――常に前向きで人を信じ、約束を大事にする飛羽真を演じるにあたり、何かを「お手本」にされたりしましたか。

『仮面ライダークウガ』(2000年)です。『クウガ』を改めて観直して、オダギリジョーさん演じる五代雄介が子どもに接しているときの、なんともいえない優しい雰囲気に憧れていて、あの空気感をなんとか飛羽真の演技に取り入れることができれば……と思って撮影に臨んでいます。

――放送開始からおよそ3か月という時間が経った今、内藤さんの中で飛羽真はどんな存在になっていますか?

最近では、何気ない一言が自分自身の言葉なのか、飛羽真の言葉なのか、境界線がなくなってきた感じですね。撮影が終わって家に帰っても、飛羽真について考えることが多くなりました。役者として、自分ではない「役」を"演じて"いますが、飛羽真としてすんなり笑ったり、怒ったりできることが、今とても気持ちいいんです。飛羽真を演じることで、子どものころ好きだった「仮面ライダー」の"世界"に加わることができたのはとてもありがたく、うれしいこと。これからも飛羽真によりそって、いっしょに成長していけたらなって思います。

――これからも飛羽真の活躍を楽しみにしています。そしてただいま公開されている『セイバー』の短編映画についても、ファンの注目が集まっていると思います。

随所に「映画」ならではの規模と迫力が感じられる作品です。具体的に言うと、映画では6人の剣士が揃って"同時変身"するシーンがあります。これはまだテレビシリーズではやっていませんから、まさに必見ですよ。そして、大迫力の"爆発"シーンも見どころです。火炎が巻き起こる「ナパーム」爆発は、テレビでは一度デカいやつを経験したことがありますが、こんどの映画ではなんと「ナパーム20連発」ですからね。現場で、僕たちキャストはけっこう離れた場所にいたにも関わらず、熱風がすごくて、周りが燃えてしまうんじゃないかと心配してしまうくらい迫力がありました。これはぜひ、劇場の大きなスクリーンで楽しんでほしいです。

――映画のゲストとして発表された谷口賢志さんは、謎の男バハト/仮面ライダーファルシオンとしてセイバーたちと戦う"強敵"だそうですね。谷口さんにお会いしたときの印象を教えてください。

岡くんが、谷口さんの出演されていた『仮面ライダーアマゾンズ』を大好きで、事前に配信を見せてくれたんです。そうしたら、谷口さん演じる鷹山仁が生卵をベルト(アマゾンズドライバー)で割って食べていて、谷口さんの芝居の"凄み"をビシビシ感じてました。その後お会いした谷口さんは、それはもうすごい威圧感で、オーラがあって、僕としてはずっと緊張していました。向こうは1人だけどこっち(剣士)は6人だ、負けてはいけないぞ……とも思っていたんですが、実際に言葉を交わしてみたら谷口さんはとても優しい方で、たちまち大好きになりました。一緒に芝居をしてみて感じたのは「人間ってこんな表情が出せるのか」「こんな声を出すことができるのか」という"驚き"でした。共演させていただいて、すごく刺激を受けましたね。

――最後に内藤さんから『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』にかける意気込みを聞かせてください。

飛羽真の見どころとしては、CGじゃなくて実際に炎を燃やした火炎剣烈火を手に持つシーンがありますので、ぜひそこに注目してほしいです。テレビでは見られない、映画ならではの迫力あるビジュアルが満載なので、ぜひたくさんの人たちに映画館へ足を運んでいただきたいです。きっとご満足してもらえます。飛羽真からの"約束"です(笑)!

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