汗ばむ季節に気になり始める「体臭」。まだまだ加齢臭とは縁遠い20代でも、汗やタバコが原因のニオイは決して他人ごとでない。

ある調査によると、全体の約9割が「他人のニオイが気になったことがある」と回答。多くの人が生活の中で"体臭ストレス"を感じていることがわかる。他方、「相手に体臭を指摘したことがある」と答えたのは約5割に留まった。センシティブな問題だけに、なかなか指摘しづらいのが本音だろう。

「人の振り見て我が振り直せ」と言うが、職場でのストレス源とならないためにも、改めて自分の体臭について考えてみよう。

気になる自分の体臭トップ3は……

ニオイ問題をクリアにしたいなら、まずは発生源を突き止めなければならない。

2020年5月、株式会社サプリポートは株式会社スタルジーと共同し、全国の男女400人を対象に「他人や自分の体臭問題」に関するアンケート調査を行った。前述のとおり、他人の体臭に関しては約9割が「気になった経験がある」と答えたが、果たして自らのニオイについてはどう考えるのか。

「気にしている」「やや気にしている」と回答した男性は約8割、女性は約9割に及び、自分の体臭に関する意識は性別でほぼ差がなかった。一方で、「やや気にしている」という意見が多かったのは、ニオイが目に見えないものゆえ、事態を深刻に捉えづらいからかもしれない。

ニオイが気になる箇所についても男女で違いはなかった。人数差はあるものの、「脇」(男性:106名、女性:130名)、「口」(男性:89名、女性:113名)、「足」(男性:80名、女性:69名)が上位に浮上した。

「脇」「口」「足」のニオイには特に注意が必要で、逆に言えば、この3箇所が臭っているかどうか正しくジャッジできれば、ニオイ問題解決の糸口が掴めそうだ。

タバコで口臭も悪化! 体臭別セルフチェック法

では、自分のニオイはどう確認するのが正解か。よく言われているのが、人は自分自身の体臭に慣れてしまっているため、なかなか自覚しづらいということ。反対に、場合によっては必要以上に気にしすぎてしまうこともあるという。

そもそも他人から指摘されにくい問題だからこそ、正しいセルフチェックの方法を知ることが重要だ。気になる体臭の上位を占めた「脇」「口」「足」のニオイのチェック方法を見ていこう。

(1)「脇」のニオイ

トップに挙がった「脇」は、汗によるニオイがとても発生しやすい箇所。だからこそこれからの時季、特に注意が必要だ。夏も外回りなどでジャケットが手放せないビジネスパーソンもこまめにチェックして欲しい。

脇のニオイは直接触れるものからチェックできる。脇の下にサランラップを挟んでから3分後、もしくはティッシュを脇に密着させて1時間後にニオイを嗅ぐことでよくわかる。脇汗を拭いたティッシュやタオルなどで確認するのもオススメだ。

そして、「耳垢が湿っている」「わき毛が濃い」「洋服の脇が黄ばんでいる」「わき毛に白い粉がつく」「わき汗の量が多い」「親類にワキガの人がいる」などに当てはまる人は、ワキガ体質によるニオイの可能性も。この場合には、一度専門医の受診を検討してみてもいいかもしれない。

(2)「口」のニオイ

会話の機会が多いビジネスパーソンにとって「口臭」は御法度。取引先との打ち合わせで不快なニオイを発すれば、いくら巧みな営業トークを繰り広げようとも、相手からすればそれどころではないだろう。

口臭の原因は大きく分けて2つあると言われている。1つ目は虫歯や歯周病など口内に問題があったり、胃の不調など病気が潜んでいる場合。2つ目はタバコやニオイの強い食べ物が原因で臭う場合である。

前者は言わずもがな、しかるべき医療機関で治療を受ければ改善が期待できるだろう。むしろ、日頃からビジネスパーソンが注意しておくべきは後者の方だ。タバコや食べ物によるニオイは意識次第で予防できるため、それを怠ると社会人としてのマナーが問われかねない。特にタバコはニオイが長時間残りやすいため、取引先に出向く前には控えるなどの習慣をつける必要がありそうだ。

口臭のセルフチェックは、ビニール袋やコップなどに息を吹きかけてニオイを嗅ぐ方法が一番簡単だが、歯間ブラシでとった歯垢のニオイで確認することもできる。

舌の色から判断することも可能だ。健康な人の舌はピンク色なのに対し、口臭の原因である「舌苔」という汚れが舌に溜まると白く見える。また、マスク生活が常識の今であれば、マスクの中に籠もった息が臭ったら、すなわち口臭が発生していると考えていいだろう。

(3)「足」のニオイ

「足」のニオイの多くは、蒸れによる雑菌の繁殖が原因だという。汗ばむ季節に蒸れやすい革靴を履けば、ニオイが発生することは当然予見できる。セルフチェックの方法も非常にシンプル。脱いだ靴下や靴のニオイを嗅げば一発で判断がつく。

雑菌は湿った環境を好む傾向にあるため、蒸れ防止が足のニオイ予防につながる。外回りから帰社したらサンダルに履き替えるようにしたり、履いた後の靴は日干しで乾燥させるなど、こまめにケアすれば改善できる。通気性に優れた靴下や消臭機能付きのインソールを試すもいいだろう。また、雑菌を繁殖させないように、入浴時に足の指や爪の間などすみずみまで洗い清潔に保つことも心掛けておくべきだ。

誰にも指摘されないからといって臭ってないわけでない。「裸の王様」とならないためにも、ニオイの発生源を突き止めて重点的にセルフケアしよう。

【株式会社サプリポートと株式会社スタルジーの調査概要】
調査期間:2020年5月
調査対象:全国の男女400名(男性200名、女性200名)
調査方法:インターネット調査