大日本印刷(DNP)は7月28日、女性社員の産前のケアや産休・育児休業明けの職場復帰を支援するため、可動式ケアルーム「mamaro」を東京都内の3カ所の事業所(DNP市谷加賀町ビル、DNP市谷鷹匠町ビル、DNP市谷左内町ビル)に導入することを発表した。7月からテスト運用、8月17日から本運用を開始する。

  • DNP事業所内に設置された可動式ケアルーム「mamaro」

mamaroは、同社が資本業務提携しているTrim社の鍵付き完全個室型の設備で、幅180cm×奥行90cm×高さ200cmのスペースがあれば、どこでも設置可能なベビーケアルーム。

現在、商業施設を中心に全国各地に設置されており、子供連れのファミリーなどが、外出時に手軽に授乳や離乳食、オムツ替えなどのベビーケアに利用している。長時間の利用時には、センサーによって、管理者にアラートメールで知らせる仕組みを搭載しているほか、天井は開口率70%を確保して、換気によって空気の滞留を防止する。

同社は、多様な人材の活躍を推進する取り組みとして、柔軟な勤務制度に加えて、キャリア形成を支援する研修制度や育児休業からの復帰プログラムなど、さまざまな制度を運用。社員の声も活かしながら、働きやすい職場環境の整備を推進している。

2020年3月に策定した「次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画(第6期)」では、妊娠活動をサポートする制度の拡充を目標の1つに掲げている。

現在、同社女性社員の産休・育児休業からの復帰率はほぼ100%。復帰後の定期的な搾乳時や、妊娠、不妊治療などで体調のすぐれない時に安心して利用できるスペースが欲しい、といった声があったという。こうした要望に応えるため、mamaroを企業の事業所としては全国で初めて導入した。