モチベーションとは、人が行動を起こすときのあらゆる原動力となるきっかけです。意欲や、やる気という意味でも使われるモチベーションは、人間がアクションを起こす際の心理的な要因になるもので、精力的に仕事をする上でも必要不可欠です。
本記事では、仕事でモチベーションを上げるための方法や、モチベーションが上がらない原因、そもそもなぜ仕事にモチベーションが必要とされるのかに、低下した時の兆候などを紹介していきます。
仕事におけるモチベーション・やる気とは何か?
モチベーションがなければ、人間は精力的に活動しにくいと言われています。職場におけるモチベーションは、業務意欲、つまり仕事に対する意欲という意味で使われることが多いです。
モチベーションは仕事に大きく影響し、モチベーションがないと社員の生産性が低下して企業の業績悪化につながります。また覇気のない職場ではイノベーションが生まれないので、企業の成長のためにはビジネスにおけるモチベーションの維持が不可欠と言えるでしょう。
仕事にモチベーションが必要な理由
以下に、仕事にモチベーションが必要な理由を詳しくまとめてみました。
職場の生産性の低下につながるから
仕事場のモチベーションが低いと、生産性の低下につながります。また、モチベーションの低い上司が部下を指導すると、部下にもモチベーションの低さが伝わってしまう可能性があります。
企業の業績低下につながるから
モチベーションが低い職場環境が常態化している企業は、業績が低下していきます。業績が悪化すると給料や賞与への影響が出てくるため、離職者が増える傾向にあります。そして、さらに生産性が落ちて業績が低下していくことでしょう。
人材の流出の要因になりうるから
社員のモチベーションが低いと、先ほども触れたように嫌気が差した社員が離職する可能性が高まります。活気のない職場は、つまらないと感じる人は多いでしょう。自身がいくらがんばっても、評価されないどころか煙たがられたら、その社員は離職を考え始めます。
また、モチベーションが低い上司の下で勤務する社員も、仕事がとてもやりづらく感じ、離職をするケースが多々あります。
本人の成長の停止につながるから
仕事場のモチベーションが低いと、本人の成長がそこでストップしてしまいます。モチベーションが低いということは、それ以上の発展はないということです。自身を向上させたいという希望があるならば、モチベーションを高く保つ必要があります。
なぜなら、モチベーションが高い人は仕事に対するクオリティーも高い場合が多く、優秀な社員としての道を歩んでいくために、モチベーションの向上が必須でしょう。
仕事のモチベーションが上がらない・または下がる原因
仕事のモチベーションが上がらないのは、人間関係や仕事への不満など、さまざまな原因があると言われています。人は、そのときどきで悩みや不安を抱えながら生きています。仕事のモチベーションが上がらないのは、それらの不満が解決できていない場合が少なくないと考えられます。
モチベーションを下げているいろいろな要因を紹介しながら、仕事との関係を詳しく説明していきます。
人間関係が良くない
仕事のモチベーションが上がらないのは、職場の人間関係がうまくいっていないことが原因になっている可能性があります。人間関係が悪いと何事にも意欲がなくなっていく傾向があり、人間関係の悪化ばかりに気持ちがいってしまい、目の前の仕事に集中できなくなるからです。
周りの評価が得られない
仕事で結果を出しても評価してくれない職場は、社員のモチベーションを低下させる傾向にあります。いくらがんばっても評価が得られないのであれば、やってもやらなくても一緒だと感じてしまい、だんだんとモチベーションが下がっていくでしょう。
仕事への関心・やりがいの欠如
仕事がマンネリ化し、魅力がなくなるとモチベーションが下がる可能があります。同じことの繰り返しや、嫌な仕事が連続し見返りもなければ、モチベーションはどんどん低下していきます。
努力しても同じ状態が続くようであれば、無理にがんばらない方が疲れないという選択をする人が多いはずです。次第に仕事そのものへの関心がなくなり、モチベーションも下がり続けるでしょう。
仕事内容に対して給与が低いなど、報酬に対する不満
今の仕事の業務内容に対して給料が低すぎる場合は、モチベーションは上がりません。いくらがんばっても給料が安いままだと、一生懸命に仕事をすることがばかばかしく感じられてきます。自然にモチベーションが下がり、やる気を失っていく可能性があります。
将来に対する不安
今の仕事内容や職場・会社の未来を考えたときに全くイメージできないなどの不安がある場合は、モチベーションを保ちにくいでしょう。これは当然のことで、未来のビジョンがないと人間は動きにくくなるためです。不安は人を消極的にさせます。仕事どころではなくなり、離職まで考えてしまう傾向があります。
仕事のモチベーションが低下した時の兆候
仕事のモチベーションが低下したときに見られる兆候について、3つ紹介していきます。
仕事に対するモチベーションが下がると、離職や休職の危険性が出てくるので、早めに対処する必要があります。部下や自分の周りに以下の特徴にあてはまる社員がいれば、気を配ってあげましょう。もしも自分自身にモチベーション低下の兆候が見られるようであれば、早急に対処方法を実践していきましょう。
