過去の対戦成績は藤井二冠の1勝0敗。本局の戦型は両者得意の角換わりに。

第79期順位戦B級2組4回戦(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)が9月9日に東西の将棋会館で一斉に行われています。順位戦で通算32勝1敗と無類の強さを示している藤井聡太二冠は、十七世名人資格者の谷川浩司九段と対戦です。

今期からB級2組に参戦の藤井二冠は3勝0敗。佐々木勇気七段、橋本崇載八段、鈴木大介九段を破っています。彼ら3棋士は全員ここまで2勝1敗と藤井二冠以外には負けていません。

前期B級1組から降級し、40期ぶりにB級2組で戦う谷川九段はここまで1勝2敗。白星は藤井二冠の師匠、杉本昌隆八段から挙げたものです。

最年少記録と言えば藤井二冠というほど、最年少タイトル獲得など数々の最年少記録を更新してきた藤井二冠。一方の谷川九段も最年少記録保持者です。それは最年少名人。第41期名人戦で加藤一二三名人を4勝2敗で下し、21歳で名人となったのです。ここまで快進撃を続けている藤井二冠ですら、これから1期でも足踏みしたら更新できない記録と言えば、凄さが際立つかと思います。

両者の対戦成績は藤井二冠の1勝0敗。第69期大阪王将杯王将戦の二次予選決勝で対決し、藤井二冠が雁木の将棋から57手で勝利を収めています。このあと藤井二冠は挑戦者決定リーグ戦で、タイトル挑戦まであと一歩というところまで迫ったのが記憶に新しいところです。

2度目の対戦となる本局は、谷川九段が先手番で角換わりとなりました。角換わりは両者の得意戦法です。途中までは先後同型で進行し、藤井二冠が谷川九段に9筋の端歩の突き越しを許したことで同型から外れました。11時30分時点では、藤井二冠が下段飛車を生かし、将来争点になるであろう4筋に飛車を転回して、相手の攻めを待ち構えています。攻めてもらい、カウンターを狙うという方針です。先手番の谷川九段は千日手になっては作戦失敗なので、相手の待ち受けるところであっても仕掛けていくでしょう。

持ち時間が6時間の本局の決着は、本日夜となる見込みです。藤井二冠が連勝を伸ばし、昇級に近づくのか。それとも谷川九段が永世名人の意地を見せるのか。これからの進行に注目です。

ともに偉大な最年少記録を保持する藤井二冠(右)と谷川九段が順位戦で激突(提供:日本将棋連盟)
ともに偉大な最年少記録を保持する藤井二冠(右)と谷川九段が順位戦で激突(提供:日本将棋連盟)