――現在でも大事にされている『鎧武』関連アイテムはありますか?

吉田:もちろんです。放送当時に発売されたロックシードは自宅の部屋に並べて飾っています。テレビシリーズの台本は全部保存してますし、クランクアップ記念にみんなで寄せ書きをした色紙も大切な宝物ですね。

松田:僕は昔から「大事なものは実家の仏壇の周りに置く」と決めていまして、実家に鎧武コーナーを作り、そこに当時の玩具を置いています。まさに僕の"聖域"というべきスペースです。クランクアップ記念で撮った集合写真を見ていると、当時の気持ちがブワッとこみあげてきます。

吉田:こみあげてくるよな。撮影当時の思い出もあるし、春のイベント(グランドプリンスホテル新高輪・仮面ライダー鎧武スペシャルイベント 百花繚乱戦国絵巻)や、ファイナルイベント(中野サンプラザ・仮面ライダー鎧武ファイナルステージ&番組キャストトークショー)でキャストが集まってトークした思い出も記憶に鮮明です。改めて、結束力が強いというか、いいチームでやれた作品だったと思いますね。

――『鎧武』チームの結束力といえば、今年4月の新型コロナウイルス感染拡大にともなう「緊急事態宣言」が出されたとき、『鎧武』主要キャストのみなさんが自粛要請で辛い思いをしている人たちに"元気"を届けるメッセージをリレー形式で発信してくださり、仮面ライダーファンの人たちを中心にして多大な反響を巻き起こしました。メッセージを作成されたときのことを改めて教えていただけますか。

松田:最初は、(佐野)岳が「大変な状況だからこそ、俺たちがみんなに元気を届けられるようなメッセージを出そうよ」って、声をかけてくれたんです。

吉田:『鎧武』チームは今でもグループLINEでつながっていて、頻繁にやりとりをしていたからこそ、岳の提案から実際にみんなで動画を撮るまでのスパンがすごく短かったんです。

松田:役になりきって、ひとりずつメッセージ動画を撮ったものを、岳が数珠つなぎにして編集してくれたんですよね。みんなそれぞれいい動画を撮っていると思いましたけど、特にメタルさんのクオリティは半端じゃなかったですね(笑)。

吉田:岳から「『鎧武』のキャラクターとしてメッセージを」と声をかけてもらったので、いいねえと思ってOKしたんです。でも返事したのはいいけれど、キャラになりきってメッセージを発信するならば、普通のスキンヘッドのオッサン状態で出ていいものかと思ったんですね。そこで考えまして、知り合いのメイクさんに協力してもらって凰蓮のメイクを再現したり、たまたま嫁はんが持っていた毛皮を首にかけ、黒い布を探してきて頭に巻いて、当時っぽいピアスをつけて、凰蓮にイメージを近づけた上で動画を撮影しました。そこまでしなかったら、笑い者になって終わりになるんじゃないかと思ったんです。かなり作り込まないといけない僕に比べると、他のキャストたちはわりと"素"のままで役に入ることができるから、うらやましかった(笑)。

松田:僕なんて、伊達メガネをかけるだけで城乃内になれますからね(笑)。もともと視力はすごく良い方なので、プライベートではメガネと縁がありませんでした。

――今回のスピンオフドラマ『鎧武外伝 仮面ライダーグリドンVS仮面ライダーブラーボ』についてのお話をうかがいたいと思います。映像作品では『斬月&バロン』(2015年4月)『デューク&ナックル』(2015年11月)と4人のライダーの物語が作られましたが、今回の『グリドンVSブラーボ』はこれに続いて、城乃内と凰蓮がメインとなって大暴れする作品になるのですね。

吉田:もうずっと前から「こんどはブラーボ、グリドンのコンビでスピンオフを!」と要望していたので、念願が叶った思いです。

松田:2年前にプロデューサーの武部(直美)さんとお会いしたとき「まだっすか?」なんて聞いてましたからね(笑)。さかのぼると『仮面ライダーナックル』の撮影をしていたころから、次は俺たちで……という思いがありましたね。

吉田:『ナックル』の撮影にエキストラで参加されていた一般の方々がいる前で「次は俺らやろ!!」って言いましたからね。そのときプロデューサーの望月(卓)さんがいたので、一般の人の前でこんなこと言えば、やらないわけにはいかんだろうという作戦でした(笑)。

松田:『ナックル』にも僕たちが出演していますが、数えるほどしか出番がなかったんです。やっぱり、やるからにはずっと出ていたいですし、少し悔しい思いがありました。だから僕らの主役編がやりたい、やりたいと言っていたら、ついにこの日が来た!という感じでスピンオフが実現しました。

吉田:10月25日の『仮面ライダーセイバー』の放送終了直後に発表があり、すぐに第1話の配信開始なんやて。その翌週の11月1日に第2話が配信されるんだけど、この日は何の日か知ってる?

松田:えっと……。

吉田:俺の誕生日やないかい!

松田:あっ、いま言おうと思ったんですよ(笑)。

吉田:ホンマか(笑)! まさに、俺の誕生日を祝すかのように配信が始まるという、怒涛の2週間やね。

松田:アツいですね! いつか僕らを主役にした「鎧武外伝」ができたらいいなと思っていましたから、今回実現できて、ほんとうにうれしかったです。

吉田:『グリドンVSブラーボ』ってタイトルですけど、なぜこの2人が戦うことになったのか、その原因は何か、見ていくと明らかになっていきますので、楽しみにしていてください。しかしやってみて思ったけど、内容は凰蓮と城乃内の"師弟関係"を見つめ直すような感じで。俺らの話だったら、ナンボでも「鎧武外伝」できるんとちゃうかって。

松田:そうですね。『鎧武』の本筋から外れたところで、いくらでも膨らませられますし。

吉田:もともとそんなに重要な部分を担っていませんから、どんな状況にも対応できます。

松田:どんな料理にも合う、どんな調理法でも合うって感じの2人!

吉田:どんどん料理してもらって、違う味付けでまた出てきたいですね。