綾野剛主演映画『ホムンクルス』(2021年4月2日公開)のメインキャストが10日、明らかになった。合わせて、ティザーポスターと30秒の特報映像も公開された。

上段左から成田凌、岸井ゆきの、下段左から石井杏奈、内野聖陽

原作は2003年~2011年まで『ビッグコミックスピリッツ』で連載され、累計発行部数400万部超えとなった山本英夫氏による同名漫画。先日、「“魂”を視る主人公を、綾野剛さんが演じてくれるとはピッタリだと思いました」という山本氏のお墨付きのコメントと共に、記憶も感情も失くしたホームレスの主人公を綾野剛が演じると発表された。

今回は待望のメインキャスト4名が発表。主人公にトレパネーションを薦める謎めいた医学生・伊藤学役には、『カツベン!』(2019)などで数々の映画賞を受賞し、現在NHK連続テレビ小説『おちょやん』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか)にも出演中の若手実力派俳優・成田凌。

さらに、劇中“謎の女”として登場するのは『愛がなんだ』(2019)や『空に住む』(2020)などで注目を集める岸井ゆきの。主人公に関わっていく女子高生役に、『心が叫びたがってるんだ。』(2017)や『記憶の技法』(2020)などで女優としても活躍しているE-girlsパフォーマー・石井杏奈。主人公に意外な深層心理を見られてしまうヤクザの組長役には『海難1890』(2015)や『きのう何食べた?』(2019)などドラマ・映画・舞台と幅広くその存在感を放つ名優、内野聖陽が発表された。

このキャスト陣に清水崇監督も「旬な熱量と存在感、センスと実力において、この俳優陣がベストだと思っています」と太鼓判を押す。

合わせて、医学生の「記憶ないんですよね」という台詞から始まる30秒の特報映像も公開された。原作の世界観を最大限に引き出すスタイリッシュでスピード感のある映像となっており、心の闇が視覚化する衝撃のサイコミステリーに期待が高まる。

今回発表された4人のキャストからのコメントは以下の通り。

■成田凌 コメント
僕が演じた派手で臆病な伊藤という人間は、僕自身抱えたことのないトラウマがあり、冷静であるが故の起伏の激しさがある、常に矛盾と戦い生きている人です。僕は普通に生きたいですが、本作は人間というものを、思い出させてくれるような、とても興味深い作品だと思います。

■岸井ゆきの コメント
今回の現場では、チームのみんなが集まってその場面を共有し、整理しながらひとつひとつのシーンを作っていく現場だったので、毎回少しのずれもしっかり相談することができ、素直に役に挑めました。私が演じる役は、名越との出会いをきっかけに自分の過去と向き合うことになるのですが、多くは語らない曖昧な記憶との戦いを、短いシーンでどう表現するか悩みました。もし自分に脳内覚醒・第六感が芽生えたら、もうこの世にはいない祖母や祖父ともう一度話せたらいいなあと思いますが、オバケが見えるのは御免なのでこのままでいい、のか……むずかしいところです。

■石井杏奈 コメント
監督は、優しく寄り添ってくださり、細かい目の動きや手の動きも演じながら一緒に考え、演出していただきました。現実の世界とホムンクルスの世界との演じ分けが少し大変でした。多感な時期ならではの隠れた我慢や発散に共感し肯定しながら、自分の過去を思い出しつつ作りました。もし自分に脳内覚醒・第六感が芽生えたら、毎日癒しを貰っている愛犬のうちに秘めた想いやコンプレックスを見てみたいです。

■内野聖陽 コメント
「人はそれぞれの心に化け物を持っている」という視点がとても面白い。私の役は、組長といういかついキャラですが、その深層心理には意外なものを持っています。そこに惹かれました。「呪怨」の清水崇監督が作られるのですから、これはゾッとするようなリアリティーのある映像世界になるに違いないと、ワクワクする思いで参加させて頂きました。もし自分にホムンクルスが見えるようになったら、人生毎日が楽しすぎて刺激が強すぎますよねぇ。

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