シルバーウィークの4連休は、観光地を中心に多くの人でにぎわった。コロナ禍の中、公共の交通機関を避け、車を利用した人も多かったことだろう。ドライブ中にすれ違う車や、パーキングエリアに停まった車を見て、「この車、モデルチェンジしたのか」「最近、よく見かける車だけど、何という車だろう」など、カーウォッチングを楽しんだ人も多いのではないだろうか。

そこで本稿では、自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)が発表した2020年上半期(1~6月)の人気車ブランドのランキングを紹介。コロナ禍真っ只中の1月~6月に、日本で売れた車は何だったのか見ていこう。

  • 2020年上半期(1~6月)の人気車ブランドトップ10をチェック

2020年上半期の人気車ブランドトップ10

順位 ブランド通称名 ブランド名 販売台数
1 トヨタ ライズ 58,492
2 トヨタ カローラ 57,235
3 ホンダ フィット 50,029
4 トヨタ ヤリス 48,129
5 日産 ノート 41,707
6 トヨタ シエンタ 40,194
7 ホンダ フリード 38,844
8 トヨタ ルーミー 37,622
9 トヨタ プリウス 36,630
10 トヨタ アルファード 36,597

※軽自動車および海外ブランド車を除く

景気回復の実感がわかない中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大による影響もあり、自動車の新車販売台数は前年度より大幅に減少。前年度の販売台数を上回るのはわずか3車種だけという結果となった。トヨタが強くトップ10内に7台がランクインしているが、上位の車種にも大きな変動があった。

■トヨタ「ライズ」

2019年11月に発売された「ライズ」は、トヨタ傘下のダイハツが開発・生産を行った「ロッキー」のOEM車。昨今のSUVブームの中、昨年に復活して話題となった「RAV4」の力強くも都会的なデザインを踏襲し、扱いやすい5ナンバーサイズにコンパクト化している点が大きな魅力。小型車に必須の低燃費性能や実用性はもちろん、衝突回避やペダルの踏み間違え防止など、最新車に必要な安全性能を装備しつつも200万円前後の価格に抑えられている。

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  • トヨタ「ライズ」

■トヨタ「カローラ」

2019年9月のフルモデルチェンジで3ナンバーサイズとなった12代目「カローラ」。TNGAプラットフォームの採用で大きくイメージチェンジしたボディはセダン、ハッチバック、ワゴンの3つをベースとしている。それぞれにガソリン/ハイブリッドのエンジンタイプや多彩なグレードを設定したバリエーションにより、若者からシニアまで幅広い年齢層を取り込んでいる。このほか、5ナンバーサイズの前モデル「アクシオ」と「フィールダー」も販売が継続されている。

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  • トヨタ「カローラ クロス」

■ホンダ「フィット」

2020年2月にフルモデルチェンジした4代目「フィット」は前モデル同様の5ナンバーサイズを継承し、エンジンと駆動方式はガソリン/ハイブリッド(e-HEV)、FF/4WDの構成。コンパクトカーとして「視界」「座り心地」「乗り心地」「使い心地」の4つの「心地よさ」をメインテーマとし、ユーザーのライフスタイルによって選べる5つのグレードがラインナップされている。

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■トヨタ「ヤリス」

国内では「ヴィッツ」として長年販売されていたが、4代目のフルモデルチェンジを機に従来の輸出モデル名「ヤリス」に統一された。最新コンパクトカーとして十分な機能のほか、安全性能もトヨタ初の先進技術を搭載。ガソリン/ハイブリッド、FF/4WDで構成される一般モデル以外にも、コンパクトSUVの「ヤリスクロス」や、モータースポーツ用ハイパワー車「GRヤリス」などの発展モデルをリリースしている。

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■日産 「ノート」

一般的なガソリンエンジン仕様もあるが、やはり「ノート」の目玉は「e-POWER」搭載車。これは外部充電のEV車や、走行にエンジンも併用するHV車とは異なる日産独自のシステムだ。搭載される3気筒1.2リッターエンジンは発電専用で、走行はモーターだけで行うため、高い静粛性と低燃費性はもちろん、2.0Lターボエンジンに匹敵するトルクも実現。高精度モーター制御によって雪道や雨天などの滑りやすい路面でスムーズな発進・加速を可能にする「e-POWER 4WD」も装備されている。

