脚本家・古沢良太によるオリジナル作で、大人気ドラマを映画化した『コンフィデンスマンJP プリンセス編』が現在公開されている。コンフィデンスマン(信用詐欺師)のダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)が、毎回さまざまな業界の華やかな世界を舞台に、壮大で奇想天外な計画で、欲望にまみれた人間たちから大金をだましとる同作の映画化は2作目。シンガポールに拠点を持つ世界有数の大富豪一族・フウ家をターゲットに、壮大な物語が幕を開けた。

今回は、フウ家の次男・アンドリュー役の白濱亜嵐、長男・クリストファー役の古川雄大にインタビュー。イケメン兄弟役となった2人だが、ビビアン・スー演じる長女・ブリジットと共に父親の遺産をめぐって火花を散らす役柄でもある。シンガポール人を演じ、英語での芝居に挑戦するなど挑戦も多かったという2人に、話を聞いた。

  • 映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』に出演する白濱亜嵐、古川雄大 (写真:マイナビニュース)

    左から白濱亜嵐、古川雄大 撮影:宮田浩史

■実は劇中とは真逆の雰囲気?

――今回は兄弟役で初共演となりましたが、互いの印象はいかがでしたか?

古川:もちろんご活躍は知っていました。歌とダンスをメインにされているイメージだったんですけど、お芝居もしっかりされていて、すごく尊敬できる仲間だと思いました。

白濱:ありがとうございます! 僕も元々古川さんを知っていたのですが、共演すると決まり「どういう方なのかな」と思っていたら、ロケ地のランカウイ島に向かう飛行機から一緒で。極寒に冷えた飛行機で……行きの飛行機、寒かったですね!(笑)

古川:そうだった! 暑い国に行く飛行機だから、冷やしていたんですかね? お互い半袖に短パンだったから、寒くて(笑)。

白濱:キンキンに冷えていたので「ブランケットください」と頼んだら、お金を取られるし(笑)。でも、それもすごくいい思い出です。そのあと現地について一緒に街をぶらぶらさせてもらったりランチしたりして、すごくおしとやかで優しい方だったので、初めから壁もなく関係性を作ることができました。

――兄弟としての雰囲気はどうでしたか?

古川:作中では敵対していますし、役としては憎い存在ではあったんですけど、裏では助けていただいたことが多かったです。撮影初日に2人で街を散策した時は、英語のできる白濱くんに頼って、自分のメニューも頼んでもらったりして。劇中とは逆の雰囲気でした。

白濱:意外とバラバラのシーンも多くて、劇中もずっと一緒というわけではなかったんですよね。でも、すごくやりやすかったですし、先輩の古川さんとお芝居ができて、貴重な経験になりました。

――お姉さん役のビビアンさん含めて、3人で仲良くされていたとか。

古川:ビビアンさんは、すぐに「ご飯に行こう」と誘ってくださったんです。関係性を深める時間を作ってくださいました。ビビアンさんの周りのスタッフさんもチームとなって、大人数で賑やかに楽しく過ごすことができました。

白濱:僕も比較的明るい方だと思うんですけど、ビビアンさんも天使のような明るさでした。スコールで撮影が止まる時もネガティブなことは言わず、お菓子を配ってくださったり。

古川:優しいよね。僕、汗かきなので汗だくになっていたら、自分の扇風機を首にかけてくれて(笑)。困ってる人を助けてくださる方なんです。

白濱:僕は、尋常じゃない量のお菓子をもらいました(笑)。お菓子を食べて「これめっちゃおいしい!」と言ったら、「まだいっぱいあるからね!」と、キャリーバッグから出してくれて。

古川:あったね! キャリーバッグの中、パンパンにお菓子詰まってた!(笑) 僕はビビアンさんの出演されていた『ウリナリ!!』(『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』)も見ていたので、そのお話もしましたし、テレビで見ていた通りの素敵な方だと思いました。

■セリフは英語でやりとり

――作中ではかなり英語で話すシーンが多かったと思いましたが、苦労はされましたか? それとも楽しかったですか?

白濱:そうなんですよ! 僕ら、日本語でやりとりしました?

古川:この2人の会話は英語の方が多かったよね。僕はもう、すごく苦労しました。頭の中でセリフを変換する作業が増えましたし、毎回ドキドキしながら挑んでいました。英語の先生も3名ほどいらして、徹底的に指導して助けていただきました。白濱くんは英語がペラペラで、すごく憧れました。散策中に僕のメニューを頼んでもらっている時にも、「かっこいいな」と思いました。「なんてカッコよくメニューを頼むんだ」と。

白濱:いやいや!(笑)。でも僕も英語を話す役は初めてした。僕も普段から話しているということもあって、意外と違和感なくやれたんですけど、お芝居で英語のセリフを話すというのは、難しい部分もありました。客観的に見れなくて「セリフを言うことに必死になっているんじゃないかな?」と不安になることもあって。台本も最初は日本語で、英語の部分だけ別紙で届いてたので、「ここも英語になるんだ」というのも驚きました。

――古川さんは、英語まじりの日本語という演技も印象的でした。

白濱:うまいなと思いました! その方が難しくないですか?

古川:難しかった! バランスについては3人で会って決めようというお話だったので、現場で調整しながら進めていきました。

――朝ドラ『エール』の”ミュージックティーチャー”感もちょっとあったような…

古川:本当だ。最近、英語を話す機会が多いですね(笑)。

白濱:(笑)

古川:いろいろな経験をさせていただいているなと思います。

――白濱さんは、映画『貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-』と、ドラマ『M 愛すべき人がいて』と、テンションの高い役が続いたのかな? と思いました。

白濱:『貴族降臨』の撮影が終わってからの大富豪だったので、明るい役が多いなと思いました。イメージを持ってもらえるのは嬉しいですし、自分の良さにも変えていきたいなと思います。