ダンスで開く、子育ての明るい扉。「『好き』を続ける、マタニティライフ」

ーーダンサーとしてご活躍中の篠崎さんですが、妊娠中はどのように過ごしていましたか?

篠崎
初めての出産が33才でした。「珍しいキノコ舞踊団」というダンスカンパニーに所属しながら、ピラティスの講師の資格を取るための勉強もしていたときに、第一子の妊娠が分かりました。先輩の女性ダンサーのなかには、妊娠や出産を機に引退される方もけっこういらっしゃったのですが、自分には、休む、やめる、という選択肢がなかったので、ダンスにもピラティスにも積極的に取り組んでいました。大変なことも多かったですが、今思えば、子どもを産んだあとの自分自身生き方の指針に繋がるような、とても大切な期間だったと思います。

ーー妊娠中、ダンスというお仕事とはどのように関わっていたのでしょうか。

篠崎
「珍しいキノコ舞踊団」にはわたしが高校生のときからお世話になっていたのですが、ここの代表の伊藤千枝子さんは、ダンスに対する独特の哲学がある方でした。「自分以外の誰かになろうとしないで欲しい。その人にはその人の「今」のダンスがある」というふうに、踊る人の年齢、生活の変化を自然なこととして受け入れてくれるところだったんです。