『ウルトラマン80』以来中断していたウルトラマンの「テレビシリーズ」を、装いも新たに"復活"させた『ウルトラマンティガ』(1996年)は、やがて「平成ウルトラマンシリーズ」と呼ばれる新しい流れを生み出し、新世代のファン層を開拓した。

1997年の「ウルトラマンフェスティバル97」では、ウルトラマンティガを全面にフィーチャーしたイベント展開となった。続く1998年には『ウルトラマンダイナ』、1999年には『ウルトラマンガイア』と、毎年放送される「新作」ウルトラマンを打ち出しながらも、歴代ウルトラヒーローたちの勇姿やウルトラ怪獣の展示、そして見ごたえあるアクションと考えさせられるストーリーで贈る「ウルトラライブステージ」などが充実し、子どもたちの夏休み人気イベントとして欠かせないものになっていった。

  • 「ウルトラマンフェスティバル98」より。家族の思い出となる「フォトスポット」の充実も、ウルフェスのポイントのひとつ。第8回となる「ウルフェス98」ではウルトラマンの両手に乗った状態で記念写真を撮ることができる。イベントスタッフが『ウルトラマンダイナ』のスーパーGUTS隊員のコスチュームを身に着けているのにも注目である

  • 「ウルフェス98」より。1995年ごろから雑誌展開とアトラクションショーで活躍を始めた『ウルトラマンネオス』より、ウルトラセブン21(左)とウルトラマンネオス。中央にいるのは怪獣ドレンゲラン。『ネオス』は2000年にVAPからオリジナル・ビデオシリーズとして全13話のエピソードが製作された

  • 「ウルフェス98」より。岩石怪獣ガクマ(β)と戦うウルトラマンティガ(パワータイプ)

  • 「ウルフェス98」より。「ウルフェス98」より。『ウルトラマンダイナ』よりウルトラマンダイナ(フラッシュタイプ)とラセスタ星人

  • 「ウルフェス98」より。イベント終了後の1998年9月5日から放送される『ウルトラマンガイア』の先行発表も行われ、子どもたちの熱い目線が新ヒーローにそそがれた

当初の「ウルトラマンフェスティバル」は、ウルトラヒーローや怪獣の立像や、歴代ウルトラマンシリーズの小道具・スーツなどの「展示」をメインにしていたが、回を重ねるごとに「ウルトラライブステージ」や「プレイゾーン」など、子どもたちがウルトラマンの世界に入り込んで楽しめる展開にウエイトを置くようになった。

1994年の第5回から2000年の第10回までは東京ドームシティ・プリズムホールでの開催だったが、新世紀を迎えた2001年より久々にサンシャインシティとなり、現在の「ウルフェス」に至るスタイルが確立している。

近年の「ウルトラマンフェスティバル」では、ウルトラマンシリーズの新世代『ウルトラマンギンガ』(2013年)から最新作『ウルトラマンZ』(2020年)が大好きな子どもたちを中心に、特撮ヒーローを愛する男性・女性ファン、そしてお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん世代まで、幅広い層が楽しめるイベントがいくつも企画され、いずれも大好評で迎えられている。それだけに今年の開催中止は残念というほかないが、今後の「ウルフェス」の未来を見すえつつ、今はこれまでの「ウルフェス」で体験した素敵な思い出をふりかえり、大勢のファンのみなさん同士で語り合ってみたいところだ。

  • サンシャインシティ1Fにそびえたつウルトラマンティガの巨大立像。近年のウルフェスでは初代ウルトラマンの像が立ち、こちらも絶好の記念撮影スポットとなっている

  • 「ウルトラマンフェスティバル95」(第6回)パンフレット(著者私物)

  • 「ウルトラライブステージ」ビデオソフトジャケット(著者私物)第6回のライブステージのもようをビデオ化したもので、「ウルフェス」の映像商品としては初となる

  • 「ウルトラマンフェスティバル97」(第7回)パンフレット(著者私物)映画公開された『ウルトラマンゼアス』と、久々の国産テレビシリーズ『ウルトラマンティガ』の2大ヒーローをフィーチャー

  • 「ウルトラマンフェスティバル2007」(第17回)パンフレット(著者私物)誕生40周年を迎えた『ウルトラセブン』を大特集し、『セブン』の世界観をイベント会場に再現した

  • 「ウルトラマンフェスティバル2009」(第19回)パンフレット(著者私物)歴代ウルトラマンシリーズに登場した「ロボット」に特化して、メカニックの魅力を大アピールした

  • 「ウルトラマンフェスティバル2010」(第20回)パンフレット(著者私物)ウルフェス20回を記念し、パンフレットには歴代ウルフェスのキービジュアル集やスタッフインタビューを掲載している

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