IPOという言葉を目にしたことはあるでしょうか。IPO株への投資は儲かりやすいと言われています。しかし、特性を把握しないまま投資をすると損失を被る可能性もゼロではありません。

本記事では、IPOとは何か、基本的な知識とその仕組み、IPO株を購入するメリットやデメリットについて解説します。IPO株の購入方法やおすすめの証券会社も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

  • IPOとは

    IPOの仕組みと儲かりやすいと言われている理由を知っておこう

IPOとは

IPO(Initial Public Offering)とは「(新規)株式公開」とも言われ、未上場の株式を株式市場に公開して、不特定多数の投資家から資金調達することです。IPOの仕組みや人気の理由について以降で解説します。

IPOの仕組み

IPOは、申込期間の間に申し込み、抽選方式で投資家の株式購入の権利を決定します。人気のIPO株は申し込む投資家が多くなり、必ず当選するとは限りません。

企業がIPOを行う場合、複数の証券会社でサポートを受けます。中でも中心的な役割を担うのが「主幹事証券会社」です。残りの証券会社は「引受幹事証券会社」となりますが、IPO株の9割は主幹事証券会社が販売し、残りの1割を引受幹事証券会社で分散して販売します。

主幹事証券会社は扱うIPO株の取扱数が多いため、抽選で当選する確率も上がる場合もあります。ただ、証券会社ごとに販売・抽選ルールは異なるため、主幹事証券会社なら必ずIPO株を購入できるとは限らない点には要注意です。

主幹事証券会社の実績数の多さでは、大手証券会社に集中しているため、IPO株を取り引きしたい場合、主幹事証券会社の口座も開設しておきたいところです。

IPOが人気の理由は「儲かる確率の高さ」

IPOが投資家に人気の理由は、儲かる確率の高さにあります。2019年にIPOで初値が値上がりした確率は88.4%とかなり高い結果です。

IPO株は、比較的値上がりしやすい傾向にあります。その理由は2点です。1点目は成長性の高い企業が初上場をする場合、抽選に外れた投資家が上場直後に購入しようと動くためです。

もう1点は「公募価格」の設定にあります。当選した投資家は、IPO株を公募価格で購入します。公募価格は、予想される株価の30%程度はディスカウントされているため、上場直後についた「初値」が公募価格より高くなる傾向があります。

IPO株はこれらの理由で値上がりしやすいため、初値が高くついた場合その場で初値売りをすることで簡単に儲けを出すことが可能です。この方法ならあまり考えずに儲けを出しやすいため、IPO株は人気を集めています。

しかし、初値が公募価格を下回る「公募割れ」の可能性もあります。どのIPO株が値上がりしやすいのかについては、事前にじっくりと調査しなければなりません。公募割れの場合はあえて初値売りを行わず、公募価格よりも株価が上昇した場合に売り抜けるか、損切をするかの判断が必要です。

  • IPOとは

    IPO株の魅力は初心者でも儲けやすい点にあり

IPO株を購入するメリット

IPO株が人気を集める理由で説明した「儲かる確率の高さ」以外にもIPOを購入するメリットはあります。そのメリットを2点ほど説明します。

購入手数料が無料

株式の売買には、通常購入時と売却時の両方で手数料がかかります。そのため、頻繁に売買を繰り返すと、証券会社のプランによっては手数料の負担が大きくなることも珍しくありません。

一方IPO株の場合は、購入手数料が無料となっており、手数料を負担することなく株式の保有が可能となっています。売却時には手数料がかかりますが、十分な利益が出てから売却すれば大きな負担にはなりません。

成長が期待できる銘柄を入手できる

IPO株の公募価格はディスカウントされているため、割安な価格で成長性の高い銘柄を入手できます。それに加えて、IPOで新規上場する企業は、多くの場合スタートアップ企業やベンチャー企業であり、高い成長性が見込める企業が大多数です。

業績が急成長すれば、株価が何倍にも化ける可能性もあります。初値売りで利益を出すか、長期保有をして今後の成長に期待するかを検討する楽しみがある点も、IPO株を購入するメリットです。

  • IPO株を購入するデメリット

    成長が見込める企業ならIPOの抽選に落選しても購入するかどうか検討を

IPO株を購入するデメリット

IPO株購入には多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。デメリットを3点解説します。

公募割れの可能性もある

IPO株の初値売りを狙っても、公募割れする可能性があります。例えば、2018年のソフトバンク(携帯子会社)は公募割れしました。IPO株を購入しても、100%必ず初値が上がるわけではありません。元本保証のない株式投資の世界では、リスクもある点を忘れないようにしましょう。

抽選に落ちることも多い

実際にIPO株の抽選申し込みを始めてみると実感することですが、抽選に落ちることが多い点もIPO株購入のデメリットです。金銭的に損失を出すわけではありませんが、何度も抽選に落ちるとやる気がそがれるかもしれません。ただ、成長性の高さを見込んで抽選に漏れた場合は、上場後の購入を検討してみてもいいでしょう。

IPO参加中に資金拘束する証券会社もある

IPO株を取り扱う証券会社は「資金拘束」を行います。資金拘束とは、IPOへの申し込みや当選のタイミングで、申し込み分の資金を使えないように抑える仕組みです。資金拘束に備えて、他の取り引きに影響が出ないように口座に入金しておかなければいけない点もIPO株の不便な点です。

