お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳がボーカルのhaderuとして率いるヴィジュアル系ロックバンド・jealkbが19日、東京・代官山SPACE ODDで有観客のワンマンライブ「social薔薇ノdistance」を開催。終了後に会見を行い、ライブの感想などを語った。

  • jealkbのボーカル・haderu(田村淳)

jealkbは、今月12日に東京都の休業要請等の緩和措置がスタップ3に移行したことを受け、有観客ライブ開催を決定。新型コロナウイルス対策で、300人のキャパシティの会場に観客は25人。全員マスクを着用し、入場時には検温、アルコール消毒を行った。そして、ソーシャルディスタンスを保って配置された椅子に座って鑑賞。ステージと客席の間にはビニールシートが設置され、メンバーもボーカルのhaderu以外はマスクやフェイスシールドを着用した。

また、観客の声出しはNGで、手ぶりや足踏み、ペンライト、鈴などを使っての鑑賞に。最初はどうしていいかわからない様子だったが、「鈴鳴らして」「足も使って」といったhaderuの呼びかけに応えながら、新しい表現を楽しむファンたち。haderuは「だんだんうまくなってきてる。新しいライブ様式に慣れてきているんだね。順応能力にすごく驚いています」と感激し、「ここからきっと新しいライブ様式が始まると思います。みんなが種を植えてくれました。本当にありがとう!」と感謝の思いを伝えた。

会見でhaderuは「きっとリモートで離れたところでライブって技術的にはできると思いますけど、実際に目の前に人がいてライブをやることでの僕たちの感情の起伏とか、お客さんの熱量とか、ライブハウスじゃないと感じ取れない。思い切ってやってよかったなと、楽屋に入ってメンバーとすぐに話しました」とうれしそうに感想をコメント。

観客の反応について「距離を保ったライブハウスでの楽しみ方が初めてだったと思うので、きっと困惑するだろうなと思っていたんですけど、想像以上に困惑していて、僕たちも含めて1から新しいことへのトライなんだと。失敗してもいいからみんなでやってみようという感覚になれた」と話し、ビニールシートを触りながら「シワにならないシートを開発したところはライブ業界からは重宝されるんじゃないかなと思いました」と語った。

今後のライブイベントは未定とのこと。「全国ツアーを本当ならやっている最中なんですけど、今のところ全部キャンセルになっていて、夏のフェスにお呼ばれしていたところがいくつかあったんですけどそこも中止になっている。ここからどういう活動ができるかわからない」とした上で、「今日のを受けてバンドのメンバーと話をして、もっとこういう場所でこういう風にしたらライブできるんじゃないかと、模索しながらやっていきたい」と伝えた。

緊急事態宣言は解除されたが、多くの人が不安を抱えている日々が続いている。haderuは「コロナのリスクはゼロにはならないと思っている。不安な人は無理して出ることもないし、ただ、活動したかったのに要請に応えないといけない状況は解除されているので、きちんと感染対策をとって、今までと違うんだという気持ちを持てばそれぞれの生活が始まることはなんの問題もないと思う」とメッセージ。「みんな生活があると思う。特にライブハウスはずっと家賃だけかかって、しかもここで働いている人もいる。新しいライブ活動が生まれればいいなと思います」と願った。

haderuは、今月12日に第2子となる次女が誕生したばかり。「子供が生まれたばっかりなんですけど、2週間は子供に会わないと決めてこのライブに臨みました。2週間リスクがあるので、生まれたばっかりの子供にもしかしたらって。ありがたいことに奥さんの実家で支えてもらっています」と明かし、「昨日最後会って。寂しいですけど仕方ないです」と2週間後の再会を楽しみに待つ。