JR九州は1日、「SL人吉」の蒸気機関車・客車を使用した特別仕様の臨時列車「SL鬼滅の刃」を運行した。熊本発博多行で運行され、蒸気機関車8620形58654号機に「無限」とデザインされた型式プレートを掲出。鹿児島本線を力強く走行した。

  • 特別仕様の臨時列車「SL鬼滅の刃」。大正生まれの蒸気機関車8620形に「無限」とデザインされた型式プレートが掲出された

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開を記念し、JR九州は9月末からコラボキャンペーンを展開している。特急形電車885系1編成(6両編成)に『鬼滅の刃』のキャラクターをラッピングし、特急「かもめ」などで運行するほか、特急「ソニック」の車両883系1編成(7両編成)の一部車両にも『鬼滅の刃』のキャラクターをラッピングした。その他、デジタルスタンプラリーや記念きっぷ発売、オリジナルグッズとコラボ商品の発売など、さまざまな企画を実施する。

臨時列車「SL鬼滅の刃」は、11月1・3・15・21・23日の5日間、熊本発博多行の片道のみ運行。熊本駅8時35分発・博多駅13時4分着とされ、途中の久留米駅、鳥栖駅に停車する。全車指定席で、指定席券は運行日の1カ月前に発売されたが、5日間とも即完売だったという。

運行初日となった11月1日、「SL鬼滅の刃」は予定よりやや遅れて熊本駅6番のりばへ。蒸気機関車8620形58654号機と客車3両、ディーゼル機関車DE10形1756号機という編成で、大正生まれの「ハチロク」こと8620形に「無限」とデザインされた型式プレートが掲げられ、ファンから注目を集めていた。入線前からホームは多数の見学者であふれ、最終的に見学者の数は約700人に及んだとのこと。竈門炭治郎・禰豆子のコスプレで列車を待つこどもたちの姿も見られた。

  • 「SL鬼滅の刃」は8時35分に熊本駅を発車。駅係員らが旗を振って見送った

「SL鬼滅の刃」では、大正時代を連想させる袴や着物、コスチュームを着用して乗車した人に、オリジナルステッカー(「SL人吉」のナンバープレート「58654」をデザイン)のプレゼントを行う。ARフォトスポットも設定され、車内にあるARマーカーを専用のアプリで読み込むと『鬼滅の刃』のキャラクターたちが現れ、カメラで一緒に撮影できる。1号車展望ラウンジにて、「SL鬼滅の刃」オリジナルグッズも販売される。

熊本駅に入線後、乗客を乗せるとすぐに発車時刻となり、「SL鬼滅の刃」は8時35分、汽笛とともに発車。ホーム上では、駅係員らが旗を振って列車を見送った。

  • 「SL鬼滅の刃」が久留米駅に到着。列車の前で記念撮影を行う人も多かった

  • 「無限」とデザインされた型式プレートを掲げた8620形。発車直前に黒煙が上がり、見学者たちの歓声が起こった

鹿児島本線を北上した「SL鬼滅の刃」は11時23分、定刻に久留米駅に到着。久留米駅でも約600人の見学者が集まったとのことで、ホーム上は終始混雑していた。30分以上の停車時間が確保され、見学者たちはカメラやスマートフォンを手に列車を撮影していたが、あっという間に発車時刻が近づいてくる。発車直前、「無限」の型式プレートを掲げた蒸気機関車が黒煙を上げると、その場にいた見学者たちから歓声が。11時58分に久留米駅を発車し、終点の博多駅へ向かった。