■トヨタ「シエンタ」

7人乗りの3列シートと後席スライドドアを備えたコンパクト・ミニバンとして、2003年の発売以来ヒットを続けている「シエンタ」。大開口・低床ラゲージや、ゆとりの室内高などのスペース性能のほか、クラストップレベルの燃費を実現するハイブリッド車もラインナップされている。定員は3列6/7人乗りのほか2列シート5人乗りがあり、ほかにも低床ラゲージを活かし、車椅子のまま後部から乗車できるウェルキャブ(福祉車両)なども存在する。

■ホンダ「フリード」

トヨタ「シエンタ」のライバルであるホンダの5ナンバーミニバン「フリード」は、2019年10月のマイナーチェンジで内外装を刷新。コンパクトミニバンとしての積載性や快適性、燃費性能に加え、センサーやカメラを用いて事故の回避を支援する安全運転支援システム「Honda SENSING」を全タイプに標準装備している。SUVテイストの「クロスター」や、エアロパーツやアルミホイールなどの専用カスタムパーツを装備した「Modulo X(モデューロ エックス)」もラインナップされた。

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■トヨタ「ルーミー」

「ライズ」同様、ダイハツがOEM車としてトヨタに供給している「ルーミー」は、同じ後席スライドドアのコンパクトワゴン「シエンタ」よりも全長が短い3.7mの5人乗りトールワゴン。室内の広さや多彩なシートアレンジ、多くの収納スペースなど、ダイハツが軽自動車で培ったアイデアが盛り込まれている。小さな車体は軽自動車並みに小回りできるのも大きなメリット。姉妹車として、ダイハツ「トール」とスバル「ジャスティ」が存在する。

■トヨタ「プリウス」

名実ともにハイブリッド=低燃費カーの代名詞となった「プリウス」。ハイブリッドシステムの普及でアドバンテージを失いつつあるものの、停電や災害時に家庭用AC100Vの電力を供給する機能や、一目で「プリウス」と分かるデザインの継承、先進の予防安全機能の充実、要である燃費性能もシステムの高効率化や小型軽量化、空力性能の改善によって着実に進化を続けている。

■トヨタ「アルファード

ダイナミックで堂々としたスタイリングのエクステリアに、ゆったりとした空間に高品質のインテリアを持ち、大型高級ミニバンとしてのブランドを確立した「アルファード」。見た目の豪華さだけではなく、トヨタ製ミニバンのフラッグシップに相応しく、レーダーやカメラを用いた最新の安全性能や、専用オペレーターによる目的地へのナビゲーション、盗難や事故などの緊急時に対応する「コネクティッドサービス」も装備している。

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トップ10の多くを占めたのは「コンパクトカー」

2019年11月に発売されたトヨタ「ライズ」がSUV車としては快挙と言える1位を獲得。対して王者のトヨタ「プリウス」は前年比52.1%と大きく落ち込んで9位に後退した。その「プリウス」から首位の座を奪取した時期もあった日産「ノート」も5位に下がり、2019年は上位にランクインしたトヨタ「アクア」も3月以降は販売台数が伸びずに圏外の12位となった。

また、トップ10のほとんどをコンパクトカーが占め、過去数年は常連だった中型ミニバンの日産「セレナ」やトヨタ「ヴォクシー」はそれぞれ11位と13位に。高価な大型ミニバンで10位に入ったトヨタ「アルファード」はコロナ過でも前年を上回る販売実績を残したが、本来は競合となる日産「エルグランド」やホンダ「オデッセイ」などが苦戦していることも要因の一つだろう。

※ブランド通称名とは、国産メーカーの同一車名を合算したものであり、海外生産車を含む
※上位台数は車名別の合算値となり、一部教習車などを含む(例:ブランド通称名 カローラはカローラシリーズ全車種と教習車を含む)