言い訳が増える
モチベーションが低下した人は、ネガティブな思考が増えて会話自体もネガティブな表現や言い訳が増えていきます。 しかし、言い訳やネガティブ発言が出ているうちは、まだ説得の余地があります。転職サイトなどを閲覧して自社と比べている可能性がありますが、モチベーションが下がって離職を決意した人は、言い訳すらせずに黙ってしまうケースが多いからです。こちらから話しかけて、解決の糸口を探していきましょう。
新しい業務を嫌がる
モチベーションがなくなる兆候として、新しく覚えることがおっくうで、慣れた仕事ばかりをこなそうとする傾向があります。仕事に嫌気が差している可能性があり、ビジネスや人生で向上していこうという気力がなくなっています。もしくはすでに離職を決めていて、周囲に迷惑をかけないように新しい業務に携わらないようにしているとも考えられます。
発言が減る
ミーティングや会議などで積極的に発言しなくなった場合は、モチベーションが下がっていると考えられます。仕事に全く関心がなくなっている可能性もあります。こちらからなるべく声かけをするようにしましょう。仕事上の悩みを抱えているのであれば、一緒に解決の道を探してあげてください。孤独にならないようにしてあげましょう。
仕事のモチベーションを上げる方法
モチベーションを高めることは大変ですが、「他人を見習う」「友達と話をする」「考え方を変える」など、いろいろな方法が提案されています。これらの中から自分に合いそうなやり方を見つけて試してみてはいかがでしょうか。モチベーションを向上させて、明るい未来を築いていきましょう。
それでは、仕事のモチベーションを高めるための方法を一挙に紹介していきます。
会社に対する貢献度を考える
仕事のモチベーションを高めるには、自分の仕事が会社にどのように貢献しているかを考えてみるといいでしょう。自分が企業や社会でどのような立場にいるのかを、改めて考え直してみましょう。その際に、仕事の進捗状況などを聞ける範囲で職場の人に教えてもらうこともモチベーションアップに有効的です。自分が会社に貢献しているとわかれば、仕事に対する意義が見えてくるからです。
仕事の意味を考える
自分の仕事が社会においてどのような意味を持つのかを考えることで、仕事へのモチベーションが上がります。何のために仕事をしているのかわからなくなりモチベーションが下がった場合は、自分がいま行っている仕事は、どこに通じているのかについてなどを考えてみましょう。社会の役に立たない仕事はありません。小さなこともおろそかにしないようになり、仕事に対するモチベーションが上がっていくはずです。
目標を設定する
仕事のモチベーションを上げるには、達成可能な自分なりの目標を設定することが必要です。モチベーションが下がっていく背景に、「目的もなく、毎日言われたとおりの仕事をこなしている」という背景が考えられます。大げさな内容にしなくてもいいので、「今日中にこの資料を完成させる」「取引先を訪問する」など、達成できる小さな目標を設定していきましょう。小さな成功体験が仕事に対するモチベーションを上げてくれます。
できることにフォーカスする
仕事のモチベーションが上がらない人は、自分にできることだけにフォーカスしていきましょう。できないことまでやろうとするから壁にぶちあたり、モチベーションが下がっている可能性があります。できることだけを一生懸命行うことで、現状を打破する突破口を見つけ出していきましょう。
仕事の中で楽しみを見つける
仕事の中で楽しいと思える部分を見つけていくことで、モチベーションが向上します。仕事の楽しみを見つけることができるのは、本人以外にありません。「上司に褒められた」「周囲に認められた」「クライアントに提案を喜ばれた」「同じ作業で昨日よりもスピードアップできた」「テレアポの成功率が上がった」「給料がアップした」など、どのようなことでもかまいませんから、楽しみを見つけていきましょう。
難しい場合は同僚と行くランチのお店の選定など、直接の業務以外でもいいので、仕事に関連した楽しいと思えるエピソードを見つけてください。
達成した時の気分をイメージする
今回の仕事をやり終えたときの喜びや満足感をイメージすることで、仕事のモチベーションを上げられます。イメージは具体的に行うといいでしょう。そのために、仕事の目標を明確にしておく必要があります。
達成したときの喜びの表情を画像に残して見返したり、目標を何度も確かめてみたりすることで、モチベーションが徐々に上がっていくはずです。
高評価を受けることをイメージする
「仕事がつまらない」「モチベーションが上がらない」と感じたら、仕事を達成して上司や同僚から高く評価されることをイメージしてみましょう。良いイメージは良い結果を引き寄せ、できると本気で思い込めば、いつも以上のハイペースで完璧な仕事が達成できるでしょう。
難しすぎる目標は持たずに、自分の能力の範囲で仕事をこなしていきましょう。モチベーションが上がって素晴らしい仕事ができる人間になれるはずです。
体調面を見直してみる
常に万全な体調で仕事ができるように、体調はいつも整えておきましょう。モチベーションが上がらないのは、不摂生な生活が原因の場合があります。
