頭に竹串が……! 命がけの試合に感じる"やりがい"

――都さんはデスマッチが好きなんですか?

都:もともとは好きだったんですけど、今はもう見れないですね。最初は葛西純さんのデスマッチを見て衝撃を受けて、「この人とタッグを組みたい! 」って思ったんですけど、自分でデスマッチをやりたいとは一切思わなかったですし、今後もやるつもりはないです(笑)。別にやりたいわけじゃないんですよ。この前の試合もそうだし、その前に年明けにもっとすごいデスマッチをやったんですけど、それもアクシデントでした。対戦相手が勝手に凶器を持ってきたので。

  • 試合中、頭にスイカをぶつけられる松本さん

――凶器ってどんな?

都:画鋲とか、竹串とか。画鋲は本当嫌なんですけど。画鋲は一番痛いかもしれないです。地味だけど、痛い(泣)。リング上ってアドレナリンが出ていてあんまり痛みを感じないんですけど、それでも画鋲だけはその場で最高に痛いですね。「ズンッ」ってきます。

  • 松本さんが一番痛いと話す、大量の画鋲がこちら

――この大会でも画鋲とか竹串が頭に刺さっていてめちゃくちゃ痛そうでしたけど、事務作業とかやってたら病院に行ったりできないですよね?

都:病院とかは一切行かないですし、もう何年も行ってないですね。デスマッチをやってる人たちはみんな行ってないです、キリがないから。傷があったらチョイチョイって消毒して終わりみたいな(笑)。縫ったりすることになったら行きますけど。

  • 【閲覧注意。モザイク無しの画像が見たい方は各写真をクリックしてください】頭に大量の竹串が刺さった松本さん

――本当に命がけですね。そういう大会を開催する上でのやりがい、大変なところをそれぞれ挙げてもらえますか。

都:やっぱり、やりたいことそのままのオファーが来ることってないので、自分が本当にやりたいことを実現させるには、こうやって自分で主催してやるしかないなって思ってやってます。一番大変なのは、試合以外の事務作業、交渉作業ですね。全出演者が決まっちゃえば楽なんですけど、決まるまでに永遠のような道のりがあります。アーティストさんにバーッとオファーをしても、返事をくれる人ってほとんどいなかったり。音楽界のギャラの相場も詳しくないのでそういう交渉も大変だし、事務作業を1日5時間、6時間もやってると、「本当は私は表に出る人だからこの時間にももっとトレーニングしなきゃいけないのにな」っていう、自分の中でせめぎ合いがあります。それが精神的にしんどい。まあ、やらなきゃいけないからやるんですけど。マネージャーとかがいたらいいなと思うんですけど、まだ見つけられてなくて。ただ、そういうことがあるからこそ、当日の試合はもう夢のように楽しいです! 本当に1日で10歳若返るぐらいに、全部の瞬間が自分が求めているものなので。

――ちなみに、リング常設ではない会場で大会を行うときの交渉もするんですよね?

都:「みやここフェス」の方に関しては自分がやりますけど、でも全然大変ではないです。ライブハウスとかは直接観に行って値段の交渉をしたりして借りるかどうか決めるだけなので。体育館とかだと、人気のところは1年前に抽選とかだと思いますし、そういう会場ではやってないです。後楽園ホールとかも会社じゃないと借りることはできないですし。

――会場によっては色々な制約もあるんじゃないですか。

都:そうですね、新宿FACEのときは、めっちゃ怒られました。画鋲がダメだったみたいで。

――ははははは(笑)。

都:スイカとかは全然大丈夫だったみたいですけど、画鋲はめっちゃ怒られましたね。もし画鋲がお客さんの足の裏とかに刺さったらどうするんですかって。でも、私が画鋲を持ってきたわけではないので、私は悪くないんですけど……(苦笑)。でも久しぶりにめちゃくちゃ怒られてビックリしました。レフェリーの方と一緒に「すみませんでした」って謝りに行きましたから。まあ、それを含めて楽しかったんですけどね。