トランプの「神経衰弱」をご存じですか? 1枚ずつめくって絵柄のペアを作るカードゲームですが、枚数が多いとなかなかそろわずイライラしますよね。そんな神経衰弱の「明朝体バージョン」が、今話題になっています。

コンテンツクリエイターのもにゃゐずみさん(@Monyaizumi)が創作し、ツイッターに投稿したこちらの「明朝体神経衰弱」。24種類の明朝体で作られた「日」と「月」を正しい場所にはめて、24個の「明」を完成させるというゲームです。

  • もにゃゐずみさんによる「明朝体神経衰弱」

精神修行みたいなボドゲ「明朝体神経衰弱」が完成しました。
誘う相手を間違えると友達なくします(@Monyaizumiより引用)

「……これ全部同じ『明』じゃないの? 」と思ったあなた、全部少しずつ形が違うんです! まさに神経を衰弱させるために作られたようなゲーム。ネットショップの販売ページには、「想像を絶する難易度のためご注意ください」と注意書きもありました。

このツイートを見た人からは、「絶対フォント感が必要」「これはガチで衰弱するやつ」「みんなで、わからん!! わからん!! いいながらやりたいです(笑)」「無限にゲシュタルト崩壊」「なんだこの闇のゲームは」などの声が寄せられていました。

  • バラバラになった「日」と「月」。絶望……

制作者のもにゃゐずみさんによると、「フォントの絶妙な違いと各個人の敏感さのズレをゲームに落とし込んだらおもしろいかも思い立ったこと」がこのゲームのきっかけなのだそう。

フォントに着目した点については、「デザインや編集などをしていると、フォントって線の太さや間隔、ハネの形などがちょっと変わるだけで結構違って見えがちなんです。自分も商品デザインや映像編集、それと書道家としての経験もあるためか字形には結構敏感で、フォント選びは『ああでもないこうでもない』『こっちとこっちどっちがいいかな』と選ぶ時間が結構あって、それにお金を支払ったりもするんですが、興味ない人からすると『全部同じじゃん』なんですよね。自分も昔はそう思ってました」と話します。

私たちが「全部同じ」と思っているフォントも、このようにプロの人たちが考えてこだわって使い分けてこそ、いろいろなものの「見やすさ」として私たちの目に入ってきているのですね……。でもやっぱり全部同じに見える!

  • 難易度:想像を絶する

今回は明朝体ですが、ほかのフォントでの制作の予定はあるのでしょうか? もにゃゐずみさんに聞くと、「いまのところは考えていません! ゴシック体のものもあったらおもしろいかもと考えたことはありましたが、その場合明朝体の流れで行くと揃えるのが『コ゛』の3パーツなので地獄すぎるなと」とのことでした。

最後に、このゲームを実際にやってみた感想について聞いてみると、「まさに想像を絶する難易度です。一見同じ形なのに片方はスッと型にハマってもう一方は入る気配すらないみたいな不思議体験を強いられ続けます。(制作した自分ならもう少しやれると思ってた)商品説明にも書きましたが、一人でパズルとして遊んでも難しいレベルなので、ここまでちゃんと神経が衰弱する神経衰弱はないと思います」と話していました。

このゲームは、もにゃゐずみさんのネットショップ「MONYA」で購入が可能です。ほかにもSNSで話題になった「一酸化二酸素筒」や「フリーズファイル」など、おもしろい作品がたくさんあるので、気になった方はぜひチェックしてみてください。