三点要約
■アルバイトは立派な社会経験。自己PRに活用しよう
■自己PRで「仕事への姿勢」と「企業とのマッチ度」を伝えよう
■職種・経験に即したPRで「活躍するイメージ」を持たせよう!

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正社員として働きたいと思っても、これまでアルバイト経験しかなければ、自己PRで何をアピールすればいいのかわからない――。こういった悩みを持つ人は少なくありません。

しかし、アルバイトも立派な社会経験のひとつです。自分なりに取り組んできたことや工夫してきたことは自分の強みなので、堂々と自己PRにつなげることができます。

本記事では、アルバイト経験を自己PRとして伝える方法、およびアルバイト経験ごとの自己PR例文とNG例について紹介します。これから正社員を目指して採用選考を受けようと考えている人は、参考にしてくだされば幸いです。

  • 自己PRを聞こうとする企業側の意図

    アルバイト経験は自己PRでの強みになります!

企業があなたに「自己PR」を聞くワケ

……本題に入る前に。

そもそも、企業は採用選考においてなぜ「自己PR」を求めるのでしょうか。企業側の意図を理解しておくことで、適切な回答をしやすくなります。

ここでは、「なぜ企業は採用選考で自己PRを求めてるのか」というテーマについて紹介します。

■人となりを知りたい

まず、企業は面接を通じて、求職者の価値観や、仕事において何を大切と考えているのかといったことを知りたいと考えています。

そのため、求職者が実際にPRするにあたっては、特に、自分が実際に経験した具体的なエピソードを元にした自己PRができるとよいでしょう。特に、アルバイト経験をアピールすることで、あなたの仕事に対する考え方、および仕事への向き合い方を伝えることができます。

■自社に合う人材かどうかを知りたい

とても優秀な人材であっても、企業との相性が合わないと、せっかく入社してもらっても長続きしないこともあります。自己PRを通じて仕事に対する考え方や物事のとらえ方を知ることで、自社との相性のよさを見極められます。

「せっかく働くならできるだけ長く働いてもらいたい」というのが、企業の本音。それを見極めるため、自己PRを通じて、求職者の能力や性格、考え方といった、書面ではわからない、求職者のポテンシャルを正確に測りたいと考えているのです。

■入社後どう働いてもらえるのかを想像したい

さらに面接官は、自己PRで求職者の物事のとらえ方や向き合い方を見極めようとしています。

仕事で困ったことが起こった時にどう向き合っていく人なのかや、周りの人とどういう関係を築ける人なのか……といった点について自己PRから読み取り、選考に役立てたいのです。

  • 自己PRでのアルバイト経験の伝え方

    企業が「なぜ自己PRを求めるのか」を理解した上で、選考に臨みましょう

自己PRで差がつく! 「アルバイト経験」の伝え方

自己PRでアルバイト経験を伝える場合、ただ単に「販売職のアルバイトを2年間していました」など、職歴を伝えるだけではもったいないです。

自己PRをするにあたっては、面接官に好印象を与えるために、押さえておくべきポイントがあります。ここでは、自己PRでアルバイト経験を伝える場合に気をつけるべき点について紹介します。

■結論から伝える - 「それで、どうなった? 」

自己PRでは、一番伝えたい「結論」から話すのがポイントです。

面接で緊張してうまく話せなくても、一番言いたいことは確実に伝えたいもの。初対面の相手に自分の経験を話すことで、どうしても話が長くなってしまいがちですが、最初に結論を話すことで伝わりやすくなります。

また、話を途中で打ち切られたとしても、要点は最初に話しているので、最低限伝えたかったポイントについてはしっかり伝えることができます。余裕があれば、最後にも再度結論を加えることで、主張したいことをより印象付けることができるでしょう。

■具体的な経験やエピソードを伝える

自己PRでアルバイト中の経験談を話す場合、概要を話すだけだとあまり説得力がありません。

アルバイト中に実際に経験した具体的なエピソードを加えながら話すことで、説得力が増し、面接官の印象に残りやすくなります。「アルバイト中にどんな工夫をしたか」「顧客にどう対応したか」など、具体的な経験談を織り交ぜながら、アルバイト経験を話していきましょう。

■失敗をどうしたかこそが自己PRのポイントになる

仕事で失敗することは誰しもあることです。

しかし、失敗をどう挽回したのかは、面接でのアピールポイントとなります。失敗したことを認めて反省し、周りの意見を聞きながら工夫して挽回していく過程を話すことで、仕事にしっかり向き合える人という印象を持ってもらえることもあるでしょう。

※職種によっては失敗が許されない場合もあります。失敗談を話していい企業かどうか見極めて話すようにしてください

■努力や工夫を会社でどう成果を出していくのかに結びつける

アルバイトにおける努力や工夫のエピソードは、あなたの働く姿をイメージさせる材料となりますので、自己PRにしっかりと取り入れましょう。

例えば、コンビニのアルバイトでの経験であれば「レジ打ちの際の効率を上げるために〇〇を工夫した」「売り上げアップにつなげるため、△△をした結果、××という成果を得た」など、仕事中に工夫したエピソードを取り入れると効果的です。

  • 自己PRを聞こうとする企業側の意図

    「あなたがいたから変わったこと」「あなたにしかできなかった成果」について、効果的にアピールしよう!

気をつけて! アルバイト経験による自己PRの注意点

アルバイト経験を用いて自己PRをする場合、いくつか気をつけるべき点もあります。以下の点に注意をしましょう。

■簡潔にわかりやすく伝える

面接官と対面するのは、採用選考が初めて――というケースがほとんどです。

関係値ができていない状態から会話がスタートすることもあり、話がうまくかみ合わないこともあるでしょう。しっかりと伝えようとした結果、長くなりすぎて、「何を言いたいのかわからない」と判断されてしまう可能性もあります。

そのため、先述の通り「まずは結論から話す」ことを意識しましょう。面接で自己PRを求められる可能性は高いので、1分程度で話せるように事前に練習をしておくのもおすすめです。

■企業秘密には触れない

自己PRで具体的なエピソードを用いる場合でも、守秘義務に抵触する内容には触れてはいけません。企業から「信頼を置けない人材だ」と判断されかねないためです。

万が一採用選考を受けた会社から、アルバイト先の守秘義務に触れるようなことを聞かれた場合には、強い意志で「それには答えられません」と伝えましょう。それで企業からの印象が悪くなることはなく、むしろ、信頼を得られることでしょう。

  • アルバイト経験ごとの自己PR例文とNG例

    良かれと思って「ここだけの話……」と重要な情報を伝えることは、逆効果になるかも