本稿では、NTTドコモが運営している電子マネーである「iD」について、その特徴や使い方、支払い方法、利用するメリット・デメリットについて解説します。
最後に、iDでポイント獲得・利用する際のお得な方法についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
電子マネーiDとは
iDには、具体的にはどのような特徴があるのでしょう。特徴を列挙しつつ、解説します。 iDは、電子マネーの先駆けとして誕生した決済サービス。2005年12月に「三井住友カードiD」としてサービスを開始しました。他の電子マネーサービスと比較して歴史が長いこともあり、加盟店数が多いことが特徴です。
iDの支払い方法には特徴があります。それは“支払い方法の柔軟性”です。
iDの支払いにおいては、PayPayやLINE Pay、Suica、PASMOなどのように、あらかじめ一定金額をチャージする「プリペイド型」、およびクレジットカードのように後払いができる「ポストペイ型」、さらには銀行の口座残高から即時決済できる「デビット型」すべての方法での支払いが可能なのです。
合わせて読みたい : 結局、電子マネーって何? クレカとの違いは? わかりやすく解説
iDでポイントを貯める
iD自身には、ポイント還元制度がありません。
しかし、紐づけるクレジットカードなどにより、そのカードで採用されているポイントが付与されます。例えば、dカードならdポイント、イオン銀行ならときめきポイントが、それぞれのポイント還元制度に応じたルールで貯まる仕組みです。
iDの使い方
原則として対応カードの所持が前提
支払い方法が多様なiD。利用には、以下3種類のカードのうち、iDに対応しているものの所持が前提です。
- クレジットカード
- プリペイドカード
- デビットカード
なお、カードの種類により、支払い方法にも違いがあります。以下、詳細を説明します。
iDの支払い方法と利用可能なカード
iDは、他の電子マネーに比べて支払い方法の選択肢が広く、4種類が用意されています。4種類の支払い方法は、それぞれどのような特徴があるのかについて解説します。
ポストペイ型(後払い方式)
電子マネーでは珍しい支払い方式です。
支払時に後払い方式で決済し、利用代金は後から紐づけているクレジットカードから請求されます。
iDに対応しているクレジットカード会社は70社以上。事前チャージが不要な分便利ですが、使いすぎには注意が必要です。iDを利用できるクレジットカード会社は以下のとおりです。
- dカード
- オリエントコーポレーション
- クレディセゾン
- UCカード
- 三井住友カード
- ライフカード
- イオン銀行
- ゆうちょ銀行
- JFRカード
- 大和ハウスフィナンシャル
- ペルソナ(iD)
- ポケットカード
- SMBCファイナンスサービス
- VJAグループ(57社)
プリペイド型(前払い方式)
事前に電子マネーに対して現金をチャージして、チャージ金額分を前払いする方式です。支払い時は、チャージした金額の範囲内で即時決済。多くの電子マネーは、このプリペイド型を採用していますが、iDでもこの支払い方法が使えます。
iDをプリペイド型で使いたい場合の申込先は以下のとおりです。
- dカードプリペイド
- ソフトバンクカード
- チケットレストランタッチ
- メルペイ
- はまPay
デビット型(即時決済)
デビット型は、銀行口座と連携し、口座残高の範囲内で即時決済する方式の支払い方法です。銀行の口座から即時引き落とされるため、キャッシュレスで現金のような即時決済ができます。プリペイド型のようなチャージが不要で手間もかかりません。
iDをデビット型で使いたい場合の申込先は以下のとおりです。
- SMBCデビット
- GLOBAL PASS
アプリ(iPhone・Android)
iPhoneまたはAndroidを利用して、アプリからの支払いも行えます。iDに対応しているカード(クレジット、プリペイド、デビット)があれば、アプリに登録後、使用可能です。
実際の支払方式は、登録するカードによって変わります。クレジットカードならポストペイ型、プリペイドカードの場合はプリペイド型、デビットカードの場合はデビット型です。
iPhoneのApple Payは、Face IDまたはTouch IDで支払え、Androidは、Google PayまたはiDアプリで支払えます。iPhone・Androidに登録できるクレジットカードとプリペイドカードは以下のとおりです。
スマホ・アプリ種類 | クレジットカード会社 | プリペイドカード | デビットカード |
---|---|---|---|
iPhone (Apple Pay) |
・dカード ・三井住友カード ・ライフカード ・イオン銀行 ・ゆうちょ銀行 ・JFRカード ・ペルソナ(iD) ・ポケットカード ・SMBCファイナンスサービス ・VJAグループ |
