子どもから大人まで幅広い世代を楽しませてきた夏の人気イベント「ウルトラマンフェスティバル」だが、今年(2020年)は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、残念ながらイベント開催が中止となってしまった。
しかし「ウルフェス」を毎年楽しみにしているファンに向けて、オンラインで特別企画を期間限定にて行うことが、円谷プロダクションより7月1日に発表された。
オンライン企画は「ウルトラマンフェスティバルONLINE」と銘打たれ、「今年の夏はみんなでつながる」をテーマに掲げている。これまでに催された「ウルトラライブステージ」の無料配信や、思い出の写真などを募集するファン参加型企画、Twitter上で行われる様々なハッシュタグ企画など、オンラインならではのさまざまなイベントを実施する。
ここでは、1989年の第1回以来、約1年に1度のペースで開催されてきた「ウルトラマンフェスティバル」の"歴史"をたどりながら、イベント時のもようを撮影したいくつかのスナップ写真をご紹介してみよう。「ウルトラマンフェスティバルONLINE」では「思い出のウルフェス」と題して、これまでの「ウルフェス」でファンの方々が撮影した思い出の写真や、「ウルフェス」にまつわるエピソードなどを公式サイトで募集している。今回の記事がみなさんの「ウルフェス」への思い出を呼び起こすきっかけになれば幸いである。
第1回ウルトラマンフェスティバルの正式名称は「バンダイSUMMER SPECIAL ウルトラマンフェスティバル」といい、主催・TBS、協賛・バンダイ、協力・サンシャインシティ、講談社、小学館ほか、製作協力・円谷プロダクションといった布陣。池袋サンシャインシティ文化会館4階にて、1989年7月27日~8月31日の期間で開催された。
1989年当時、ウルトラマンシリーズの新作は作られていなかったものの、80年代中盤から活況を見せてきた「レンタルビデオ」ブームに乗る形で、大人に成長したユーザーがかつて子どものころに観たヒーローであるウルトラマンを、ビデオソフトでレンタル、あるいは購入して楽しむ時代に突入していた。一方子どもたちも"ビデオで見られるヒーロー"としてウルトラマンおよびウルトラマンシリーズの魅力を敏感に感じ取っており、「ウルトラマン」は親子二世代が家庭で楽しむ「不滅のキャラクターコンテンツ」に成長した。
同じころ、テレビ東京系で月曜から金曜までの平日夕方の5分番組として、歴代ウルトラマンシリーズから怪獣や宇宙人たちとウルトラヒーローとの格闘場面を中心に再編集した『ウルトラ怪獣大百科』(1988~1989年)が好評を博し、シリーズ化(『ウルトラ怪獣大図鑑』『ウルトラマンM715』など)に発展していった。
最初の「ウルトラマンフェスティバル」では、後の「ウルトラライブステージ」にあたるステージショーにはあまり重きを置かれておらず、展示物がメインだった。数メートルもあるゴモラの頭部や、人気ウルトラ怪獣たちの立像展示などに加え、当時大好評を博したTBSドラマ『ウルトラマンをつくった男たち 星の林に月の舟』で使用されたウルトラマンや怪獣のスーツ、およびビル街のミニチュアセットなどが置かれ、来場した親子連れを楽しませた。
そして最大の目玉といえるのが、竹内博氏、西村祐次氏の協力によってそろえられた、『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』を中心とした当時のプロップ(小道具)、衣装、関連商品などの展示である。芸能界で大のウルトラマンファンを自認していた俳優の京本政樹氏が製作に協力した超精密・復元プロップ、衣装で構成されたコーナーもあり、特別製のヒューマンサイズ・初代ウルトラマン(Cタイプ)の展示が特撮ファンの注目を集めた。