• 四千頭身 (C)フジテレビ

ネタの収録時間は通常と変わらないというが、その後の編集は当然手間がかかる。「通常では、少しカット割りを直すくらいで収録の時点で9割は完成していますが、今回の編集は思いの外大変で、びっくりしました(笑)」と本音を吐露。1組2~3分のネタ尺で、編集には1~2時間かかるという。

それでも、こうして新しいネタを収録するのは、「芸人さんにネタをやらせてあげたいし、視聴者の皆さんにもご覧いただきたい」というモチベーションからだが、準備、収録、そして編集を経て、「スタッフもみんなやりがいを感じて、すごく実りが大きいなと思います」と、今回のチャレンジで得るものは多かったようだ。

この形式は、次週以降も継続していく予定で、「今まで『ネタパレ』に出てくださった芸人さんたちは、ディレクターとうまく関係性ができているので、自分たちの色に合ったクロマキーのネタを考えてくれています。若手もベテランの方も、柔軟な発想で斬新なネタを披露してくれます」と予告。

一方で、多くの芸人が放送を見てバーチャル背景の要領を知ることになるため、「いろんな芸人さんに『1回見てください』とお知らせしているので、このシステムを上手く使ったネタを考えてくれるとうれしいです」と期待を込めた。

  • 宮下草薙の収録 (C)フジテレビ

■バーチャル生かした大喜利企画も

今回はネタの披露に加え、この背景を生かした「バーチャル大喜利」も放送。りんたろー。(EXIT)、後藤拓実(四千頭身)、草薙航基(宮下草薙)、岩橋良昌(プラス・マイナス)の4人が、番組の用意したバーチャル背景の場所に行ったつもりで、“写真で一言”を繰り出していく。

これについては、「MCとネタがこういう形でやるのが決まってから、番組全体のパッケージをクロマキーを使ったものにしたいと考えたんです。それで、同じ形でトークをやろうと思ったんですが、『自粛生活の間、家でこんなのやってます』という話は、Zoomでもリモートでもできるので、せっかく背景を変えられるなら、もしこんなところに行ったら…という大喜利にしてしまおうと」と発案。

通常の“写真で一言”と違い、芸人が写真の中に入って回答するという構図が斬新で、通常の収録に戻っても楽しめそうな企画に。北山氏は「評判が良ければ、コロナが明けてからもできるワンコーナーになれば」と意欲を示している。

  • 『ネタパレ』演出の北山拓氏

●北山拓
1983年生まれ、大阪府出身。神戸大学卒業後、08年にフジテレビジョン入社。『はねるのトびら』『バチバチエレキテる』『めちゃ×2イケてるッ!』などを経て、現在は『ネタパレ』のほか『ENGEIグランドスラム』『THE MANZAI』などネタ番組の演出を担当。