独特の粘りや食感を持つ長芋は、生で食べても、加熱してもおいしい食材です。イモ類といえば、糖質を多く含むため、ダイエットをしていると、避けてしまいがちですが、腸内環境を改善する成分が含まれており、ダイエットだけでなく、美容にも効果が期待できます。今回は、長芋の栄養とおいしいレシピをご紹介しましょう。
長芋はダイエットにおすすめ
長芋は、100g(長さ5㎝程度)食べて、65カロリーです。さつまいもは100g(1/2本程度)で132カロリー、じゃが芋は100g(1個程度)で76カロリーですので、イモ類の中でもカロリーが低いことがわかります。また、糖質もさつまいもやじゃがいもに比べて低く、100g当たり12.9gです。ご飯100g食べたときに168カロリー程度ですから、低カロリーの食材です。
炭水化物を減らすダイエットが注目されていますが、お米、麦、いも等の炭水化物の摂取を減らすと、食物繊維の摂取量が低下してしまいます。食物繊維が不足すると、腸内環境を悪化させ、脂肪肝、糖尿病、高血圧等の生活習慣病、がん、免疫機能の低下、精神疾患にまで影響ができるといわれています。健康のためにも食物繊維の摂取のためにも、炭水化物は適量摂ることが勧められています。
美容にも役立つレジスタントスターチ
腸内細菌を元気にして、便秘改善の効果も期待できるとして、注目されている成分がレジスタントスターチです。レジスタント(消化されない)スターチ(でんぷん)という意味であり、難消化性でんぷんと呼ばれています。炭水化物の中でも注目されており、糖質であっても食物繊維と同じような働きをするのが特徴です。体の中に取り入れると、小腸の中で消化されずに大腸まで届き、腸内細菌のエサとなります。そして、食物繊維と同じように腸内で善玉菌を増やす働きがあるとされて、腸内環境を整えることにつながります。
血中のコレステロールや中性脂肪を減らす効果、血糖値の上昇を抑制してコントロールする作用、便通の改善も期待できるといわれています。腸内環境が整うと、肌をよい状態に保ち、美肌効果も期待できますのでアンチエイジングにつながります。また、体重増加の抑制も期待できることがマウスの実験からわかっています。
このレジスタントスターチは、インゲン豆、とうもろこし、大麦、白米、全粒小麦、じゃがいも等に含まれていますが、長芋にも多く含まれています。レジスタントスターチは、加熱すると大幅に減り、冷めると再び増えます。効率よく取るためには、生で食べるのがおすすめです。生で食べてもしゃきしゃきとおいしい長芋は、レジスタントスターチを補うのに適した食材です。
消化も助けるおいしい長芋
生で食べられるいもは珍しいのですが、長芋が食べられるのは、消化酵素であるジアスターゼを含んでいて、でんぷんの一部が分解されるため、生で食べても胃にもたれない特徴があるためです。生で食べるときは、独特のねばりを生かして、すりおろすこともおすすめです。山かけにしたり、とろろ汁もおいしく食べられます。また、短冊切りにして、サラダ、和え物に混ぜるとサクサクとした食感がおいしさを増してくれます。副菜にもおすすめの簡単レシピご紹介しましょう。
長芋のアボカド和え
<材料>2人分
長芋 200g
アボカド 1/2個
焼きのり 1枚
練りわさび 小さじ1/2
濃口しょうゆ 小さじ1と1/2
<作り方>
1:長芋は皮をむき、ポリ袋に入れてすりこぎ等でたたいて、粗くつぶす。アボカドは、半分に切って種を取り除き、皮をむいて1.5㎝角に切る。
2:ボールに長芋、アボカドを入れて混ぜ合わせ、器に盛る。わさびをのせ、濃い口しょうゆをかけ、のりを散らしたらできあがり。
<ポイント>
長芋は、ゆるやかに太くなる形で凹凸がなく、皮に張りがあって、白くみずみずしいものを選びましょう。食事に長芋を取り入れて、美しくダイエットしましょう。