相談できる仲間ができたことでセンターの重圧も乗り越えてきた小坂だが、今年1月に4thシングル「ソンナコトナイヨ」で4作連続センターが決定した際、ブログで「正直なところ、私じゃないと思ってました。だから、最後まで残った時、なんと言っていいか分からないけど、、、恐怖感に襲われました」と本音を吐露した。

「あまり振り返りたくない部分かもしれませんが……」と当時の心境を尋ねると、「全然大丈夫です」とにっこり。自身の思いをゆっくりと打ち明けてくれた。

「ここまでずっとセンターを務めてきて、3枚目まではあり得るのかなって思っていた時期はあったんですけど、4枚目のときに、何があったというきっかけは特にないんですが、なぜか気持ちの中で変わるだろうなというのがあって、そういう気持ちでフォーメーション発表を聞いていたら最後まで残って、あぁそうなんだって。そして、今まで感じたことのない不安が襲ってきました。4作まで続いて、メンバーから『4作!?』みたいな感じは全然ないですが、周りの方々からどう思われるんだろうという不安が大きくなって。薄れかけていた怖いという思いが、改めて4作目のときにドーンと出てきた感じがありました」

その恐怖と戦いながら4作目もセンターとしての役割を果たしてきた小坂だが、「その気持ちは1回感じると今でも消えなくて。やっぱり、『4作連続』という言葉がすごく締め付けているな、締め付けられているなっていうのがあって。だからこそのプレッシャーを感じることが多く、一つ一つの曲をパフォーマンスするたびに『大丈夫かな』という不安はずっと今もあります」と、その重圧と戦い続けているという。

「でも、それでもその気持ちに負けないでいることが大事だなって思うし、自分が不安がっていたり、怖がっている思いを見せてしまうと、ファンの皆さんも心配するだろうし、メンバーのみんなも気を遣ってしまうと思うので、パフォーマンス中はそう思わないように、全力でそのステージを楽しむようにしています」と目の前のパフォーマンスに集中することで一つ一つ乗り越えているそうで、「気持ちは強くなったなと思います」と語るその姿はとてもたくましい。

■日向坂46は「フォーメーションにとらわれず全員が輝いている」

さらに、「うちのグループは変にフォーメーションにとらわれないというのがあって、『この子はこの位置にいるから……』というのがあるとみなさん想像されているかもしれませんが、うちのグループは本当にそういうのがまったくないんです。どの子がセンターにいても1曲1曲をみんなで楽しむし、その子を支えるというのもあり、どこの位置にいても一人一人、22人全員が輝いているというのがグループの強みだと思います」と明かす小坂。

「いつか(センターから)変わるときは来るってわかっていますが、そこに関してグループ内での不安はまったくないです」と言い切り、「それは日向坂46だからこそ思うことなのかなって思います」とメンバー同士の絆の強さを感じさせた。

個人として女優やモデルとしても活躍している小坂。最後に今後の目標を尋ねると、「やっぱり一番やりたいのはアイドルなのでそのお仕事を一番に頑張りながら、女優さんなど個人としてのお仕事も少しずつでも挑戦できたらと思います。グループとしては、今年東京ドームでの公演がありますが、いい意味で自由に幅広く活動していきたいという思いがあり、最終目標を無理やり決める必要はないのかなと思うので、自由にのびのびと私たちらしく前に進んでいきたいです」と力強く語った。

■小坂菜緒
2002年9月7日生まれ。大阪府出身。2017年、「けやき坂46 追加メンバーオーディション」に合格し、2期生としてグループに加入。2018年、「Rakuten GirlsAward 2018 SPRING/SUMMER」でランウェイデビューも果たしたほか、『Seventeen』の専属モデルにも就任。翌2019年、日向坂46の1stシングル「キュン」でセンターを務めることが発表され、このデビューシングル以来4作連続でセンターの座を守り続け、日向坂46の絶対的エースとして人気を得る。また、グループで出演した日本テレビ系ドラマ『DASADA』(2020)で主演、ホラー映画『恐怖人形』で映画初出演にして初主演を務めるなど、女優としても活躍する。

衣装:トゥービー バイ アニエスベー