睡眠不足を感じる人は、眠りの質を上げていきましょう。食事が不規則な人は、必要な栄養素を摂取できるよう努力してみましょう。体力不足を感じたら、「ジムに通う」「歩く」などの運動を始めてみる必要があります。お酒を飲みすぎていると感じたら、休肝日を設けましょう。
メリハリをつける
仕事と私生活とのオン・オフの切り替えをうまく行うことで、モチベーションがアップしていきます。仕事のときは思い切り働き、遊ぶときは仕事を忘れて遊びに徹しましょう。
生活にうまくメリハリをつけていくことでリフレッシュでき、頭がすっきりします。すると、仕事の効率も上がりモチベーションが向上していくでしょう。
仕事後のご褒美を用意する
仕事が終わった後の楽しみとしてご褒美になることを用意しておくと、やる気が出ます。子どもと一緒で、大人もご褒美があると仕事をがんばれることがあります。
ただし、仕事に目標を定めて、それが達成できたら自分にプレゼントをすると決めておいた方が、生活にメリハリができていいでしょう。目標や楽しみは小さくてもいいので、自分ができる範囲で無理のないものを選んでください。
目標にできる人を見つける
仕事のモチベーションが上がらないときは、尊敬できる人を見つけて見習っていきましょう。目標となる人を見つける場所は、社内でなくてもかまいません。
「はきはきと完璧に仕事をこなしていく人」「常に前向きな発言でリーダーシップを取り続ける人」など、自分がなりたい将来像を体現しているような人を探し出して目標にしていきましょう。
今の仕事について自分で勉強してみる
仕事のモチベーションを上げるために、スキルを磨きましょう。今の仕事に関する技能を深めることで、業務に自信と興味が備わります。人間は一度仕事にのめり込むと、とことん極めたくなるものです。その性質を利用し、仕事に関するあらゆる勉強を順番に極めていきましょう。仕事へのモチベーションが上がり、スキルも身についてくるでしょう。
友人と仕事の話をする
モチベーションが上がらないときに友人との仕事の話をすると、刺激になったり思わぬ発見ができたりする場合があります。たまには腹を割って、友達と仕事や私生活などのいろいろな話をしてみましょう。仕事を改善するヒントがもらえる可能性があります。
リラックスできる会話はいい気分転換になります。普段言えない仕事の愚痴などを話すことができれば、ストレスの発散ができ、モチベーションも自然に上がるかもしれません。
社外の人と交流する
社外の人との交流が刺激になって思わぬ発見があると、モチベーションが上がります。いつも社内の人たちといると同じような考えのくりかえしでモチベーションが下がっていきます。たまには、「学生時代の友人やサークルの仲間に会う」「旅行先で見知らぬ人と交流する」などの新しい出会いが必要でしょう。
人間は刺激がないと新たな発想がだんだんとできなくなっていきます。偏った考えでは向上心が上がりにくいでしょう。
明るい未来をイメージする
ワクワクするような明るい未来を思い描いてみると、モチベーションがアップします。思想は実現します。夢を持つのはとても良いことです。それが具体的だとなお刺激になります。成功した自分を思い描いてみましょう。それだけで、モチベーションが向上していくでしょう。
仕事が必ず成功する・完遂できると信じ込み、自分は絶対に明るい未来を手に入れられると考えて行動を起こせば、モチベーションがどんどん上がっていくはずです。
モチベの上がるサクセスストーリー映画を観たり、自己啓発本を読んだりする
モチベーションを高めるためには、サクセスストーリーが描かれたお仕事系の映画を観るのもおすすめです。映画の登場人物が苦労や悲しみを乗り越え成功をつかみ取るストーリーを追体験することで、きっと仕事のやる気につながるでしょう。また、全く同じ職種や仕事内容でなくても、自分の仕事にもつながる考え方のヒントが得られるかもしれません。
自己啓発系の本を読むのも手軽に試せる方法です。人間関係や将来のビジョンの描き方など、なるべく自分の悩みにフィットするものを選ぶことで、ノウハウが得られたり、モチベーションの向上につながったりするはずです。
どうしてもモチベーションが上がらない場合は、転職を検討するのも一つ
自分の努力や考え方で状況が改善する場合はいいですが、人間関係や年功序列などの評価制度、労働環境など、個人では根本的な解決が難しいこともあります。
その場合は、転職を検討することも一つの手です。ただし、ただやみくもに転職しても、また同じ悩みに陥ってしまう可能性があります。現在の職場では自分にとって何が問題なのか、それを解決できる職場にはどういう条件が必要なのかをきちんと整理した上で、それを満たす職場を探しましょう。
モチベーション向上の要因を把握し、実践してみよう
仕事に対する高いモチベーションを継続させて、自身の向上を目指していきましょう。
仕事は楽しく積極的に行った方が、自身の生活も周りの人たちもハッピーになれます。前向きに業務に携わることで、スキルも磨かれていきます。そのためには、モチベーションを高く保ち続けることが大切です。
自分にとっては何がモチベーションにつながるのか、今回紹介した方法などをぜひ実践して、仕事の向上に役立てていきましょう。