東武鉄道は2日、蒸気機関車C11形325号機の運行開始に先立ち、南栗橋車両管区SL検修庫にて「蒸気機関車火入れ式」を実施した。「SL大樹」プロモーションのイメージタレントを務める女優の門脇麦さんがゲストに招かれた。

  • 「蒸気機関車火入れ式」の様子

火入れ式は厳かな雰囲気のなかで進行された。祝詞の読み上げと拝礼に続き、東武鉄道取締役社長の根津嘉澄氏が点火棒にて蒸気機関車の心臓部であるボイラーに点火。根津社長は挨拶の中で、2017年8月10日に運行開始した「SL大樹」について、「沿線地域には様々な形で温かい協力をいただき、おかげ様で『SL大樹』は日光・鬼怒川エリアの重要な観光資源に成長しました」と述べた。

C11形325号機は12月26日から運行開始を予定しており、東武鉄道の蒸気機関車は既存のC11形207号機と合わせて2機体制に。「年間を通して『SL大樹』を運行し、皆様にお楽しみいただけるようになります」と根津社長は話す。3機目の蒸気機関車となるC11形123号機にも触れ、「復元作業を2021年冬の完了を目指して進め、3重連運転や、東北復興支援として福島県会津方面への営業運転等、様々な施策を検討していきたい」と語った。

火入れ式の後、「SL大樹」のプロモーション「It’s SLOW time –SLOWにいこう。SLでいこう。日光・鬼怒川の旅。–」のイメージタレントを務める門脇麦さんが登場。火入れ式に関して、「こういった式に参加した経験は初めてでした。私の席からは中の様子があまり分からなかったので、是非次回は近くで見てみたいです」とコメント。「第1号機のC11形207号機の運行日は私の誕生日と同じ8月10日だったので、SL大樹とは何かご縁があるように思っていました。今日も火入れ式に参加できて光栄でした」と話した。

  • 「蒸気機関車火入れ式」の様子

  • ゲストの門脇麦さん

火入れ式を行ったC11形325号機は、かつて真岡鐵道で運転され、芳賀地区広域行政事務組合(栃木県真岡市)から譲受した蒸気機関車。12月26日から運行開始し、「SL大樹」の運行は2機体制となり、日光・鬼怒川エリアにて1年を通してSL列車を楽しめるようになる。2021年夏以降、平日を含め毎日運転を行う予定となっている。