。今作ではそういうところが大切に描かれていますし、家族全員が成長していくので、その家族の絆や成長、葛藤をほのぼの見ていただければうれしいです。

■工藤阿須加
1991年8月1日生まれ。埼玉県出身。2012年、日本テレビ系ドラマ『理想の息子』で俳優デビュー。近年では、『海月姫』(フジテレビ系)、『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)、『教場』(フジテレビ系)などに出演。また、日本テレビ系情報番組『ZIP!』の水曜パーソナリティーも務める。

■『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』
テレビ朝日系で1月23日(毎週土曜 23:00~23:30)からスタート。女優の小芝風花が、数々のヒットヒューマンドラマを手がけてきた脚本家の橋部敦子氏と初タッグを組む。主人公・清水萌子美(小芝)は、ヌイグルミや石や植物など、感情を持たないとされているモノの気持ちがわかってしまうという繊細な“感覚”の持ち主。工藤は、自分の殻に閉じこもりがちな萌子美を心配する兄・俊祐を演じる。