タニタはこのほど、「熱中症に関する意識・実態調査2020」の結果を発表した。同調査は6月5日〜8日、全国の15歳〜69歳の男女1,000名を対象に、インターネットで実施した。

  • 熱中症を意識するのはどのようなときですか

熱中症を意識するのはどのようなときか尋ねたところ、最も多い回答は「屋外でスポーツ・運動をしているとき」(38.2%)で、「屋外のイベント(フェスなど)に参加しているとき」(28.0%)、「スポーツ観戦をしているとき」(22.6%)、「屋外(公園、遊園地、プール・海など)で遊んでいるとき」(22.2%)、「屋内でスポーツ・運動をしているとき」(20.2%)と続いた。

熱中症を意識することがあると回答した人に、そのきっかけを聞くと、「昨年の夏が酷暑だった」(41.5%)と「熱中症に関するニュースを見た」(40.7%)が高かった。次いで「熱中症に関する注意を呼びかけられた」(25.8%)、「新しい生活様式での熱中症が話題になっていた」(23.7%)となっている。

7月1日から、環境省と気象庁では関東甲信地方の1都8県を対象に、暑さ指数(WBGT)を基準とした「熱中症警戒アラート(施行)」を先行実施し、来年の夏から全国で本格展開するとしている。このWBGTについて知っていたか聞いたところ、「知らなかった」は54.2%となったのに対し、「名前は聞いたことがあった」は33.6%、「どのような指標か知っていた」は12.2%で、認知率は45.8%だった。

  • 暑さ指数(WBGT)を知っていますか?

熱中症にならないために気にしている(注意を払っている)ものについて尋ねると、「屋内にいるとき」では「気温」(63.0%)が最も高く、次いで、「湿度」(41.1%)、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(37.4%)となった。

「屋外にいるとき」では、「気温」(65.3%)が最も高く、次いで、「日差し」(51.8%)、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(50.1%)となり、屋内・屋外ともに、気温に注意を払っている人が多いことがわかった。

どのような情報から熱中症の危険度(その日の熱中症のなりやすさ)を判断しているか尋ねたところ、「テレビの天気予報」(70.4%)が最も多く、次いで、「天気予報サイト(アプリ含む)」(22.4%)、「ポータルサイトの天気情報(アプリ含む)」(18.5%)、「新聞の天気予報」(11.4%)、「身の回りの計測器(温度計、温湿度計、熱中症計など)」(9.4%)となった。

  • どのような情報から熱中症の危険度(その日の熱中症のなりやすさ)を判断していますか

熱中症予防で、「新しい生活様式では"適宜マスクをはずすこと"が熱中症予防のポイントのひとつになっている」を知っているか効くと、「知っていた」は54.2%、「知らなかった」は45.8%だった。年代別にみると、「知らなかった」と回答した人の割合は若い年代ほど高くなる傾向がみられ、10代では58.4%、20代では59.6%となっている。

熱中症のなりやすさで、「暑さに慣れていないと熱中症になりやすい」を知っているか尋ねたところ、認知率は70.2%だった。「肥満だと熱中症になりやすい」の認知率は36.4%、「乳幼児は熱中症になりやすい」は50.4%、「高齢者は熱中症になりやすい」は73.4%だった。

自身が熱中症になったことがあるか聞くと、「ある」は23.2%、「ない」は76.8%だった。性年代別にみると、熱中症になったという自覚がある人の割合は、10代男性(36.1%)と20代女性(34.9%)が高くなっている。

暑さによって引き起こされたからだの不調を自覚したことがあるか聞いたところ、74.8%が「ある」と答えた。熱中症になったという自覚がある人は少数派だったが、多くの人が暑さで不調を感じていることがわかった。性年代別にみると、「ある」と回答した人の割合は男女とも10代が最も高く、10代男性は86.7%、10代女性は85.5%だった。

  • 暑さによって引き起こされたからだの不調を自覚したことがありますか

熱中症になったことがないと回答した人に、暑さによって引き起こされた不調で自覚したことがあるものを尋ねると、「めまい・立ちくらみ」(36.3%)が最も高く、次いで、「からだのだるさ」(27.6%)、「顔のほてり」(26.6%)、「喉の異常な渇き」(22.3%)、「頭痛」(15.6%)となり、熱中症の症状にあてはまる何らかの不調を自覚したことがある人が多いことがわかった。

「熱中症にならない」という自信があるか聞くと、79.1%が「ない」、20.9%が「ある」と答えた。

暑い時期に熱中症対策を行っているか尋ねたところ、「行っている」は69.5%、「行っていない」は30.5%という結果になった。どのような対策を実施しているか聞いたところ、「水分をこまめにとる」(79.1%)が最も高く、次いで、「扇風機・エアコンを使用」(54.5%)、「涼しい服装をこころがける」(54.0%)、「塩分補給をする」(38.3%)となった。

  • 熱中症対策として行っていること

熱中症になったときの対応・処置を知っているか聞いたところ、50.3%が「知らない」と答えた。年代別にみると、「知らない」と回答した人の割合は30代(57.1%)と40代(56.5%)が高くなっている。熱中症について(症状や対応・処置などを)学んだことがあるか聞くと、60.5%が「ない」と答えている。

夏になってもマスクの着用を続けようと思うか聞いたところ、75.0%が「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた。猛暑日でもマスクを着用しようと思うか聞くと、60.7%が「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えている。

  • 今年の夏のマスク着用について

屋外で十分な距離が確保できる場合もマスクを着用しようと思うか聞いたところ、56.8%が「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答。夏に外で運動(ウオーキング・ジョギングなど)をする際もマスクを着用しようと思うか聞いたところ、42.4%が「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた。

夏になっても極力自宅で過ごすようにしようと思うか聞いたところ、74.0%が「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した。屋内の換気について、夏にエアコンをつけていてもこまめに換気しようと思うか聞くと、70.8%が「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えている。

6月以降に在宅勤務をすることがある人に、自宅より職場のほうが快適な環境(温度や湿度など)だと思うか聞いたところ、61.8%が「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた。また、52.8%が「在宅勤務中は水分補給を忘れがちになっていると思う」と回答している。電気代の節約のためエアコンの利用を極力控えたいと思うか聞くと、54.3%が「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた。