――石田監督回の第7章では、芽依がズオスに食べられそうになり、間一髪ブレイズに助けられるという派手な見せ場がありました。石田監督はこれまでにも平成仮面ライダーシリーズで活躍されてきた"巨匠"と呼ばれる方ですが、撮影現場はどんな雰囲気だったのでしょうか。

事前に石田監督のことを知りたいと思ってネットを検索していたら、綾野剛さんのインタビュー記事にたどりついたんです。それを読んでみると、『仮面ライダー555(ファイズ)』(2003年)の撮影で綾野さんが石田監督に厳しく鍛えられ、役者として育ててもらった……みたいなことが書いてあったんですね。なので最初は「怖い監督なのかな」って身構えていました(笑)。

実際、現場での石田監督は怖いときはとっても怖いんですが、物事をはっきり言ってくださいますし、とても役者のことを考えてくださる方だという印象があります。最近では、私のほうから石田監督に"食らいつく"という感じで、撮影に取り組んでいます。第7章では、助けてくれた倫太郎に芽依が"抱きつく"シーンがあったんですが、あれって最初は「やったねーっ!」って駆け寄っていくだけだったんですけど、石田監督が急に「川津、芽依は倫太郎LOVEなんだ! 行け!!」なんて言ってきて、あんな風になったんです。いきなりあそこだけLOVE要素が出てきて、どうなるんだろう?と思いながら全力で抱きつきましたけど、本当にこれからどうなるんでしょう。気になりますね(笑)。

石田組の第14章で倫太郎が「ブレイズ/キングライオン大戦記」に変身するアップカットがあったんですけど、テストのとき石田監督から「変身の合間に芽依の顔を入れ込むから、そこで"顔芸"やって」と言われたんです。最初は冗談かと思ったんですよ。監督は普段からよく冗談を言われますからね。それで「ハハハ~」と笑って流していたら、「芽依!」って呼ばれたので「えっ、ほんとにやるの?」なんて驚きました(笑)。倫太郎からも「行っちゃえ!」って励ましてもらったので、思いっきり顔芸をやりました。また第14章では芽依が涙を流すシーンがあり、石田監督から「川津、いいぞ!」って演技を褒めてもらえたのも、とってもうれしかったです。

――撮影が進むにつれ、共演者のみなさんともチームワークが固まってきたのではないですか。

ソードオブロゴスのみんなとは毎日一緒にいますから、それが日常化しているところがありますね。みんなが家族みたいな感じです。月に数回くらいの割合で、メギドを演じる"バッドボーイズ"の3人(ストリウス/演:古屋呂敏、レジエル/演:高野海琉、ズオス/演:才川コージ)とスケジュールが同じになると、ライダーチームも「最近どう?」みたいな感じで話がすごく盛り上がりますね。ロケバスの中ではいつもみんな寝てたりすることが多いけれど、3人といっしょのときはワイワイと、行き帰りの間ずっとしゃべっています(笑)。

――現在絶賛公開中の『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』で、芽依はどんな活躍をしているのでしょうか。見どころをぜひ、教えてください。

劇場版での芽依は、世界を守るため人知れず戦っている「仮面ライダー」のことを、1人の少年に説明する役割を担っています。いつも台本を読むときは、どんなシーンを"面白く"してやろうかなって考えるんですけど、今回の映画ではわりと最後まで"真面目"な顔でやらないといけないぞ、と気をひきしめて撮影に臨みました。テレビでは明るく朗らかで思いっきりテンション高い芽依ですが、ちょっとイメージの違う"大人"っぽいシリアスな芽依が見られるんじゃないかなって思います。ぜひお楽しみください!

――最後に、テレビシリーズで今後、川津さんがぜひ"やってみたい"ことがあれば聞かせてください。

インタビューの機会をいただくたびにあちこちで言っているのですが、芽依も"変身"してライダーになりたいです! 仮面ライダースラッシュがポップな感じで好きなので、私もマーブルチョコみたいな模様のついたワンダーライドブックを使って、かわいいライダーになってみたいなあ。でも芽依が変身しても、なんか弱そうですよね(笑)。最初は弱くても、どんどん成長して強くなっていくライダーに憧れます。これからも芽依は元気に頑張っていきますので、みなさん『仮面ライダーセイバー』を応援してくださいね!

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