共働きの場合、夫婦の両方が収入を得るため、家庭での収入が増えて経済的な余裕が生まれやすくなります。その一方で、共働きだからこそ支出が増えることもあり、家計管理が難しくなります。

本記事では、将来の経済的なリスクを軽減するための共働きにおける家計管理についてご紹介します。

  • 共働きの家計管理は難しい? 経済的リスクを軽減するための家計管理

    共働きの家計管理は難しい? 経済的リスクを軽減するための家計管理

共働きによって増える収入と支出

共働き世帯の家計管理について考える際に重要になるのは、収入と支出の把握です。まずは共働きによって増える収入と支出について確認していきましょう。

共働きで増える収入

共働きの場合、夫婦の両方が働いて収入を得ることができますので、当然どちらか一方のみが働いている世帯と比較すると世帯収入が増えます。もちろん、収入のバランスは家庭で異なりますが、それぞれが正社員としてフルタイムで働いている場合、単純に収入がほぼ倍になるケースもあります。たとえ収入に差がある場合でも、プラスであることには変わりはありません。

経済的に余裕があれば、それだけ貯蓄や投資に回すことも可能です。そうすることによって、さらに収入を増やすこともできるでしょう。また、現時点の収入のみでなく、将来的にもらえる年金が増える可能性もあります。さらに、夫婦それぞれが正社員として働いている場合、両方が厚生年金に加入できます。すると、どちらか一方が国民年金である場合と比較すると年金の額も増えることになるのです。

このように、現時点の収入はもちろんのこと、将来的な収入も増える可能性があります。経済的に安定するという点が共働きの最大のメリットと言えるでしょう。

単純に収入が増えるのみでなく、収入の減少や失業などによって収入が途絶えてしまうといったリスクの分散も可能です。そのため、家計をより安定させやすいという点も共働きならではのメリットのひとつです。

共働きで増える支出

前述の通り、共働き世帯では収入は増えます。しかし、その分だけ支出が増えてしまう可能性があります。共働き世帯の場合、夫婦それぞれが社会と接点を持つことになります。そのため、当然交際費などは増えることになるでしょう。

またキャリアアップのための資格取得など、自己投資にかかるコストも増加します。さらに、家事に割くことのできる時間も少なくなりますので外食が増えたり、場合によっては家事代行サービスなどを利用したりすることになるかもしれません。

そうなるとさらに支出は増えてしまいます。

  •  共働きによって増える収入と支出

    共働きによって収入を増やすことができますが、支出が増えてしまうと家計は厳しくなります

共働き世帯の家計管理のポイント

上記の通り、共働き世帯では収入と支出の両方が増えてしまう傾向にあります。そのため、家計管理も難しくなってしまいがちです。そこで、続いては共働き世帯の家計管理のポイントをご紹介します。

夫婦の収入を1つにするか分けるのか

まず、夫婦の収入を1つにまとめるのか分けるのかを決める必要があります。共働き世帯の場合、家賃や光熱費、食費などの生活費のみを折半して財布はそれぞれ別々にしているというケースも少なくありません。この場合、夫婦それぞれの収支のバランスはわかりやすくなります。しかし、世帯単位で考えるとどのくらいの収入があって、どのくらい支出しているのかが見えてきません。

また、夫婦の収入に大きな差がある場合、生活費の負担のバランスがとりにくくなるというデメリットもあります。夫婦の収入を1つにまとめる場合、世帯としての収支のバランスをとりやすくなるというメリットがあります。

夫婦をそれぞれ個人としてではなく1つの家庭としてお金の管理をすることになりますので、よりシンプルな計算で家計の管理ができます。夫婦の収入に差がある場合も生活費負担のバランスを考える必要はありません。より明確に世帯としての家計を管理したいのであれば収入を1つにまとめることをおすすめします。

共働き世帯の家計簿

家計の管理に欠かせないのが家計簿です。これはどの世帯であっても変わりません。共働き世帯の場合、それぞれが社会に出ていますので遣ったお金の管理が難しくなってしまう傾向にあります。

どちらか一方のみが記録するのではなく2人で記録し、管理していくことが重要です。紙の家計簿での管理が難しい場合、クラウド上にファイルを保存して夫婦それぞれのスマホやPCなどからアクセスし、家計簿を編集していく方法もあります。

できるだけ、無理なく2人で管理できる方法を検討してみましょう。

夫婦の支出はまとめて把握

収入のみでなく支出もできるだけまとめて把握しておいた方が家計を管理しやすくなります。先ほどもふれましたが夫婦それぞれが社会と接点を持っている場合、支出も2つに分かれてしまいます。

そのままでは世帯としての支出を把握しにくくなるので、できるだけ夫婦の支出はできるだけまとめて管理するようにしましょう。

  • 共働き世帯の家計管理のポイント

    共働き世帯の家計管理は難しいというイメージを抱いている方も多いかもしれません

将来的なリスクを軽減する家計管理

現代では働き方が大きく変化したことによって、終身雇用制度も崩壊して経済的なリスクも増加しています。そのため、リスク管理も重要となりつつあります。

最後に、共働き世帯の経済的なリスクを軽減していく家計管理の方法について考えていきましょう。

将来的な支出を予測する方法

まず、将来的な支出を予測することがリスク管理においては重要となります。先のことはわからないと思われる方も多いかもしれませんが、しっかりと今後の生活の設計を立てることによってある程度は予測することが可能です。例えば、子供がいるのであれば年齢に応じて進学などによってかかるお金を予測することができるでしょう。

また、年齢に応じて健康不安といったリスクも高くなっていきます。そこでかかる医療費などもある程度予測ができます。できるだけ具体的にこの先の生活を予測し、備えることが大切です。

中長期的な収入の増減を予測

中長期的な収入の増減を予測することもリスク管理のポイントです。一昔前であれば、年齢を重ねていけばそれだけ収入が増えていくのは一般的でした。

しかし、今日ではただ働いているだけで確実に収入が増え続けるという保証はありません。場合によっては収入を増やすためにキャリアアップが必要なケースもあります。

そこで、将来の人生設計をしっかりと考えた上で、中長期的な収入の増減を予測していきます。例えば、転職などを考えている場合、一時的には収入が減ってしまう可能性がありますが、その先で結果としてさらなる収入アップを目指せる可能性もあります。

未来の家計管理をしよう

将来的な支出と収入のことを予測できれば未来の家計管理ができます。もちろん、確実なものではないにしても、将来への安心を得ることができます。

将来的に経済的なリスクが高まる可能性があるのであれば、あらかじめ貯蓄したり保険に加入したりするといった対策も可能です。未来の家計を管理しながら、将来のリスクを軽減、分散していきましょう。

  • 将来的なリスクを軽減する家計管理

    リスクの多い時代となっていますが、将来の設計を立てておくことでリスク管理は可能です。

現代は経済的なリスクがとても高い時代です。共働き世帯の場合、夫婦両方が働いていますので経済的なリスクを分散することが可能です。とはいえ、しっかりと家計を管理できなければ、共働きならではのメリットを活かすことができません。

共働きならではの収入や支出のバランスをしっかりと考えながら将来のプランをしっかりと立てることが大切です。