東宝映画『ゴジラ対メガロ』(監督:福田純)に登場した電子ロボット・ジェットジャガーのフィギュアセット「怪獣番外地シリーズ ジェットジャガー パンチパンチパンチセット」(19,800円/税込)が、バンダイ公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」にて、限定受注販売される。2020年7月21日11時より予約受付がスタートする。

  • 2020年12月発送予定「怪獣番外地シリーズ ジェットジャガー パンチパンチパンチセット」(19,800円/税込)

セット内容は、新規造形(セキケンジ氏)によるジェットジャガー本体に加え、ジェットジャガー飛行形態、巨大化・縮小化時の発光を再現できるエフェクトパーツ、交換用腕となる。

ジェットジャガーが登場した『ゴジラ対メガロ』とは、1973年3月(春休み)に「東宝チャンピオンまつり」の1本として、『飛び出せ!青春』『パンダ・コパンダ 雨ふりサーカスの巻』と同時上映された特撮怪獣映画である。前年の1972年から1973年春にかけて、テレビ界では空前の「変身ブーム」が巻き起こり、特撮・アニメともに"変身"する正義のヒーローが活躍する作品が次々に送り出されていた。

「特撮」「怪獣」の老舗たる東宝特撮映画の世界においても変身ブームの影響が強く、怪獣の元祖というべき「ゴジラ」はこの時期、地球の平和を守るため宇宙からの侵略者を迎えうつ"ヒーロー"として描かれていた。それが1972年3月(春休み)公開の『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(監督:福田純)だった。『ゴジラ対メガロ』は前年からの「変身ブーム」がピークを迎えた1973年春の製作・公開であり、『対ガイガン』と同じく「悪い怪獣に挑む"ヒーロー"ゴジラ」というスタイルを踏襲している。

  • 『ゴジラ対メガロ』劇場パンフレット表紙(著者私物)

人類の無謀な核実験によって平和をおびやかされたシートピア海底王国は、地底深くに棲む守護神メガロを目覚めさせ、地上人を撃滅するべく攻撃を開始した。メガロの誘導役として海底王国が目をつけたのは、青年科学者・伊吹吾郎が開発した電子ロボット・ジェットジャガーである。完成したばかりのジェットジャガーは海底王国人に奪われ、メガロが日本の各都市を破壊していくが、突然ジェットジャガーに異変が起きた。頭脳部分に刺激を受けたことにより、人類を守らなければならないという「意志」が芽生えたジェットジャガーは、怪獣島に棲むゴジラに救援を依頼。ゴジラが日本へと駆けつける間、メガロと助っ人ガイガンをなんとか食い止めようとしたジェットジャガーは、またしても伊吹の想像を超えた奇跡を起こした。なんと、強烈な意思の力で50mに巨大化してしまったのだ。しかし2対1では分が悪く、メガロとガイガンに挟まれて大ピンチを迎えるジェットジャガー。そこに、われらのゴジラがさっそうと現れた。勝利をつかむのはゴジラ・ジェットジャガー組か、それともメガロ・ガイガン組か――!?

いくら強烈な意思を持ったからといって、金属製のロボットが等身大から50mに巨大化するのはあまりにも無茶すぎるとの反発もあって、一時期は真面目な怪獣ファン諸氏からあまり芳しい評価を得られていなかったジェットジャガー。しかし、その理屈を超えた"ヒーロー性"や苦み走った笑顔にも見える不敵なツラ構え、そして正義の味方・ゴジラを支えて悪い怪獣と戦うひたむきな姿勢が若い世代にはたまらない魅力に映り、ジェットジャガーの人気が近年になって急上昇している。特撮映画、特撮テレビ作品をディープに研究した雑誌『特撮秘宝』(洋泉社)では、VOL.1の表紙ビジュアルにジェットジャガーを選ぶほどの、熱い大プッシュが行われていたのだ。

  • 2015年発行『特撮秘宝』VOL.1表紙(著者私物)

また、「特撮秘宝」誌上では、漫画家・加藤礼次朗氏による連載コミック『マボロシ怪獣探偵団 ジェットジャガーの謎を追え!』(協力:友井健人)が掲載されており、『ゴジラ対メガロ』最大の謎「ジェットジャガー(とメガロ)をデザインしたのは誰か?」を追いかける加藤氏の調査と分析をドキュメントタッチで描いていた。だが残念なことに、連載を重ねてもなおジェットジャガーの謎は謎のまま深まる一方で、しかも発行元の洋泉社が解散したため『特撮秘宝』そのものが2018年のVOL.8をもって一時休止状態に陥ってしまった。

同じく元・洋泉社の人気雑誌『映画秘宝』は、双葉社からめでたく「復活」することができたのだが、『特撮秘宝』は大勢の特撮ファンからの熱い応援の声を聞きながらも、いまだ復活のメドが立っていない状態である。そんなとき、バンダイ・ベンダー事業部からの声かけがあり、『特撮秘宝』復活祈願として愛すべきキャラクター「ジェットジャガー」の商品化が決まったという。

ジェットジャガーのソフビフィギュア商品といえば、2007年にバンダイから発売されたムービーモンスターシリーズ・ジェットジャガーがプロポーション、塗装共に特撮ファンからの満足度の高いものとして人気を集めていたが、今回の「怪獣番外地シリーズ ジェットジャガー パンチパンチパンチセット」は、ムービーモンスターシリーズより一回り大きい全高200mmの完全新規造形となり、立ちポーズの本体(2種類の交換用腕が付属)に加えて両手を大きくVの字に広げた飛行形態(頭頂部からつま先までの全長が約210mm)、そして巨大化・縮小化の2シチュエーションになくてはならない胸部発光・エフェクトパーツのセットという、ジェットジャガーを愛する者なら感激のあまり巨大化してしまいかねないくらいサービス満点の商品になっているようだ。

  • 2007年発売・ムービーモンスターシリーズ「ジェットジャガー」(著者私物)

「怪獣番外地シリーズ ジェットジャガー パンチパンチパンチセット」は2020年7月21日11:00からプレミアムバンダイにて受注が開始される。ぜひ、子門真人氏の歌う『ゴジラ対メガロ』テーマソング「ゴジラとジェットジャガーでパンチ・パンチ・パンチ」を熱唱しつつ、予約ページをご覧いただきたいところだ。

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