――お父様の野村萬斎さんからアドバイスをもらうことはありますか?

毎日、父からLINEでアドバイスが送られてきます。「今日の声のトーン良かったよ」、「フリップを持つ手はこの角度のほうがいいよ」など、話し方だけではなく、演出的な目線で角度やタイミングなども指摘してくれます。一番細かくアドバイスしてくれているのは父かもしれません(笑)

――とても貴重な意見ですね。

本当にそう思います。自分では見えていないところを指摘してくれますし、良いところと悪いところを1日1個ずつくらい言ってくれるので、いい感じにモチベーションも保てています。落ち込むほどガツンと言われることもなくていいですね!

――褒められて一番うれしかったことは?

研修を受けている間、声の質がふわふわしていてあまり芯がなく、甘ったるい声だと言われて、自分ではそんな甘えた声だと思っていなかったのでショックだったのですが、父からは「増田さんがハキハキしているので、そのコントラストで柔らかい声が聞きやすいよ」と言ってもらえてうれしかったです。

――それは自信になりますね!

そうですね! 声は自信がない部分でしたが、同じようにしゃべる仕事をしている人に褒めてもらえたのはうれしかったです。

――ダメ出しで印象に残っているものも教えてください。

いろいろありすぎるのですが、「瞬きをしないほうがいい」というのは印象に残っています。緊張すると連続して瞬きをしてしまったり、表情を管理できていなかったのですが、「瞬きはするな。目を開いてカメラを見たほうが伝わる」と指摘されてその通りだなと思い、意識するようになりました。

――TBSに入社される前、学習塾のCMでお父様と弟さんと共演され話題になりましたが、野村萬斎さんの娘であると公表することに抵抗はありませんでしたか? TBS入社後もしっかりお父様のことを話され、ムチャぶりに応えて狂言を披露する場面も。

アナウンサー試験を受けていた時はCM放送前だったので全くその話はせず受けていたのですが、入社した時はCM放送後だったので娘だと知られているという状況でした。ただ、小さい頃から「私は私」という感覚で自由にやらせてもらってきましたし、自分らしさを持って個人の力で頑張りたいので、親子関係を知っていただいているかどうかは関係ないと思っています。

――今後の目標や目指しているアナウンサー像を教えてください。

私としては、親しみやすく距離が近く感じられるアナウンサーを目指しています。お茶の間に馴染んで一緒に笑っているような、明るい気持ちになってもらえるような存在になれるように頑張ります!

■野村彩也子
1997年9月25日生まれ、東京都出身。狂言師・野村萬斎の長女。出身大学は慶應義塾大学 環境情報学部。2020年4月にTBSテレビに入社し、9月26日の『お笑いの日2020』がアナウンサーとしてデビュー。現在は、『あさチャン!』、『ひるおび!』、『ゴゴスマ~GO GO! Smile!~』、『真夜中のブランチ』に出演している。趣味は旅行、韓流ドラマ、スポーツ観戦、ゴルフ(初心者)、ボクササイズ、ヨガ、クラシックバレエ。