世界の書き換えを企む"本の魔物"メギドから人々を守るため、「聖剣」と「ワンダーライドブック」を手にした個性的な"仮面ライダー"たちが激しい戦いを繰り広げる特撮テレビドラマ『仮面ライダーセイバー』(2020年9月6日よりテレビ朝日系で放送中)の、初めての"劇場版"が12月18日から公開されている。タイトルは『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』。8月に放送終了した"令和仮面ライダー"の第1弾『仮面ライダーゼロワン』の"その後"の物語を描く『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』との同時上映作品である。
『仮面ライダーセイバー』とは、仮面ライダーセイバーに変身する小説家・神山飛羽真(演:内藤秀一郎)と「ソードオブロゴス」の剣士がそれぞれの「聖剣」をふるい、さまざまな力を秘めた「本」=ワンダーライドブックを駆使して邪悪な敵に立ち向かっていく物語。放送開始からおよそ3か月が過ぎた現在、剣士ひとりひとりの"過去"および複雑な"事情"がいくつか明かされ、闇に堕ちた剣士・仮面ライダーカリバー/上條大地(演:平山浩行)とソードオブロゴスとの"確執"をはじめとする熱きドラマが繰り広げられている。
今回は、新人編集者として飛羽真の担当を務める須藤芽依役・川津明日香にインタビューを敢行。持ち前の旺盛な好奇心のまま行動する芽依は、ソードオブロゴスの剣士が集う「ノーザンベース」にもしっかり入りこみ、どんな状況であっても常に明るさを忘れず、時に仲間たちの緊張感を解きほぐす役割を担うこともある。数々の"不思議体験"をするたびに派手なリアクションを取り、表情をクルクルと変化させる"顔芸"が持ち味となった芽依だが、その一方で過酷な境遇に立たされた剣士たちを案じるなど、シリアスな場面での存在感も際立ってきた。ここでは川津に『セイバー』序盤のエピソードにおける撮影裏話や、劇場版の見どころ、そして芽依として今後ぜひ"挑戦"してみたいことを訊いてみた。
――飛羽真から原稿を受け取る「編集者」として登場した芽依ですが、飛羽真と一緒に異世界へ飛ばされたのをきっかけに、ソードオブロゴスの剣士たちとも積極的に関わるようになりました。第9章ではソフィア(演:知念里奈)から「メギドの事件発生を知らせる"本"」の管理を任されるといった"役割"までもらえましたね。
それまで、事件が起こるたびにビックリして騒いでいることが多かったので、芽依にも何か役割が与えられたのは、とてもうれしかったです。劇中の芽依と同じく、私自身も「やったーッ!」と喜んでいました(笑)。
――芽依のように、どんなに"アウェー感"のある場所にも自然に入りこんで、いつの間にか仲間になってしまうようなノリは、川津さんご本人にもありますか?
どうでしょうか……、いや、ないですね。あそこまでグイグイ行っちゃうことができるのは、芽依ならではという気がします。
――『セイバー』の撮影が始まって数か月が過ぎましたが、芽依のキャラクターを自分のものにできたな、と実感するような出来事があれば、教えてください。
もともと芽依のキャラは自分とそんなに遠くないと思っているんですが、最近はより芽依に近づいてるね、と言われたりします。月に何回か、撮影の終わり時間が合うとキャスト同士で誘い合ってご飯を食べたりするんですけど、話しているときに何気なくリアクションをすると、みんなから「芽依だねえ」って(笑)。自分では、普段とお芝居とでは切り替えているつもりだったんですが、だんだん芽依の存在が大きくなってきているのかもしれないですね。
――エンディングで、川津さん、内藤さん、山口貴也(仮面ライダーブレイズ/新堂倫太郎役)さんが絶妙なコンビネーションで披露されているダンスにも、注目が集まりました。あのエンディングダンス映像が出来るまでの裏話があれば、ぜひ聞かせてください。
『セイバー』のオーディションを受けた時点では、ダンスをやるなんてぜんぜん知らなくて、第1、2章の撮影のとき「エンディングでダンスしてもらいます」と聞き、3人とも不安になったんですよ(笑)。なにしろ、誰もダンスの経験がなかったんですから。私は以前、バレエを習っていたんですけど、バレエとダンスとでは動き方が違いますし、どうしよう……と最初は思いました。
欅坂46(現:櫻坂46)の振り付けなどもされているダンスアーティストのTAKAHIROさんから直々に教えていただいたんですが、撮影までの期間がとても短かったので、とにかく練習だ!と思って、撮影所の会議室が開いていないときは駅前のカラオケボックスに大きな鏡を持っていき、3人でディスタンスを保ちつつ何度も練習しました。スピードが速い上に動きが複雑で、とにかく難しかったです。