テレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2020』(毎週日曜4:30~)では、強度行動障害の男性と家族を取材した『強度行動障害 ~わが子を手放す日~』(ABCテレビ制作)を、7月5日に放送する。

  • 和田智泰さん(左)と父の進さん

滋賀県守山市に住む和田智泰さん(取材開始時17歳、現在20歳)は、重度の知的障害と強度行動障害がある。強度行動障害とは、自閉症の人に表れる後天性の障害だ。物を叩いたり、自分自身を傷つけたり、激しい行動が表れる。日本には約8,000人ほどいると推測されているが、詳細な調査は行われていない。

智泰さんは、食事、入浴、排泄、着替えなど、生活のすべてに介助が必要で、父親の進さん(取材開始時58歳、現在60歳)と母親の泰代さん(取材開始時50歳、現在52歳)が、つきっきりで支えてきた。

特に大変なのは夜。智泰さんは、自宅の中で声を上げたり飛び跳ねたりするため、週末の3日間は、夜のドライブに連れて行く。あてのない夜のドライブを4時間続けるのだ。

進さんは、智泰さんの介護を優先するため、今から5年前に会社を辞めた。その後、新聞配達と、融通のききやすい非正規の仕事を掛け持ちしながら、家族を支えている。しかし、夫婦ともに年々歳をとり、息子を支え続けることが限界になってきた。

和田さん夫婦は、智泰さんが養護学校高等部に在籍している頃から、息子が暮らすための障害者の施設を探してきた。しかし、県内の施設は全て満床。京都府、奈良県、石川県、岡山県など、他府県に足を伸ばして施設を探すが、まったく見つからない。

障害者の施設は、全国的に不足しており、特に重い知的障害の人を受け入れる施設が足りないという。そんな中、あるグループホームが受け入れてくれた。

強度行動障害の男性と家族を継続取材し、障害の様子と、支える家族の姿、支援が乏しい現実や、グループホームに入るまでの経緯と、親子の今を追っていく。

  • 母・泰代さん(左)と智泰さん