「意外と、芸人と共通点あるなって思うところが多かったですよ」。漫画家という職業についてそう語るのは、お笑い界きっての漫画ファンとして知られるケンドーコバヤシ(以下ケンコバ)だ。『ドラえもん』で漫画の世界の扉を開いたというケンコバが、漫画家の仕事場を訪れて取材を行い、作品の裏話などを掘り起こすバラエティシリーズ『漫道コバヤシ』の新作DVDが5月に発売されたが、取材を通じて漫画家に感じたことや理想の漫画観、そして『鬼滅の刃』完結や、コロナ禍におけるお笑い界などについて、リモートインタビューで話を聞いた。

――改めてケンコバさんと漫画との出会いについてもお聞かせください。

ケンドーコバヤシ

最初は『ドラえもん』ですかね。アニメ化直前に読んでたんですよね。未だに実の姉と話すことがあるんですけど、生意気なことに、幼稚園の年長組くらいやったと思うんですけど、「これ、もうすぐ絶対アニメになる」って俺が予言してたらしいんですよね(笑)。ほな、半年後くらいにアニメ化されて「私びっくりした」っていう話を、まだ姉ちゃんとたまに話すんです。

――ジャンルによるのかもしれないですが、名作の条件はありますか?

「基本、こういう漫画が好き」っていうのはありますよ。主人公の身体的特徴はもちろんなんですけど、ハートが強くなかったら嫌なんですよね。

――例えば『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズだったり。

ジョジョの主人公はだいたいハート強いですからね。だから意外と『エヴァンゲリオン』とかは、主人公が好きじゃないんですよ。(碇シンジは)ハートが弱いので。

――『エヴァ』の男性キャラなら、加持リョウジとかでしょうか?

そうですね。加持さんとかの方が好きですね。

――生き方や考え方の面で影響を受けたキャラクターはいますか?

『ジョジョ』第二部のジョセフ・ジョースターですね。いい意味で軽く、相手を舐め腐って勝つっていうね(笑)。あれ、やっぱり理想ですよね(笑)。めちゃくちゃ特訓とかしているんですけど、それを見せない。そこは美学として僕も持ちたいですよね。

――漫画と言えば先日、吾峠呼世晴先生の『鬼滅の刃』が完結しました。物語が最高に盛り上がったまま、綺麗に終わったのかなという印象でしたが、ケンコバさんはどんな思いがありますか?

これは新たな漫画のルールが作れたというか。作者の思い通りに終わらせていいんだっていうね。やっぱり若干あったと思うんです。「ここで終わりたいけれども、人気がすごいんで続けさせてください」って、正直あったとは思うんですよね。これからは、そうなっていくんじゃないですか。『鬼滅の刃』で、いい例ができたというか。

――漫画ファンとしては、作者が尊重されるのがうれしい?

うれしいですね。いろいろ大変やとは思うんですよ。アニメ化とかも今はあるんで。