ファイザーとBioNTechは11月9日(米国時間)、開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向けワクチン候補「BNT162b2」の第3相試験の中間分析結果として、参加者の90%以上に予防効果が確認されたと発表した。

同ワクチン候補の第3相試験は、アメリカ、ドイツ、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ、トルコの6か国で合計約4万3500人を対象に実施されているもので、対象者のうち新型コロナの感染が確認されたのは94例であったという。また、ワクチン接種群とプラセボ群を比較したところ、その予防効果は90%以上であったとするほか、重篤な副作用などは確認されなかったという。

今回の調査は外部の独立した委員会が行った中間分析によるもので、治験自体はまだ継続して行われているが、ファイザーらは、11月第3週には規制当局に提出できるだけのデータがそろうとしている。

なお、ファイザーとBioNTechは、米国と欧州の2拠点で2020年内に5000万回分、2021年には13億回分のワクチンを製造する計画としている。日本もファイザーとの間に、2021年上半期中に最大1億2000万回分の供給を受けることで合意しているが、仮に効果が確認されたとしても、年内に日本への供給が行われる予定はないという。