女優の蒼井優と黒沢清監督が、ファッションメディア「ELLE」による「エル シネマアワード2020」で、それぞれ「エル ベストアクトレス賞」と「エル ベストディレクター賞」を受賞し、7日にオンライン生配信で行われた授賞式に参加した。

  • 「エル シネマアワード2020」にVTR出演した蒼井優と黒沢清監督

10月16日に公開された『スパイの妻』は、第77回ベネチア国際映画祭 銀獅子賞(監督賞)を受賞。日本人が同賞を受賞するのは17年前の『座頭市』の北野武監督以来という快挙を成し遂げた。

同作で主演を務めた蒼井は「エル ベストアクトレス賞」を受賞。ヴァレンティノのロングドレスに、ショパールのダイヤモンドのネックレスを着用し、受賞者VTRに登場した。

蒼井は「自分の中で迷いながら、悩みながら、作品をやっていたので、頑張れという意味だと思って、ありがたく受け取らせていただきます」と謙虚なコメントを寄せ、「改めて、こんな状況のなかだからこそ、映画や舞台でしか得られないエネルギーがあるということを知ることができて、今よりもう少し背筋を伸ばして作品づくりに挑んでいきたい」と心境の変化と今後の意欲を語った。

同作でメガホンを取り、新たな「世界のクロサワ」の名を世界に轟かせた黒沢監督は、優れた監督に贈られる「エル ベストディレクター賞」に選出。アルマーニのタキシードで登場した。

黒沢監督は「ファッション雑誌の賞をいただくということは予想もしていなかったので、本当にびっくりしました」と驚きを見せたうえで、「『スパイの妻』という映画は、これまでになく衣装やメイク、髪型などに相当気を使って作りましたので、そのことが評価されたのかな」と分析。銀獅子賞については「先に進むための第一歩」と位置付け、「今年は映画を作ることはできませんでしたので、来年こそは、新しい映画をなんとしても作りたい」と強い思いを語った。

そのほか「エル シネマアワード2020」では「エル メン賞」を横浜流星、「エル・ガール ニューディレクター賞」を池田エライザが受賞した。