JR東海は24日、日立金属と共同で開発した、検知線に光ファイバを使用する「新型警報トロリ線摩耗検知システム」の実用化にめどが立ったことから、東海道新幹線の全線に2021年2月頃から順次導入を開始すると発表した。

  • 東海道新幹線の全線で、新型警報トロリ線摩耗検知システムが順次導入される

警報トロリ線摩耗検知システムは、車両に電力を供給するトロリ線の内部に検知線を埋め込み、トロリ線の摩耗の進行を検知できるシステム。JR東海では1996(平成8)年から導入されている。

今回、東海道新幹線への導入が発表された新しいトロリ線摩耗検知システムは、トロリ線の内部に埋め込む検知線に、従来の金属線に代えて光ファイバを使用した「光ファイバ式警報トロリ線」を用いたシステムとなる。光ファイバに光パルス信号を照射することにより、トロリ線の摩耗の進行をリアルタイムで常時監視することができる。摩耗が進行すると、指令所で即時に警報を知得でき、光ファイバに照射した光パルス信号の反射光を測定することにより、摩耗が進行している地点を高い精度で検出することも可能となる。

これにより、トロリ線の摩耗が進行している地点を即時かつ高精度に知得することができ、設備の安全性や保全作業の効率性がさらに向上するとのこと。2021年2月頃から導入を開始し、2030年度末頃に全線で導入が完了する。