開業前から非常に大きな話題となっていたJR山手線・京浜東北線の新駅、高輪ゲートウェイ駅が3月14日に開業した。この新駅は都営浅草線・京急線の泉岳寺駅にも近い場所に立地しており、両駅の出入口に乗換案内が表示されている。

  • 高輪ゲートウェイ駅から泉岳寺駅まで歩き、乗換え経路を確かめた(写真:マイナビニュース)

    高輪ゲートウェイ駅から泉岳寺駅まで歩き、乗換え経路を確かめた

先日、取材のため都内を訪れた際、高輪ゲートウェイ駅に立ち寄った。ここから泉岳寺駅へ歩いて乗り換える際の経路と、その時間を計測してみたので紹介したい。

■高輪ゲートウェイ駅改札から泉岳寺駅改札まで徒歩約7分

開業間もない高輪ゲートウェイ駅の改札口は1カ所。新設された道路をまたぐデッキ上に設置されている。まずは地上に下りたいところだが、改札から見て正面の階段は「Takanawa Gateway Fest」の開催延期にともない閉鎖されていたため、左側の階段・エスカレーターを利用して地上に下り、田町方面へ歩いた。先ほど通ったデッキの下をくぐると、その先に緑化された線路柵が続いている。

  • 改札から見て左側にある階段を下り、田町方面に向かって歩く。車道を挟んで緑化された線路柵が見える

そのまま歩き続け、工事中の区画の手前で黄色い標識が見えたところで左折する。曲がった後は、「アパホテル品川泉岳寺駅前」の建物が良い目印になるだろう。左手に見える「Takanawa Gateway Fest」の会場を横目に、泉岳寺交差点へ一直線につながっており、ここで国道15号と合流する。

  • JR線の線路と別れ、道なりに歩けば泉岳寺交差点にたどり着く

高輪ゲートウェイ駅から最も近い泉岳寺駅の出入口は「A1」。泉岳寺交差点にさしかかったところで、横断歩道を渡ることなく左折すると、すぐに地下鉄の標識が見える。これが泉岳寺駅のA1出入口だ。

大まかな方向をわかりやすくするためにアパホテルを目印にしたが、A1出入口を利用する場合、信号待ちで時間を取られる心配はない。ただし、A1出入口は階段のみのため、エレベーターで改札口に下りる場合はアパホテルの建物に近いA2出入口を利用することになる。その際、泉岳寺交差点で横断歩道を2回渡る必要がある。

  • 高輪ゲートウェイ駅から歩くと、泉岳寺交差点に出てくる

  • 信号を渡らずに左折すれば、泉岳寺駅のA1出入口はすぐ

  • エレベーターを利用する場合は横断歩道を渡り、A2出入口へ

高輪ゲートウェイ駅の改札前から歩き始め、泉岳寺駅A1出入口に入るまでの時間を計測したところ、筆者(20代男性)の足で約5分半。A1出入口から階段を降り、泉岳寺駅の改札前まで1分半かかった。両駅の改札から改札まで、歩いてかかる時間は合計で約7分。ホームへの移動等も考えると、10~15分あれば乗換えは可能と考えられる。

筆者の感想としては、高輪ゲートウェイ駅の正面階段が閉鎖されているために回り道をする必要があり、そこで時間がかかるように思えた。将来的に正面階段付近から泉岳寺駅付近にかけて広場を整備する計画があるとのことで、実現すれば乗換えにかかる時間は多少なりとも短縮できるかもしれない。改札を出て正面階段を下ってまっすぐ歩き、突き当たりを右に曲がれば泉岳寺交差点の手前に抜けられる。

  • 高輪ゲートウェイ駅の正面階段を降りて右に曲がった場合、泉岳寺交差点手前のこの地点に合流する予定だという

今回の乗換えは平日の昼間に行った。昨今の新型コロナウイルス感染症の影響もあってか、高輪ゲートウェイ駅から泉岳寺駅へ歩く人はさほど多くない印象だった。高輪ゲートウェイ駅構内の看板などで泉岳寺駅への乗換案内は行われていたものの、両駅間が歩いて乗換え可能であることをまだ知らない人も多いのではないかと感じた。

■混雑を避けての乗換えも可能?

高輪ゲートウェイ駅から泉岳寺駅へ歩いて乗り換える場合、メリットとしては泉岳寺駅始発で運転される京急線の快特や特急・エアポート急行の一部列車、または都営浅草線の西馬込行に高確率で着席できることが考えられる。日中時間帯を中心に泉岳寺駅始発で運転される京急線の快特は、おもに片側2ドアの京急電鉄2100形を使用しており、品川駅より泉岳寺駅から乗車したほうが席を確保しやすい。都内から横浜・横須賀方面へ、より快適な移動が可能になる。

山手線・京浜東北線から都営浅草線で西馬込方面へ向かう場合、とくに他社線と接続しない高輪台駅、戸越駅(徒歩乗換えは可能)、馬込駅、西馬込駅へ行くなら高輪ゲートウェイ駅・泉岳寺駅での乗換え1回で済む。泉岳寺駅始発の電車に乗れれば着席できる可能性は高い。

横浜方面からJR線に乗り、都営浅草線で都心方面へ向かう際、品川駅で乗り換える人もいるだろう。この場合、品川駅から泉岳寺駅まで京急線、泉岳寺駅から先が都営浅草線で、品川駅乗換えだと京急線の運賃(IC運賃136円、きっぷ運賃140円)が加算されることに注意が必要。「たかが140円」と思うかもしれないが、この差が大きいと感じるなら、別の駅での乗換えを考えても良さそうだ。

JR線から都営浅草線への乗換えは、他にも田町駅(三田駅)、浜松町駅(大門駅)、新橋駅で可能だが、いずれも利用者が多く、混雑する。JR東日本が発表した2018年度駅別乗車人員数によれば、品川駅は1日平均38万3,442人で第5位、新橋駅は1日平均28万1,971人で第7位、浜松町駅は1日平均16万2,143人で第17位、田町駅は1日平均15万6,364人で第18位。いずれも上位に入っている。今後、高輪ゲートウェイ駅がどれだけの乗車人員数を記録するかは未知数だが、近隣の駅と比べて利用者は少ないと予想される。混雑を避けたいなら、高輪ゲートウェイ駅・泉岳寺駅の乗換えも一考の余地ありだろう。

両駅間は思ったほど離れておらず、徒歩での乗換えも十分に可能。時間に余裕を持って乗り換える必要があるものの、混雑を避け、目的地へ座って行ける可能性を秘めている。新型コロナウイルス感染症の影響で不要不急の外出自粛が呼びかけられている中ではあるが、今後の外出等でJR線から都営浅草線・京急線へ乗り換えることがあるなら、高輪ゲートウェイ駅・泉岳寺駅の利用を考えてみても良いかもしれない。