主演の窪田正孝については「本当に素晴らしい人」と心から称える。「常に自分のことよりも、誰かを引き立たせるために、自分がどう動くべきかということを考えてらっしゃる方。現場での立ち振る舞いや、現場の雰囲気作りも含め、絶妙なバランスを保たれていました」

作曲家としての才能があっても、ヘタレで弱虫キャラな裕一だが、実は窪田自身は「すごく男くさい方」だと言う中村。「男三兄弟で育ったそうで、学生時代の話を聞いていても、僕とは全然違いました。でも、僕は別のオーディションで窪田さんとお会いしたことがあるんですが、以前から男らしいイメージは持っていました」

常に華を背負ったプリンス、久志役の山崎育三郎については「育さんは、すごく紳士で、みんなに優しい。女性に優しい久志役だからそうなれたと、育さんはおっしゃっていましたが、そうとは思えないほど、普段からそういう振る舞いが身についている印象を受けました。三羽ガラスのなかでは一番年上でしたし、とても冷静で、歌やお芝居が上手なだけではなく、想いを届ける力がすごく強かったので、久志役は育さん以外には考えられなかったです」と、こちらも手放しで絶賛する。

和気あいあいとした福島三羽ガラスの共演シーンは、中村自身も楽しんだようだ。「ムードメーカーというか、常に場を和ませてくれたのは窪田さんで、いつも3人の真ん中に立ってくれていた感じがしました。僕は最初に、初めて朝ドラに出られて良かったなと思いましたが、最終的には窪田さん主演の朝ドラに出られて良かったなとつくづく感じました」

1年間、同じ役を演じ通した経験は初めてだった中村。「例えば、1カ月で終わる作品だと、瞬発的に役を見せなければいけないのですが、朝ドラだと1年掛けて、鉄男という男のいろんな部分をゆったりと見せていくことができる。また、今回は本当に多彩な人たち、音楽もお芝居もできるような怪物的な人たちと1年間一緒にやってこられたことは、今後の自信にもつながるのかなと思います」