「ご連絡ありがとうございます」はビジネスメールや電話でのコミュニケーションを円滑にするための便利な言葉です。
本記事では、「ご連絡ありがとうございます」の意味するところや使用できるシーン、正しい使い方と例文、より丁寧な言い換え表現を紹介します。返事の仕方や英語表現もまとめました。
「ご連絡ありがとうございます」の意味や使用シーンとは? 敬語なの?
メールやチャット、電話などで相手から連絡をもらった際に、いきなり本題に入ると、素っ気ない印象や、何となく失礼な印象を与える可能性があります。たとえ内容は間違っていなくても言い方一つで損をしてしまうかもしれません。
そこで「ご連絡ありがとうございます」を最初に添えることで、相手に対する敬意を表すとともに、唐突感を和らげて伝えたいことを伝えやすくします。
「ご連絡ありがとうございます」はメールやチャットで返信をする際や、電話に出た際の決まり文句ですので、覚えておくと便利です。
「連絡ありがとう」の敬語表現であり、上司など目上の人にも使える
「ご連絡ありがとうございます」とは、「ご連絡」と「ありがとうございます」という2つの敬語表現の組み合わせから成り立っています。
「ご連絡」とは、名詞である「連絡」に接頭語「ご」がついた丁寧語表現。「ありがとうございます」は「ありがとう」の丁寧語です。丁寧語が組み合わされ、相手に対する敬意を表す表現となっており、ビジネスシーンでよく使われます。
相手から連絡をもらったことに対する感謝の気持ちを表せる敬語表現なので、目上の人に対しても使用できます。
「ご連絡」と「ありがとうございます」の間に尊敬語や謙譲語が省略されている
実は「ご連絡ありがとうございます」の「ご連絡」と「ありがとうございます」の間には、「くれる」「もらう」という意味の言葉が省略されています。
そこで、より丁寧な言い回しにしたいのであれば、省略せずに下記のような言葉を間に加えるのがおすすめです。
- くださり(「くれる」の尊敬語)
- くださいまして(「くれる」の尊敬語)
- いただき(「もらう」の謙譲語)
「ご連絡ありがとうございます」の使い方と例文
「ご連絡ありがとうございます」と伝えたくても、使い慣れないうちはどんなシーンで使うべきなのかがイメージしにくいでしょう。そこで、「ご連絡ありがとうございます」を使用した例文やシチュエーションを紹介していきます。
早速ご連絡ありがとうございます
メールや電話で先方に連絡や返答を求めていた場合、すぐに返事がもらえたら助かります。
そのような場合には、「早速ご連絡ありがとうございます」と伝えて、早く連絡をもらえたことと、連絡をくれたこと両方に対して感謝を述べるといいでしょう。
ご連絡誠にありがとうございます
「誠に」とは、「間違いなくそのような事態であるさま」を表す副詞です。「ありがとうございます」を強調する言葉として「ご連絡ありがとうございます」と組み合わせてしばしば用いられます。
より丁寧に述べたい場合や、クレームに対するクッション言葉など、さまざまなシーンで活用できる言い回しです。
わざわざご連絡ありがとうございます
「わざわざ」とは、「他のことのついでではなく、特にそのためだけに行う様子」を表す副詞です。しかし、「しなくてもよいことを行う様子」という意味も持っていますので、使い方には注意しましょう。
例えば「本来こちらから連絡すべきところを、わざわざご連絡ありがとうございます」という言い回しをすると、先方の手間をねぎらう言い回しになり、失礼な印象を与えずに使えます。
「ご連絡ありがとうございます」のより丁寧な言い換え例
「ご連絡ありがとうございます」は「くれる」「もらう」などを意味する言葉を省略しているため、敬語の中では少しくだけた表現です。そこで、より丁寧な言い回しの言い換え例を紹介していきます。
ご連絡いただきありがとうございます
連絡をもらったことに対する感謝を伝えられるのは、「もらう」の謙譲語である「いただく」を組み合わせた言い回しです。「ご連絡いただきありがとうございます」と表現することで、へりくだって相手に対する敬意を表せます。
