――お2人は『コウノドリ』以来2年半ぶりの共演ですが、本作でのお互いの演技をどのように感じていますか?

綾野:まず、もう2年半も経っているんだなっていうことに驚いています。

星野:あまりそういう感じしないもんね。

綾野:連絡を取り合っていたという一言では終われない感覚というか、命を扱う『コウノドリ』という作品でともに戦ってきた戦友であるという感覚が強いというのもありますが、今回源ちゃんの新しい魅力を、役者だけでなく音楽だとかいろんなエンターテインメントに関わってインプットしてきたものを、新しいドラマにアウトプットできる臨機応変さは本当に学ぶことが多いです。真摯にお互い向き合いながら成熟している部分と未熟な部分をお互いで埋め合うときもあれば、あえて見せつけたときにそっと寄り添い合える。僕にとってこのドラマでは必要不可欠な人だし、とても感謝しています。

星野:『コウノドリ』のときは僕はほとんどしゃべらない役でしたし、今回は2人とも全然違う役で、単純に会話の芝居がたくさんできるっていうのはすごく楽しいし、ここまで振り幅が違うところに2人で行っているのは、見てくださる方々もきっと楽しんでもらえるんじゃないか、この違いを含めて早く届けたいという思いがすごくあります。4機捜の面々は笑っちゃうくらい凸凹で、みんなバラバラ(笑)。かぶっている人が1人もいないというか、みんな各方面行ききっているような人なので、見ていて面白いと思いますし、演じていてとにかくすごく楽しいです。

――プライベートで印象に残っているお2人のエピソードがありましたら教えてください。

綾野:ふとした瞬間に連絡をとるんですよね。なんでもない電話を源ちゃんにして、「今日こういうことあって」「最近何してたの?」って話をするような仲で、なんとなく互いに機微をキャッチできるということが、僕たちの柱になっている気がしています。共演者というところからスタートした関係だからこそ、源ちゃんが喜んでいたら一緒に分かち合いたいと思うし、源ちゃんが苦しんでいたら盾にも剣にもなりたいと思う。しょっちゅうご飯にいくから仲がいいとか、そういう次元ではないです。

星野:いわゆる一緒にご飯に行ったり飲みに行ったりはほとんどしないんですけど、僕のインスタにめちゃくちゃ「いいね」してくれるんですよ。そんなに? っていうくらいいち早く「いいね」してくれて。また、僕が何かを発表したときに直接LINEで感想をくれたりするんです。自分がやっている仕事に対してリスペクトしてくれているんだなってすごく感じますし、僕も彼の仕事ぶりはいつも見ていますから、飲みに行こうぜっていうのとはまた違う種類のつながりがあると思います。

――第1話で初お披露目される米津玄師さん書き下ろしの主題歌「感電」も注目されていますが、お2人は楽曲を聴いていかがでしたか?

星野:歌詞も含めて、ものすごく『MIU404』の世界観を意識しているというか、このドラマでかかることをすごく意識して作られた曲だなって思いました。主演の2人、そして物語をすごく含めた歌詞だったり音の世界観だったりするので。僕は、ドラマや映画の主題歌を作るときは、ただタイアップにならないように、ちゃんとその作品の世界観の中で響いたときに、よりその物語や自分の音楽が広がるようなものにしたいと思っているので、それを米津くんもやられていて、ドラマに出ている側としてすごくうれしかったし、音楽家としてもすごくうれしかったです。だから早く聴いてほしいし、物語の中でかかるタイミングを塚原さんがものすごく考えて音楽をかけるので、それを体験していただきたいです。

綾野:最初に聴いたとき、伊吹と志摩が動いていることをここまで想像してくれる主題歌ってもうこれ以上存在しない。彼は俗に言う天才ですが、たぶんその感覚すらない。1話と2話の台本を読んだって連絡が来たときに、「めちゃくちゃ面白かった。最高の曲を頑張って書くよ」って言ってくれたんですけど、志摩と伊吹が動いている風にしか思えない。映像の中で流れて完成している。しょっちゅう聴いていますが、しびれます。米津玄師という音楽家が作る傑作だと思っています。めっちゃいいですよ。それだけを楽しみにドラマ見てもらったっていいんですよ。そのときにはドラマの良さも伝わっていくと思うので。

――最後に楽しみにしている視聴者にメッセージをお願いします。

星野:本当に楽しんで僕らは作っていて、いわゆるコメディのような要素もあるし、でもものすごくシリアスな社会問題も含んでいるし、いろんな要素が混ざっていて、かつ2人のバディの面白さ、そういうもので物語を引っ張りつつ、こんな物語の運び方があるのかと驚くようなアイデアが毎回詰め込まれているドラマだと思うので、1回目から最低でも3回目までは見てほしい。3話目まで見たときにもっと深まるのかっていうのが体験できると思うので、ぜひ見ていただきたいです。

綾野:「たまに重なり合うような僕ら~」(星野源の「うちで踊ろう」)いい歌ですよね! 視聴者の方には、みんな待たせてごめんね、待っててくれてありがとう、愛ですね。