  • IPO株の購入方法

    公募割れの可能性もゼロではないためIPO傘下前には十分な調査を

IPO株の購入方法

IPO株の購入方法は、次の4ステップです。

  1. IPOの情報公開があればその内容を確認
  2. ブックビルディング期間に申し込む
  3. 抽選開始から終了と結果の確認
  4. 当選したら購入手続き

各ステップを順番に説明します。

1.IPOの情報公開があればその内容を確認

証券会社からIPOの情報公開があれば、その内容を確認します。抽選申し込みの期間などの申し込みに関する情報確認だけでなく、企業の調査も進めましょう。企業の財務諸表を読み込むなどして、IPOに参加するかどうかを決定します。

2.ブックビルディング期間に申し込む

ブックビルディングとは、IPOの需要調査のことです。この期間中にIPO株の希望価格や株式数を記入。証券会社がその結果を集計して公募価格を決定します。

ブックビルディング期間は通常1週間程度です。実際の期間はIPOの情報公開時に開示されていますので、IPOに参加する場合は、申込期間内に忘れず申し込み手続きを済ませましょう。

ちなみに、案件によっては複数の証券会社からの申し込みも可能です。どうしても購入したいIPO株があれば、主幹事証券会社だけでなく引受幹事証券会社からも申し込むことを検討しましょう。ただし、多くの証券会社で申し込むためには、資金拘束のために余分な資金が必要な点には要注意です。

3.抽選開始から終了と結果の確認

ブックビルディング期間が終わると公募価格が決定します。それと同時に抽選が始まり、当選のお知らせが入るまでは待たなければなりません。当選のお知らせはその日のうちに届くケースが多いですが、証券会社によってタイミングは異なります。

4.当選したら購入手続き

当選の連絡が入ったら購入手続きを進めましょう。落選した場合も、他の当選者が辞退して繰り上げ当選する可能性もあるため、補欠当選の手続きをしておくことをおすすめします。

  • IPO株の購入方法

    申込期間や資金拘束のルールは必ず確認を

IPO株の購入におすすめの証券会社

IPO株の購入には、証券会社の口座開設が必要です。IPO株を取り扱っている証券会社は多いため、どの会社を選べばいいか迷う方もいるでしょう。

そこで、数ある証券会社のうち、主幹事数の多さが魅力の大手総合証券4社と、引受幹事数の多い大手ネット証券2社を紹介します。

大手総合証券会社のおすすめ4社

大手総合証券会社は、主幹事証券会社となる回数も多く、引受幹事数と合わせるとIPOの抽選に当選する確率に期待できます。次の4社は、いずれも2019年および2020年の主幹事数が多く、IPO株の購入をしたいという方におすすめの証券会社です。

会社名 2020年/2019年
主幹事数
2020年/2019年
引受幹事数
2020年/2019年
主幹事 + 引受幹事数
みずほ証券 15/13 21/41 36/54
野村證券 14/17 11/18 26/35
SMBC日興証券 14/20 25/41 39/61
大和証券 9/21 21/22 30/43

※2020年11月15日時点

2019年は主幹事数が21だった大和証券ですが、2020年は現時点で9と大幅減。一方みずほ証券は他の大手総合証券会社が主幹事数を減らす中、13から15と増加している点が目立ちます。

大手総合証券会社で投資初心者がIPOを利用する際は、平等抽選を採用しているコースで申し込むことが重要です。IPO株の割り当ては店頭販売の方がかなり多いのですが、店員の裁量で得意先に多く割り当てられます。

資金も少なく取り引き実績も少ない一般投資家は不利になります。例えば、業界最大手の野村證券の場合、ネット&コールを利用して申し込みましょう。

大手ネット証券会社のおすすめ2社

ネット証券は、大手総合証券会社に比べて歴史も浅く、IPOの幹事数が全般的に少ない傾向にあります。そんな中でも、善戦している2社を紹介します。

会社名 2020年/2019年
主幹事数
2020年/2019年
引受幹事数
2020年/2019年
主幹事 + 引受幹事数
SBI証券 8/7 48/75 56/82
楽天証券 0/0 23/26 23/26

※2020年11月15日時点

SBI証券は、ネット証券の中では主幹事数がトップであり、引き受け幹事数も多いことが特徴です。主幹事となる会社の傾向は、IPOでも人気のあるIT系が多い傾向があります。大手ネット証券でIPOに挑戦したい場合は、まず選択したい会社です。

抽選方式は口数比例抽選とIPOチャレンジポイントの2方式です。口数比例抽選は、申込数が多いほど当選確率が上がる方式で、IPOチャレンジポイントは、IPOに落選したときに貯まるポイントを利用する、SBI証券独自の方式です。

楽天証券は、主幹事こそありませんが、引受幹事数が増加してきた証券会社です。申込数によって抽選確率が変わりますが、上限100株と決まっているため、実質的には平等抽選となります。

大手ネット証券でIPOに参加してみたい場合は、SBI証券・楽天証券どちらもおすすめです。

  • IPO株の購入におすすめの証券会社

    投資初心者がIPOに参加するなら幹事数の多さと平等抽選があるかどうか確認を

IPO株を購入するなら売り方も考えておこう

IPOとは、新規株式公開のことです。IPOを取り扱う証券会社に抽選申し込みを行い、公募価格でIPO株を購入し、初値で高値がついたら売却することで利益を得やすいことから投資家に人気の投資方法です。

IPOの売り方について解説した記事もありますので、IPOに参加してみたいという方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。