日本でも急速に広まりつつあるテレワーク 。くつろぐための自宅がオフィスになるということで、とまどっている人も少なくないはずだ。なかでも1Kやワンルームが多い1人暮らしは、部屋の狭さが最大のネック。そこで、限られた空間で快適にテレワークするためのコツを、インテリアコーディネーター&整理収納アドバイザーの中西八枝佳さんに聞いてみた。

【Step01】「見られてもいい場所」を探し出す

テレワークをするにあたり、1人暮らしの人がまず悩むのが「部屋のどこで仕事をするか」。社会人の場合、長時間机に向かうためのスペースもアイテムも用意していない人もいるだろう。「うちの会社はテレワークが始まっていない」という人も、今後はテレワークが当たり前になることを考えて、仕事ができる場所を確保しておきたい。部屋の中にワークスペースを作るコツは、他人に見られてもいい場所を見つけることだ。

「テレワークでは、オンライン会議や打ち合わせが必須。上司やクライアントに室内を見られること前提で、ワークスペースを作っておいた方が安心です。バーチャル背景という手もありますが、Zoomの場合、端末のスペックや実際の背景の散らかり具合によっては使えません。ものが少ない壁や窓際など、他人に見られてもいい場所を探し、そこを背景に使えるようにワークスペースを確保しましょう」

おすすめの場所としては、例えば、ベッド周辺。ベッドは壁や窓に寄せて配置されていることが多く、上にもあまり物がない。壁に服やカバンがかかっていても、映る時だけ外したり、端に寄せればいいだけだから、意外に簡単に「見られてもいい場所」を作れるだろう。

  • 見られてもいい場所を用意しやすいのはベッドまわり

【Step02】片付けられない場所は布で目隠し

基本的に、自分の部屋は自分の城。プライベートを楽しく過ごすために色々揃えてきたわけだから、「他人に見せられる場所なんてない」「断捨離なんてもってのほか」という人も当然いるだろう。それでも「見られてもいい場所」を作ろうと思ったら、最初に思いつくのは新しい収納家具の導入だ。しかし、さらに部屋が狭くなる可能性がある上に、懐具合の問題もある。できれば、よりリーズナブル&シンプルに解決したい。

「ものが多いけれど片付ける場所もないという人は、統一感のある配置を心がけます。同系色でまとめて、一度に見える色の数を減らすだけでも印象は変わるはず。本棚ならカバーの色を揃えたり、高さを揃えたりすると、スッキリ見えます。もっと簡単なのが、上から布で覆ってしまうこと。わざわざ布を用意しなくても、スカーフ、ストールなど、手持ちのもので十分です。隠したいスペースが広い場合にはシーツを使ってもいいと思います」

この時も、できれば単色など色数の少ない布を使用した方がベター。また、最近は100円ショップでもフリークロスや突っ張り棒等が手に入る。スペースによっては簡易カーテンを作ったり、複数の場所を同じ布で覆って部屋にまとまり感を出したりするのも面白そうだ。

  • 色や形を合わせるだけでも片付いている印象に

【Step03】光を味方につけて好感度アップ!

「見られてもいい場所が決まったら、次はそこを背景に顔の映りがいい場所を探しましょう」と、中西さん。現実のコミュニケーションでも、人は相手の言葉だけでなく、表情からも多くの情報を読み取っている。場の空気が伝わりにくいオンラインの場合は、より印象良く見えることが大切だ。

「望ましいのは、顔の正面に自然光が当たる位置です。ただ、光の当たり具合は時間帯や天候などによって変わりますから、スタンドライトで調整するといいでしょう。突然打ち合わせや会議が入っても慌てないように、ライトや端末の位置をあらかじめ決めておくと便利です」

使用する机にマスキングテープなどで印をつけておけば、時間をかけずにセッティング可能。また、この時、使用する端末の高さも、忘れず調整しておきたい。特にノートPCは、そのままでは下から顔を映すことになり老けて見えやすい。箱や本で底上げして、顔が正面に来る高さを見つけておこう。

「1Kやワンルームは空間の使い方が限られますが、1人暮らしは家族がいない分フレキシブルな対応が可能です。見られてもいい場所にワークスペースを作ることが難しいなら、オンライン会議の場所と作業場所とを分けてしまうのも一つの手。自分がしっくりくる場所が見つかるまで、色々試してみてください」

  • オンライン会議では顔の映り方も大切

中西八枝佳(なかにしやえか)

横浜市を中心に活動するインテリアコーディネーター&整理収納アドバイザー。摂南大学工学部建築科卒業後、住宅メーカー、インテリアデザイン事務所勤務を経て独立。2013年、RA-CREAを創設し、これまで250名以上のお客様のインテリアコーディネートを手がける。一級建築士、照明コンサルタント、アートライフスタイリストなどの資格も保有。著書に『ホームオフィスの作り方』(RA-CREAブックス)がある。