・ソフトバンクカード ・メルペイ |
対応なし |
Android (Google Pay) |
・三井住友カード ・ライフカード |
対応なし | SMBCデビット |
Android (iDアプリ) |
・dカード ・dカード ・オリエントコーポレーション・クレディセゾン ・UCカード ・三井住友カード ・ライフカード ・イオン銀行 ・ゆうちょ銀行 ・ポケットカード ・SMBCファイナンスサービス ・VJAグループ |
・ソフトバンクカード ・メルペイ |
対応なし |
iPhoneの場合は、利用できる種類はクレジットカードかプリペイドカードです。Androidは、Google PayとiDアプリの両方を使えば、全種類のカードが使えます。
iDのメリットを紹介
iDを利用するメリットを3点にまとめて解説します。
対応店舗が多く利用しやすい
iDは、電子マネーが登場した早い段階から公開されたこともあり、支払いに対応している店舗が多い点が大きな特徴です。対応店舗が多いと、それだけ利便性が高くなります。
iDを使えるお店は、大手コンビニ3社(セブンイレブン・ローソン・ファミリーマート)、イオン、イトーヨーカドー、マツモトキヨシ、マクドナルドなど。大手チェーン店も多く見られます。
支払い方法が豊富
支払い方法が豊富な点もiDを使うメリットです。チャージしてから使うプリペイド型は他の電子マネーでも使える支払い方法ですが、ポストペイ型やデビット型も使える点は、特に便利なのではないでしょうか。支払い方法が多ければ、それだけ自分に向いている支払い方法を選択できることになります。
ポイントが貯まる
iDを利用すると、紐づけているカード(クレジット・デビット・プリペイド)によっては、そのカードが採用しているポイント還元制度に従いポイントが貯まります。実際にどれくらいのポイントが貯まるのかについては、各カードの仕様を確認しましょう。
また、カードの中には、電子マネーに対してはポイントが貯まらないと定めている場合もあるので、iDを使うためにカードを作成する場合は、iDの利用でポイントが貯まるかどうかを確認しましょう。
iDを利用するデメリット
iDを利用するデメリット2点について解説します。
iDが使えないケースもある
加盟店側の設定で高い買い物ができない可能性もあります。
iDには、利用金額の制限はありません。しかし、加盟店側で、iD決済の上限額を設定できるため、店舗によっては金額の大きい買い物にiDを使えない可能性があります。
iDの支払いができない場合は、設定しているクレジットカードを使い直接後払い方式で支払う、といった手間がかかる可能性も。この点はIDのデメリットと言えるでしょう。
iD加盟店の数が少ない
iD加盟店の数がクレジットカード加盟店数より少ない
他の電子マネーと比較すると加盟店数の多いiDですが、クレジットカードに比べるとまだ加盟店数が少ないのが実情です。ただ、加盟店は現在も増えており、今後はクレジットカードと遜色ないレベルになる可能性もあります。
iDでお得にポイントを貯める方法
iDのお得な使い方として、ポイントをお得に貯める方法と、ポイントのお得な使い先を紹介します。
iDは、クレジットカードなどのポイント還元制度によってポイントが貯まります。そのため、より高いポイント還元率を誇るカードで利用すると、よりポイントが多く貯まりお得です。
例えば、dカードの場合、ポイント還元率が1 と比較的高く、魅力があります。さらに、d払い(iD)/dカード miniとdポイントカードを利用すると、d払い(iD)/dカード miniのショッピングポイントが200円につき1ポイント、dポイントカード提示でdポイント加盟店では100円につき1ポイント付いてお得です。
他にも、Orico Card THE POINTは通常のポイント還元率が1.0%のクレジットカードです。
また、通常のポイント還元率はあまり高くなくても、特定の加盟店で利用するとポイントが数倍になる場合も、お得にポイントが貯められます。例えば、三井住友カードでiDを使うと、三井住友カードの優遇特典として大手コンビニ3社とマクドナルドの利用で、ポイントが5倍貯められます。
ポイントのお得な交換先
ポイントのお得な交換先は、ポイント還元制度によってそれぞれ違います。基本的には1ポイント1円で交換できれば、まずまずお得で、それ以上の高い交換率ならかなりお得です。
iDは使い勝手のいい電子マネー
iDは、他の電子マネーと比べて加盟店数が多く、支払い方法も選べる使い勝手のいい電子マネーです。
利用できるクレジットカードやプリペイドカード、デビットカードによって、さまざまなポイント還元制度があります。そのため、自分が日ごろから貯めているポイント還元制度を持つカードを選ぶか、ポイント還元率の高いカードを使うように検討してみてはいかがでしょうか。