洋食メニューの中でも人気の高い、グラタン。一から作るとなるとホワイトソースを作って、チーズをのせて、オーブンで焼く……とかなり手間がかかってしまう。グラタンが食べたいけれど自宅で料理をするのは面倒というとき、手軽に食べられる冷凍グラタンが便利だ。電子レンジで加熱するだけで本格的な味わいが楽しめる。

  • 今回食べ比べた3商品はこちら。マルハニチロ「こんがりと焼いたえびグラタン」(写真上)、ハインツ日本「チーズと海老のグラタン」(写真下左)、ニチレイ「蔵王えびグラタン」(写真下右)

今回は、3メーカーの冷凍えびグラタンを食べ比べてみた。メーカーそれぞれの個性が豊かなので、選ぶ際の参考にしてほしい。(※メーカー推奨の電子レンジ調理、価格は税込み、編集部調べ)

マルハニチロ「こんがりと焼いたえびグラタン」

  • マルハニチロ「こんがりと焼いたえびグラタン」(538円/200g×2個入り)

まずは、1990年の発売から約30年間の間に60回近い改良を重ねたというマルハニチロの「こんがりと焼いたえびグラタン」。レンジ加熱のみで食べられるのに、オーブンで焼いたようなこんがりとした焼き目が特徴とされている商品だ。

  • 商品名の通り、まるでオーブンで焼いたような焼き目が美しい

電子レンジから取り出すと、やはり全体のこんがりと焼いたような仕上がりが目を引いた。ホワイトソースはトロリと滑らかな舌触りで、具材のえびを食べる前でも、ホワイトソースからえびの風味、旨味をしっかり味わえた。焼き目の部分のチーズは香ばしく味のアクセントにもなっており、まるで洋食店のグラタンのような、えびの旨味が濃厚な一品だ。

パッケージには「オマール海老の旨味」とも書かれており、「ホワイトソースの味に深みを出すため、魚介系の濃厚な旨味にこだわっています」と同社開発部商品設計課 岩崎朝光さん。仕込みにオマール海老や魚介エキス、さらに具材にはバナメイ海老が使われているとのこと。

また「凍結する前、しっかりとオーブンで焼き色をつけることで、香ばしさを演出し、電子レンジ加熱時にチーズの風味を感じられるようにしました」(岩崎さん)とのことで、手軽な電子レンジ加熱だけで焼き目のあるグラタンが食べられるのはうれしいポイントだ。

マルハニチロ「こんがりと焼いたえびグラタン」のポイント


・電子レンジ加熱だけでこんがり焼いた仕上がり
・オマール海老や魚介の旨味たっぷり
・チーズがほどよいアクセントで洋食店のような味わい

ハインツ日本「チーズとえびのグラタン」

  • ハインツ日本「チーズと海老のグラタン」(320円前後/200g×2個入り)

続いては、ハインツ日本から2019年3月に発売された「チーズと海老のグラタン」。有名な「Kraft(クラフト)」ブランドのチーズを使っており、チーズが好きな人ならぜひ試したくなる商品だ。

  • 加熱後はチーズがトロリと溶けてキツネ色に。香ばしさも◎

食べてみると、Kraftブランドのパルメザンチーズにゴーダチーズを組み合わせているというグラタン表面は、チーズのコクがたっぷり。舌触りが柔らかく滑らかなホワイトソースからもチーズの風味が感じられ、まさにチーズを味わうグラタン。また、他の2社はマカロニだが、同商品ではペンネが使われており、歯ごたえがもっちりとしていて食べ応えがあるのも特徴だ。

「Kraftのパルメザンチーズのほか、ゴーダチーズ、エグモントチーズを贅沢に使用しており、チーズのおいしさを存分に味わえるグラタンです」と説明するのは同社マーケティング&カテゴリー本部シニアブランドマネジャーの花澤和巳さん。

「主婦をメインターゲットに、昼食の1品として食べていただくことを想定している」(花澤さん)とのことだが、チーズの存在感があるグラタンなので、バゲットと一緒に食べたり、赤ワインと合わせたりして楽しむのもいいかもしれない。

ハインツ日本「チーズとえびのグラタン」のポイント


・Kraftのパルメザンチーズを贅沢に使用
・ソースメーカーならではの滑らかなホワイトソース
・ペンネがもっちりとして食べ応えも十分

ニチレイ「蔵王えびグラタン」

  • ニチレイ「蔵王えびグラタン」(360円前後/210g×2個入り)

最後に紹介するのは、2007年の発売以来人気商品となっているニチレイの「蔵王えびグラタン」。蔵王というと、宮城県白石市にある同社工場からほど近く、酪農がさかんな地。観光名所としても知られる「蔵王酪農センター」から毎日直送される生乳を使用しており、ミルク感にこだわっている商品だ。

  • 表面にはえびとともに、細かくカットされたチーズがたっぷり

一口食べると、牛乳のコクの濃さに驚いた。ホワイトソースとしては少し固めの舌触りで、牛乳のコク、甘味がたっぷり。グラタン表面には細かくカットされたチーズがふんだんにトッピングされており、ホワイトソースと合わせるとミルク感がより感じられ、まるでミルクの塊を食べているよう。冷凍食品というより、丁寧にホワイトソースを手作りした家庭のグラタンのような味わいだ。マカロニやエビが食感のアクセントになっている。

「毎日蔵王酪農センターから直送される鮮度の高い牛乳を使い、直火釜でルゥを作っています。熱のかけ方、水分の飛ばし方、粗熱の取り方にこだわり、じっくり時間をかけて丁寧に仕上げています」(同社広報グループ 中澤佐穂さん)という自信作。また、チーズも「チーズコンテストで金賞を受賞した蔵王酪農センターのモッツアレラチーズをベースに、ゴーダ・チェダー・パルメザンチーズをブレンドし、風味を高めている」(中澤さん)という。

素材にとことんこだわっている商品。ミルク感が濃厚なので贅沢な味わいで満足感が高く、ランチやディナーの一品としても活躍しそうだ。

ニチレイ「蔵王えびグラタン」のポイント


・蔵王酪農センター直送のこだわりの牛乳を使用
・丁寧に作られた濃厚なホワイトソース
・チーズ4種がブレンドされ、風味豊か

ロングセラーも新しい商品もある冷凍えびグラタンは、比較してみるとそれぞれ全く違うこだわりがあるので、その日の気分で選ぶのも楽しそうだ。まだまだ家で食事をすることが多い中、グラタンが無性に食べたくなったら冷凍食品を活用してみては。