ご連絡くださいましてお礼申し上げます
相手の行動を目上として立てた言い回しをしたい場合には、「くれる」の尊敬語である「くださる」を組み合わせましょう。さらに相手に対する謝意を表す表現として、「ありがとうございます」を丁寧に表した「お礼申し上げます」などを覚えておくと語彙の幅が広がります。
ご連絡いただき感謝申し上げます
より丁寧に伝えたければ、「ご連絡いただき」「ご連絡くださいまして」などの表現とともに、「ありがとうございます」を「感謝申し上げます」などの言葉に言い換えるとより丁寧です。目上の人に対して用いるのにふさわしい言い回しですので、上司や取引先などに伝えるときに使うといいでしょう。
「ご連絡ありがとうございます」と言われたときの返事
相手から「ご連絡ありがとうございます」と言われたら、「恐れ入ります」「とんでもないことでございます」などと返すといいでしょう。
「恐れ入ります。こちらこそ、迅速にご対応くださりありがとうございます」というように使います。
ただし、メールなどで定型文的に「ご連絡ありがとうございます」と入っていた場合は、その部分についてわざわざ返事をしなくてもいいでしょう。
「ご連絡ありがとうございます」の英語表現
メールなどで英語を使ってやりとりする場合にも、「ご連絡ありがとうございます」に相当する言い回しを使うと丁寧です。そこで、「ご連絡ありがとうございます」と似た意味で使える言い回しを紹介します。
接触を図ってくれたことに対するお礼を述べたい場合
相手と何らかの接触を図る場合によく用いられる動詞が「contact」です。以下のような言い回しをすることで、相手が接触を図ってくれたことに対する謝意を述べられます。
Thank you for contacting me.
メールをくれたことに対するお礼を述べたい場合
メールなどで先方から問い合わせや返答があった場合には、まずはメールを送ってくれたことに対する謝意を述べましょう。
Thank you for your e-mail(reply).
返事をくれた場合には「reply」、メール全般に使えるのが「e-mail」なのでシーンに応じて使い分けてください。
メールなどで教えてくれたことに対するお礼を述べたい場合
「let me know」とは、「私に知らせてくれる」ことを意味する言い回しです。メールなどで先方がわざわざ何かを知らせてくれた場合には、以下の表現を用いることで、感謝の意を表せます。
Thanks for letting me know.
メールなどによる問い合わせに対するお礼を述べたい場合
「inquiry」とは質問や問い合わせを意味する名詞です。
Thank you for your inquiry.
顧客からの問い合わせに答えるケースでは、上記のような言い回しをしてみましょう。
電話連絡に対するお礼を述べたい場合
「call」には「電話をかける」という意味がありますので、電話をくれたことに対する謝意を伝えられます。電話で連絡をもらった場合には、以下のようにシンプルに伝えましょう。
Thank you for calling.
「ご連絡ありがとうございます」はビジネスメールでも使える便利な言い回し
ビジネスシーンでは会社の上司や同僚、取引先などと連絡を取り合うことは日常的にあるものです。相手からメールなどで連絡をもらったときに「ご連絡ありがとうございます」を適切に使うことで、相手からの印象を和らげて、円滑にコミュニケーションをとれます。
「ご連絡ありがとうございます」は、相手から連絡をもらったことに対する感謝の気持ちを表せる敬語表現なので、目上の人に対しても問題なく使える言葉です。ただし、「ご連絡」と「ありがとうございます」の間には「いただき」「くださいまして」などの言葉が省略されているので、それらの言葉を加えつつ表現を変えることで、より丁寧な言い回しも可能です。
この記事で紹介してきた「ご連絡ありがとうございます」の使用例を参考にしながら、ビジネスコミュニケーションを円滑にするために活用してください。