第1回の好評を受け、翌1990年には同じサンシャインシティで「ウルトラマンフェスティバル90」が開催された。ここでは、ビデオシリーズ「第1巻」が同年9月25日に発売することが決定していた新ウルトラヒーロー『ウルトラマンG(グレート)』を猛プッシュ。登場怪獣の撮影用スーツ、小道具の展示はもちろん、最新のプロモーション映像が会場内の大型ディスプレイで流され、来場客の興味を集めた。
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第2回「ウルトラマンフェスティバル」チラシ表(著者私物) まだ新ヒーロー(ウルトラマンG)の姿や名前は明かされておらず、会場入り口の巨大モニターでウルトラマンGの映像が初めて披露され、子どもたちの目をクギ付けにした
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第2回チラシ裏面。ウルトラマンや怪獣の立像展示、アクションショー、プレイコーナー、資料展示など、基本的な要素は昔も今も変わっていない。第2回は『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』を中心とした初期作品の貴重な小道具展示に力が入れられていた
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ウルトラマンGと風魔神デガンジャの対決ジオラマ。すでに『ウルトラマンG』はオーストラリアでの撮影や編集作業を終え、ビデオソフト発売を待つばかりの状態。会場では全13話に登場する怪獣の撮影用スーツや小道具が展示され、特撮ファンを喜ばせた
第1回でも注目を集めた俳優・京本政樹氏の特設コーナー。京本氏は『ウルトラマンG』で主人公ジャックの日本語吹替えや主題歌の歌唱を務めるなど大活躍。ヒーローや怪獣の造型にこだわる京本氏が独自に製作したというウルトラマンGのスーツや、木下隆志氏の手による初代「ウルトラマン(Cタイプ)」などが目をひいた
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『ウルトラQ』第1話「ゴメスを倒せ!」に登場したゴメスの頭のツノや、第2話「五郎とゴロー」でゴローが飲んでいたミルク缶ミニチュア、そして第21話「宇宙指令M774」の怪獣ボスタングなど。すべて撮影に使われた実物である
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第2回「ウルフェス」のライブショー会場。第1回にもあった巨大なウルトラマンの頭部に加えて、第2回では同じサイズのバルタン星人頭部も登場。このころのショーには凝ったストーリーがなく、ウルトラマンと怪獣(撮影時はダダやカーリー星人がいた)が迫力のバトルを繰り広げていた
翌年の「ウルトラマンフェスティバル91」では、前年に熊本県の三井グリーンランドでお披露目された(株)ココロ製作の「動刻」と呼ばれる超リアル再現の怪獣たちによる「動く怪獣ワールド」がイベントの大きな目玉となった。歩き回ることこそできないが、まるで実際に生きているかのような生々しくもワイルドな動きをするウルトラ怪獣の迫力に、あちこちで幼い子どもが泣き出す事態が起きた。
あのころの子どもたちの中には、ウルトラ怪獣から受けた強い影響によって、大人に成長してからも「怪獣を愛する気持ち」をずっと忘れずにいる人や、今を生きる子どもたちに怪獣の魅力を伝える"送り手"側になった人もいるという。
「ウルフェス91」より。『ウルトラセブン』の宇宙怪獣エレキング。頭のアンテナを回転させながら、上半身を震わせて鳴き声を発する。2019年に東京ドームシティにて開催された「空想科学かいじゅうのすみか 体感エンターテイメント」でも活躍した
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『ウルトラマン』のどくろ怪獣レッドキング。巨大な腕を動かしながら、いかにも凶暴そうに牙をむき出して叫び声をあげる迫力のパフォーマンスが最高。このレッドキングも2019年の「空想科学かいじゅうのすみか 体感エンターーテイメント」で色あせない魅力をふりまいた
1992年には催されなかった「ウルトラマンフェスティバル」だが、円谷プロ創立30周年記念となる1993年にサンシャインシティでふたたび開催されることになった。そして、翌1994年の第5回からは東京ドーム・プリズムホールに会場を移し、新ヒーロー・ウルトラマンパワード(1993年)、ウルトラマンネオスとウルトラセブン21(1995年)を中心としたイベントが組まれた。
この時期から「ウルトラライブステージ」が本格的なストーリー仕立てとなり、ショーの模様がビデオ販売されるようになった。東京だけでなく、大阪をはじめとする各地でもひんぱんにウルトラマンフェスティバルと同系列のイベントが開催されたのも、特筆すべき事項である。