シャープは11月9日より、液晶パネル開発で培った表面の特殊加工技術を活用したフィルムを採用したフェイスシールドをECサイト「COCORO STORE」で順次発売する。

  • シャープが発表した「高性能フェイスシールド」はフェイスシールド、アイシールド、マウスシールドの計4種類6モデル

    シャープが発表した「高性能フェイスシールド」はフェイスシールド、アイシールド、マウスシールドの計4種類6モデル

ラインナップは、フェイスシールド、アイシールド、マウスシールドの3タイプ。いずれの製品も、フレーム部分に軽量で強度・耐食性にも優れたβチタンを採用したタイプをラインナップするが、フェイスシールドにはポリカーボネイドのタイプも展開する。

サイズは全製品Mサイズだが、チタンフレーム採用のフェイスシールドとマウスシールドには女性や子ども向けのSサイズも用意する。

  • フェイスシールドは、チタンフレーム(左)とポリカーボネートフレーム(右)の2タイプ、チタンフレームのフェイスシールドと、マウスシールドは2サイズを展開 提供:シャープ

    フェイスシールドは、チタンフレーム(左)とポリカーボネートフレーム(右)の2タイプ、チタンフレームのフェイスシールドと、マウスシールドは2サイズを展開 提供:シャープ

モスアイ構造でテカリを減少

特徴的なのは、フェイスシールドのフィルム部分。"モスアイ構造"と呼ばれる、フィルム表面にナノサイズ(100~200nm)の微細な凹凸処理を施した仕様で、外光の屈折率を連続的に変化させることで、表面反射率を大幅に低減。

モスアイとは、「モス=蛾+アイ=目」のことで、シャープ独自の方法で工業的に作成される。モスアイ構造なしの場合で表面反射率が面あたり約4%のフィルムでは、モスアイ構造を施すことにより約0.3%まで向上するという。短波長から長波長まで幅広い範囲の光に対して低い反射率を維持できるのも特長で、色付きの少ない自然な色での視認性を実現する。

  • "モスアイ構造"のあり・なしの比較資料 提供:シャープ

    "モスアイ構造"のあり・なしの比較資料 提供:シャープ

  • 左右両側からスポットライトが当てられている状態のデモ比較では、左側のモスアイ構造がないフィルムのほうは反射によるテカりが目立つ

    左右両側からスポットライトが当てられている状態のデモ比較では、左側のモスアイ構造がないフィルムのほうは反射によるテカりが目立つ

息による曇りも解消

さらに、新たに開発した特殊な超親水性アクリル系樹脂をモスアイ構造の表面に用いることにより、水滴を素早く広げる効果があり、表面に付着した水滴がすぐに乾き、結露や呼気による曇りを防ぐのも特長だ。

  • モスアイ構造による防曇機能の解説資料 提供:シャープ

    モスアイ構造による防曇機能の解説資料 提供:シャープ

実際、箱の下側から加湿機のスチームが放出されているデモでは、通常のフィルムの左側のフェイスシールドが白くなるほど水滴で曇ってしまっているのに対し、右側のモスアイ構造ありのフェイスシールドは曇りが発生していないのが分かる。

  • モスアイ構造による曇りの比較デモ

    モスアイ構造による曇りの比較デモ

デザインもこだわりが光る

フィルム表面には傷の付きにくい加工が施されており、長期間の使用にも対応する。アルコールで拭き取るお手入れの試験では、1,000回程度の耐用性は確認できているとのこと。

フィルムの基材には、CD/DVDなどのディスクや液晶バックライトの導光板にも用いられている、ポリカーボネイトを使用。短波長から長波長まで幅広い範囲の光に対して視感度透過率約99%という高い透過性を持つ、クリアな視界を確保する。

開発・国内生産は、2020年10月にシャープのディスプレイデバイス事業を分社化して設立された、シャープディスプレイテクノロジーの子会社のシャープ米子の工場で製造。

液晶パネルも製造可能なクリーンルームで、"Made in JApan/Japan Quality"を謳って事業を推進する。フレーム部分は眼鏡の町として知られる、福井県鯖江市で製造された軽量チタンフレームを採用しているのもそのこだわりだ。

そしてデザインは、インダストリアルデザイナーの大浦イッセイ氏が監修。

  • インダストリアルデザイナーの大浦イッセイ氏はマウスシールドを装着して登場

    インダストリアルデザイナーの大浦イッセイ氏はマウスシールドを装着して登場

アイウェアを中心にグッドデザイン賞をはじめ、多数の受賞歴を持ち、2016年からは、医療機器開発支援、医工連携プロデュース、医工連携支援人材育成、オープンイノベーションなど、健康・医療に関わる大浦氏は、「衛生用具がファッション、文化になってきた。消費者にとってまだ満たされていない"アンメットニーズ"を解決したテクノロジーで感染防具をファッションとして提案しなければならない」と語り、衛生面はもちろんのこと、フィット感や取り付けのしやすさ、装着した際の造形の美しさまで意識してデザインをしたことを明かした。

  • どの製品もフレームにSHARPのロゴ、チタンフレームはレーザー加工で刻印されている

    どの製品もフレームにSHARPのロゴ、チタンフレームはレーザー加工で刻印されている

  • フレームの先端部分はタイプによって異なる

    フレームの先端部分はタイプによって異なる

  • アイシールドの先端は髪の毛を巻き込まないように丸く曲げた状態で溶接がされているのも特徴

    アイシールドの先端は髪の毛を巻き込まないように丸く曲げた状態で溶接がされているのも特徴

  • マウスシールドのフレームは他のタイプよりも複雑だが、耳に掛けた時に顎のラインでフィットしてフレームがフェイスラインにかぶらない構造

    マウスシールドのフレームは他のタイプよりも複雑だが、耳に掛けた時に顎のラインでフィットしてフレームがフェイスラインにかぶらない構造

  • 求めやすい価格に抑えた、ポリカーボネイトタイプのフェイスシールドは、シンプルで実用的なデザイン

    求めやすい価格に抑えた、ポリカーボネイトタイプのフェイスシールドは、シンプルで実用的なデザイン

  • いずれのモデルも装着部をスリット状にすることで、容易にフィルムを着脱できるように設計されている

    いずれのモデルも装着部をスリット状にすることで、容易にフィルムを着脱できるように設計されている

  • モデルが着用したところ、とても自然で視界のクリアさに驚いた

    モデルが着用したところ、とても自然で視界のクリアさに驚いた

気になる販売価格

販売価格は、チタンを用いたフェイスシールド「FG-800M/800S」が各8,980円、アイシールド「FG-500M」が7,480円、マウスシールド「FG-300M/300S」が各5,980円、ポリカーボネート素材のフェイスシールド「FG-F10M」が1,980円。フレームの他に、チタンフレームタイプの製品にはフィルム2枚、ポリカーボネートタイプは同1枚を同梱している。

交換用のフィルムは3枚入りで、フェイスシールド用はチタンフレームタイプが3,980円、ポリカーボネイドタイプが3,480円、アイシールド用が2,980円、マウスシールド用が2,980円となる。

  • 価格、仕様と発売日の一覧 提供:シャープ

    価格、仕様と発売日の一覧 提供:シャープ

※価格はすべて税込